ルシャナの仏国土 白樺編 1-5
一.帰郷 フェリーは、陸地を望むところまで来た。
「あれがライランカ。人口五千万人、森が大部分を占めているわ。比較的平和な土地よ。」
ファイーナが言った。懐かしい、我が故郷・・・。
「ほんとに森だけみたいだ・・・。」
リュウが呟いた。陸地の上に見えているのは、ただ森、森、森である。一ヶ所だけ開けているのが恐らく港町なのであろう。
午前九時、船はゆっくり接岸した。一行がタラップを降りると、二人の女性が迎えに来ていた。ファイーナと同じ藍色の髪だ。
「お帰りなさいませ、姫