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スチームワールドディグ2の感想

 前作は2017年に面白そうだと思ってPSNで買ったんですよね。まさかPS4とPSVで商品が分かれててPS4版を買ったもんだから手持ちのPSVでプレイできない罠があるとは思ってもみませんでしたよ。それ並べて売るの間違いの元だろ!

 結局プレイしたのはPS4を買った2019年になってから。その頃には完全に忘れてて、そんなのあったな〜でプレイしはじめたんですが、操作性も題材も良くて難易度も悪くないということで、10時間程度ではあっても濃厚なプレイ体験でした(結局PS4はこのゲームとDETROIT:BECOME HUMANだけクリアして処分。据え置き機と相性悪いね)。

 で、この続編ですが2020年の暮れにswitch買ったときちょうどセール中だったんですよね。とりあえず確保しておいたんですが、主人公はひょっとしてカバージャケットにいる青い顔の気持ち悪い人型生物なのか……?前作はテンガロンハットを被った21エモンのゴンスケみたいなのが主人公で、大開拓時代のアメリカモチーフの荒野+蒸気機関+ロボットたちによる錆と硝煙の穴掘りアクションだったんですよね。それがずいぶん生物的な、女性型エイリアンみたいなビジュアルになったとあってはなかなか起動する勇気が湧きませんよ。

うーん……これが主人公……

 そんなこんなで3年半ほど寝かせておいたんですが、エルミナージュ2で3週間ほど純コマンドRPGに没頭したせいか、揺り戻しでACTやりたい気分が高まってきたので起動。やっぱこの青いキャラが主人公か気持ち悪いな……とやや引いたものの、キビキビ動くし、色とりどりの鉱石目指して掘り進める楽しさ、適度な難易度は変わってませんね。

 消えたラスティ(前作主人公)を追ってピッケルで坑道を掘り進めながら鉱石を集め、街へ戻って換金して装備をアップグレード。
 装備ごとに設けられたスキルは道中に隠されてたりパズル要素満載の小部屋を突破してGETしたギアを使ってアクティベート。最初のうちは歩く、跳ねる、掘るしかできないが、ダッシュ、ボムときてフックショットを手に入れたあたりから劇的に行動範囲が広がり、最終的にはロケットエンジンを使って空中移動までできるようになる、と書くとスタンダードなメトロイドヴァニアなんですが、常に目的地が示されてるので迷う心配が無いのは嬉しいですね。

3種の神器の一つフックショット。ここからゲーム性が変わる。
もう時間経過で引き返さなきゃいけないなんてことはない。
実質無限に空中移動可能。スペースジャンプより便利。

 パッと浮かぶ難点は会話ウインドウの文字が小さくて読みづらい(ストーリーにあまり興味がないのでほぼ読まなかった)こと、街のリポップ地点から換金所まで段差を降りなきゃいけない(当然、坑道に挑むときは逆に登らなきゃいけない)のが快適性を損なってる点、序盤はすぐに灯りが切れて街へ戻らなきゃいけないから遅々として探索が進まないところ。

隣の溶鉱炉みたいなのが坑道の入口で、左下のカニが換金所。

 ただ灯りに関してはわざとそういうバランスにしてるかも。このゲーム、街への撤退を考える要因が進行度によって自然に移り変わるんですよ。序盤はすぐにランプが消えて真っ暗になっちゃうから戻り、十分な灯りを確保した中盤は拾いものでバックパックが一杯になっちゃうから戻り、それを過ぎると敵の攻撃が痛くて戻ることになる。アイテムロストが関係する敵の強さは終盤まで控えめなのがデザインの妙を感じさせますね。

 メトロイドヴァニアに必須の、「ここいけるんじゃない?」とか、「なんとなく怪しい」先には大抵何かがあるし、シーケンスブレイク(攻略手順をすっ飛ばすグリッチ)こそ見つけられなかったものの、マグマの海を強引に突破した先にお宝を見つけた時の嬉しさは堪えられない。それもこれも圧倒的な操作性の良さ、高いところから飛び降りたときは思わずプレイヤーも両腋を締めて肩を竦めてしまうような没入感によるところが大きいですね。動かすのが楽しいってのはアクションゲームとして最高の資質ですよ。

スタート地点を延々と登っていくとシークレットゾーン。定番ですね。
この手の隠しが満載で、探索は楽しい。

 クリアまでは13時間。レビューサイトで「8~10時間」って書かれてたけどまあ、自分の実力だと残当。ラスボスは倒したものの世界の崩壊は止められず「必ず助けに戻る!」と告げて仲間と別れをロケットで宇宙へ飛び出したら星が消滅してスタッフロールとかどう考えてもBAD ENDだったからメトロイドみたいにクリア時評価が影響するタイプかと思って調べてもそんな情報は出てこない。この終わり方で大丈夫?

いくらなんでも死に過ぎである。

 個人的に最もインパクトが強かったのはベクトロン。既プレイヤーなら絶対に忘れられない場所でしょ。先の見えない場所で自分より大きく、強く、速い、無敵の機械巨人の群れに追いまくられる恐怖は……。

演出も相まって、あのシーンだけ完全にホラーゲームなのよね。

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