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【マリンセス解説part.1】マリンセスは1枚初動を覚えろ【遊戯王マスターデュエル】

 はじめまして、ToByと申します。
 本記事では、遊戯王マスターデュエル(以下MD)に於いて2022年2月からマリンセスを使い続けてきた私なりのマリンセス解説を行っていきます。
 初回となる今回は、一見すると少し複雑なマリンセスの展開を覚えるコツ、上達への近道を私なりの考え方で書いていこうと思います。
 どこよりも丁寧な解説を目指しますが、その分冗長に感じる部分もあるかも知れません。ご容赦ください。

前置き

・「マリンセスって展開難しくない?」

 わかる。

 マリンセスの展開は一見すると一本道ですが、実際には効果を使う順番や召喚する順番で展開が非常に細かく分岐します。初動の組み合わせによって変わる展開それぞれで100点を目指すというのは果てしない道のりです。偉そうな顔して解説などと言ってはいますが、私自身100点を取るにはまだまだ修行不足だと思います。

 ただし、80点の展開を習得するのはそこまで難しくありません。今回は誰でも80点の目指し方を習得できる、そんな記事を目指していきます。

・何故1枚初動を覚えるべきなのか?

 結論から言うと、拡張性が高いからです。

 マリンセスというテーマは下級モンスターが全て初動になれるテーマです。しかも、複数種類のマリンセスカードを引いた場合、そのほとんどがそのまま手数になります。だからこそ、初動にどのマリンセスを何種類引いているかによって細かく展開が変わるわけですが、その全てのパターンの最適解を一から覚えるというのは、中々骨が折れます。一般的に採用が多いマリンセスカードだけで考えても、1枚初動で5パターン、2枚初動だとおよそ36パターン、3枚初動だと……とても解説しきれません。

 そこで、考え方を変えてみます。

 マリンセスの先攻展開を要素に分解して見てみると、初動の枚数に関わらず《海晶乙女ブルースラッグ》、《海晶乙女シーエンジェル》、《海晶乙女コーラルアネモネ》を通り、《海晶乙女コーラルトライアングル》を経由し、リンク4モンスターに至ります(一部下級は1枚からリンク4まで伸びないこともありますが、流れは同じです)。


 つまり、本質的には1枚初動も複数枚初動もやることは同じなのです。
 更に言い替えるなら、マリンセスにおける複数枚初動は全て1枚初動+上振れ札という構成だと言えます。ということは、1枚初動の動きを覚えるだけで、マリンセスの展開ルートのほとんどに応用が効くのです。
 この考え方は、展開の覚えやすさはもちろん展開にかかる時間の短縮にも繋がるため、マリンセスを回し慣れている方も把握しておいて損はないと思います。

1枚初動展開解説

・「初動役」は誰か

 さて、先程マリンセス下級モンスターは全て1枚初動になれると説明しました。一方で複数枚のマリンセス下級を引いた場合には1枚初動+上振れ札という振る舞いをするとも説明しました。
 マリンセスをある程度回し慣れている方は感覚的に構造が理解できているかもしれませんが、額面通りに受け取るとなんだか矛盾しているような文章ですね。どういうことなのか。

 その仕組みは簡単、初動としてより質の高い下級が「初動役」を務め、より質の低い下級は「上振れ札役」を務めるのです。
 魚類の中には群れの中で最も体の大きいメスがオスへと変化する種があるそうですが、なんだか仕組みが似てますね。海の生物モチーフだし。KONAMIのやつそこまで考えて……!?

 閑話休題。
 「初動役」と「上振れ札役」という話をいかにも話のキモであるかのように発表されて、「なんだそんな話か」と思った方もいるかもしれません。

が!

この仕組みを上手く活用しているマリンセスプレイヤーは案外少ないというのが私の印象です。
 もちろん、いずれは初手の組み合わせや警戒したい誘発に合わせて動きを微調整していく必要があります。しかしそれは100点を目指す段階の話。ここで目指すのは80点であると明言してありますので、まずはこの仕組みを理解し活用していただきたいです。

・初動の優先順位

 各初動の解説に移る前に、先の項目で触れた初動の質の高さ=初動役の優先順位について触れておこうと思います。それがこちら

1.《海晶乙女ブルータン》
2.《海晶乙女シーホース》
3.《海晶乙女スプリンガール》
4.その他のマリンセス下級

 これから個別の初動解説に入りますが、この順番に合わせて紹介していきます。

・《海晶乙女ブルータン》

《海晶乙女ブルータン》召喚、効果で《海晶乙女スリーピーメイデン》を墓地へ


《海晶乙女ブルータン》を素材に《海晶乙女ブルースラッグ》をリンク召喚、《海晶乙女ブルースラッグ》効果で《海晶乙女スリーピーメイデン》を回収
(《海晶乙女ブルータン》の②効果はここでは使わない)
(1/15追記あり。詳しくは下記"複数枚初動の注意点-《海晶乙女シーエンジェル》効果は出来るだけ隠す"の項にて解説しています)

《海晶乙女スリーピーメイデン》効果、《海晶乙女ブルースラッグ》を対象に特殊召喚

《海晶乙女ブルースラッグ》、《海晶乙女スリーピーメイデン》を素材に《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚

《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で《海晶乙女ブルータン》を蘇生

《海晶乙女ブルータン》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚
チェーン1《海晶乙女シーエンジェル》、チェーン2《海晶乙女ブルータン》②効果発動、《海晶乙女シーエンジェル》効果で《海晶乙女の潜逅》をサーチ()



《海晶乙女の潜逅》発動、《海晶乙女ブルータン》を蘇生

《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女ブルータン》を素材に《海晶乙女コーラルトライアングル》をリンク召喚
《海晶乙女コーラルアネモネ》②効果で《海晶乙女ブルータン》を回収

《海晶乙女コーラルトライアングル》効果発動、《海晶乙女ブルータン》をコストに《海晶乙女波動》をサーチ

《海晶乙女コーラルトライアングル》、《海晶乙女シーエンジェル》を素材に《海晶乙女アクアアルゴノート》をリンク召喚



《海晶乙女スリーピーメイデン》②効果発動、《海晶乙女アクアアルゴノート》に《海晶乙女コーラルアネモネ》を装備

※本来は《海晶乙女ブルータン》効果でマリンセスカードを引けた場合、その種類に応じて《海晶乙女シーエンジェル》のサーチ対象が変化しますが、ここでは何も引けなかったものとして進めます。


 《海晶乙女ブルータン》は、唯一1枚初動から装備付き《海晶乙女アクアアルゴノート》に繋がる下級です。更に、②効果でマリンセスカードを引き込むことができれば、疑似的に初動枚数を+1枚することができます。
 以上2点から最も質の高い初動役として不動の地位を築いており、《海晶乙女ブルータン》が含まれる手札なら初動役は必ず《海晶乙女ブルータン》になると思っていただいて構いません。

 また、②効果で引き込んだ際に直接上振れ札の役目を果たせないマリンセスカードとしては、《海晶乙女パスカルス》、《海晶乙女波動》の2種類の他に、「①効果で墓地に送ったマリンセスと同種のカード」があります。
(例:《海晶乙女シーホース》を墓地に送った場合、②効果で《海晶乙女シーホース》を引き込んでも、自身の条件による特殊召喚を1度しか行えないため手数になれない)
 そのため、複数枚初動で《海晶乙女の闘海》をサーチする余裕がある場合でも、《海晶乙女ブルータン》で墓地に送るモンスターは基本的に《海晶乙女スリーピーメイデン》を推奨します。

・《海晶乙女シーホース》

《海晶乙女シーホース》召喚



《海晶乙女シーホース》を素材に《海晶乙女ブルースラッグ》をリンク召喚、効果で《海晶乙女シーホース》を回収

《海晶乙女ブルースラッグ》のリンク先に《海晶乙女シーホース》を特殊召喚

《海晶乙女シーホース》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚、効果で《海晶乙女の闘海》をサーチ()



《海晶乙女ブルースラッグ》、《海晶乙女シーエンジェル》を素材に《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚

《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で墓地のマリンセスモンスター(ここでは《海晶乙女シーエンジェル》とします)を蘇生

《海晶乙女の闘海》発動

《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女シーエンジェル》を素材に《海晶乙女コーラルトライアングル》をリンク召喚
チェーン1《海晶乙女の闘海》効果、チェーン2《海晶乙女コーラルアネモネ》②効果
《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で《海晶乙女シーホース》回収、《海晶乙女の闘海》効果で墓地のリンクモンスター3種装備

《海晶乙女コーラルトライアングル》効果発動、《海晶乙女シーホース》をコストに《海晶乙女波動》をサーチ

※ここで《海晶乙女の潜逅》をサーチすることで展開が分岐し、《海晶乙女波動》サーチ後に《海晶乙女コーラルトライアングル》と《海晶乙女シーホース》を素材に《海晶乙女グレートバブルリーフ》をリンク召喚する展開になります。
 スタンバイフェイズのドローもあり、一見上で解説した展開よりも強く見えると思いますが、《海晶乙女の闘海》をサーチしておくメリットが2つほどあります。
 1つは、突破された際に装備状態の《海晶乙女コーラルアネモネ》②効果で《海晶乙女シーホース》を回収することができ、《海晶乙女コーラルトライアングル》の②効果と合わせて3ターン目の手数を2手確定で用意することができます。
 もう1つは、3ターン目に素引きやシーエンジェル効果によって手札に加えた《海晶乙女の潜逅》がリクルート効果を使えるようになり、動きの質を高めつつリソースを貯めていくことができます。
 一方でデメリットとしては《海晶乙女シーホース》1枚展開においては《海晶乙女の闘海》が妨害に繋がらないこと(ただし《海晶乙女グレートバブルリーフ》も1ドローで手札誘発などを引き込まない限り妨害数は変わらない)、2023年1月時点で【神碑】などの対策に採用が若干増えている【コズミック・サイクロン》から《海晶乙女の闘海》を守ることができない、などがあります。
 最終的には手札にある妨害の数や質、環境の傾向などからデュエル毎に両方の展開を使い分けられるようになるのが理想ですが、慣れないうちは《海晶乙女の闘海》をサーチすることを推奨しておきます。

・《海晶乙女スプリンガール》

《海晶乙女スプリンガール》召喚



《海晶乙女スプリンガール》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚
チェーン1《海晶乙女シーエンジェル》、チェーン2《海晶乙女スプリンガール》②効果()
《海晶乙女シーエンジェル》効果で《海晶乙女の潜逅》をサーチ

《海晶乙女の潜逅》発動、《海晶乙女スプリンガール》を蘇生

《海晶乙女シーエンジェル》、《海晶乙女スプリンガール》を素材に《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚

《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で《海晶乙女スプリンガール》を蘇生

《海晶乙女スプリンガール》を素材に《海晶乙女ブルースラッグ》をリンク召喚、効果で《海晶乙女スプリンガール》を回収

《海晶乙女スプリンガール》効果発動、墓地の《海晶乙女シーエンジェル》をコストに特殊召喚

《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女スプリンガール》を素材に《海晶乙女コーラルトライアングル》をリンク召喚
《海晶乙女コーラルアネモネ》②効果で《海晶乙女スプリンガール》を回収
(ここで《海晶乙女スプリンガール》を素材に使わないと、《海晶乙女波動》をサーチするためのコストを調達できません)

《海晶乙女コーラルトライアングル》効果発動、《海晶乙女スプリンガール》をコストに《海晶乙女波動》をサーチ

《海晶乙女コーラルトライアングル》、《海晶乙女ブルースラッグ》を素材に《海晶乙女グレートバブルリーフ》をリンク召喚

※ここで一部のマリンセスモンスターが墓地に落ちた場合に多少展開が上振れますが、低確率であること、展開の大筋は変わらないことから詳細は省きます。

 《海晶乙女スプリンガール》1枚の初動は優秀ですが、《海晶乙女シーホース》より特殊召喚の条件が緩いため、《海晶乙女シーホース》と《海晶乙女スプリンガール》の2枚初動の場合は《海晶乙女シーホース》を初動役に据えた方が妨害への耐性が高いです。

・その他のマリンセス下級

 ここまでに登場していないマリンセス下級モンスターは全て同じ展開になります。主に採用されるのは《海晶乙女パスカルス》と《海晶乙女マンダリン》の2種類だと思います。

 《海晶乙女マンダリン》は自身の効果で他の下級モンスターより展開が伸びそうに見えるかも知れませんが、1枚初動の場合《海晶乙女マンダリン》の効果使用と《海晶乙女波動》サーチの両立ができないため、他の下級と同じ展開を推奨します。ここでは《海晶乙女パスカルス》を例として展開します。

《海晶乙女パスカルス》召喚

《海晶乙女パスカルス》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚、効果で《海晶乙女の潜逅》をサーチ

《海晶乙女の潜逅》発動、《海晶乙女パスカルス》を蘇生

《海晶乙女シーエンジェル》、《海晶乙女パスカルス》を素材に《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚

《海晶乙女コーラルアネモネ》効果発動、《海晶乙女パスカルス》を蘇生

《海晶乙女パスカルス》を素材に《海晶乙女ブルースラッグ》をリンク召喚、効果で《海晶乙女パスカルス》を回収

《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女ブルースラッグ》を素材に《海晶乙女コーラルトライアングル》をリンク召喚、《海晶乙女コーラルアネモネ》②効果で《海晶乙女の潜逅》を回収

《海晶乙女コーラルトライアングル》効果発動、《海晶乙女パスカルス》をコストに《海晶乙女波動》をサーチ


 最終盤面に攻撃力1500の《海晶乙女コーラルトライアングル》しか残らず頼らないかも知れませんが、《海晶乙女波動》による妨害、《海晶乙女コーラルトライアングル》②効果と回収した《海晶乙女の潜逅》によるリソースによって思いの外戦えます。この初動ははっきり言って下振れの部類なので、生き残れたなら御の字です。

(1/3追記)
 マリンセスというテーマを表現する際にしばしば用いられる表現として、「全ての下級モンスターが1枚からリンク4を作れる」というものがあります。実際これは正しいです。具体的には、先の展開で《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚したタイミングで《スプラッシュ・メイジ》をリンク召喚し、《スプラッシュ・メイジ》及びその効果で蘇生したモンスターで《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚、効果で《スプラッシュ・メイジ》を蘇生し、2体でリンク4をリンク召喚する、という展開です。
 では何故この展開を紹介しなかったのか。きちんと読んでくださった方はお気づきかもしれませんが、この展開《海晶乙女コーラルトライアングル》を経由していません。つまり、《海晶乙女波動》のサーチも、墓地効果による再展開も保証されていない盤面ということになります。これはハッキリ言って非常に弱いです。マリンセスというデッキの強みをふたつ同時に投げ捨てるに等しい展開です。相手のデッキが、罠デッキなどの《海晶乙女波動》が有効に働かずかつドローを進めて有効な札を探しに行きたいデッキであると判明している場合など、極めて限定的にしか使用しない展開です。

 先に述べた通り、今回の記事で紹介した《海晶乙女コーラルトライアングル》までしか召喚しない展開には十分な強みがあります。是非まずはこの通りの展開で練習することを推奨します。

複数枚初動の際の注意点

 最初にも述べた通り複数枚初動全てを解説しようとすると執筆中に2024年になりかねないため、今回の記事では個人的に特筆すべきと感じた注意点をいくつか記すに留めます。

・《海晶乙女コーラルアネモネ》の召喚タイミング

 展開解説中に再三活用しましたが、《海晶乙女コーラルアネモネ》には②の墓地回収効果があります。このため、召喚・特殊召喚の合計が5回に達するまでに《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚することで、相手に《原始生命態ニビル》を使用された際に最低限次のターンの初動を回収することができます。
 ちなみに、この記事で紹介した展開は全て5回目までに《海晶乙女コーラルアネモネ》が特殊召喚されています。ご安心ください。

 これはかなり高度な話になるため読み飛ばしても構いませんが、初動枚数が多くかつ《海晶乙女スプリンガール》の①効果や《海晶乙女の潜逅》を使用していない場合には、《原始生命態ニビル》を貫通して展開することができる場合もあります。コツとしては5回目の特殊召喚までにリンク1モンスターを2種類とも使い切らないこと、《海晶乙女コーラルアネモネ》のリンク召喚を5回目ちょうどにすること(効果発動前に《原始生命態ニビル》を使ってくれた場合は展開を伸ばしやすくなります)などがあります。

・《海晶乙女シーエンジェル》の効果は出来るだけ隠す

 《海晶乙女シーエンジェル》のサーチ効果はマリンセスの展開の中で数少ない《灰流うらら》が有効なタイミングです。サーチ先の2種類の魔法もそれぞれ展開・リソース面で重要なカード達なので、可能な限り《海晶乙女ブルータン》や《海晶乙女スプリンガール》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚し、彼女達の②効果をチェーン2に置くことで《灰流うらら》から守る癖をつけることを推奨します。

 また、《海晶乙女ブルータン》1枚初動の展開例で行ったように、《海晶乙女ブルースラッグ》などのリンク召喚の際に《海晶乙女ブルータン》の②効果を使わず《海晶乙女シーエンジェル》効果に重ねることで、《ドロール&ロックバード》のダメージを軽減することもできます。

(1/15追記)
 1/10のアップデートで《斬機サーキュラー》が実装され、それに伴い【斬機】デッキ及び《斬機サーキュラー》を中心にした斬機出張が俄に流行しつつあります。【斬機】デッキの妨害の要である《斬機超階乗》の対策として《屋敷わらし》の採用が増えることが予想され、また私自身の体感として《屋敷わらし》との遭遇率が高まっている節があります。また、《無限泡影》や《エフェクト・ヴェーラー》と異なり、《海晶乙女ブルータン》召喚時の反応などから存在を警戒することもできません。
 本記事を投稿した時点では《屋敷わらし》の採用率は決して高くなく、【ふわんだりぃず】などへの対策として《ドロール&ロックバード》が増加するという予想が立っていたため、《海晶乙女ブルータン》の②効果の使用タイミングについて《海晶乙女ブルースラッグ》のリンク召喚時ではなく《海晶乙女シーエンジェル》のリンク召喚時にすべきという結論でした。
 しかし、《海晶乙女シーエンジェル》のリンク召喚より前に《ドロール&ロックバード》を使われた場合及び《海晶乙女シーエンジェル》に《灰流うらら》を使用された場合と比較して、《海晶乙女ブルースラッグ》に《屋敷わらし》を使用された場合の方が致命的なダメージを受ける場合が多いです。例えば《海晶乙女ブルータン》1枚初動の場合などは、次のターンの初動札すら回収できず、そのままターンエンドという事態に陥るリスクが無視できなくなりました。
 《海晶乙女ブルースラッグ》に《屋敷わらし》を使用されても展開を継続可能な手札である場合など、可能であれば《海晶乙女ブルータン》の②効果を《海晶乙女シーエンジェル》のリンク召喚時まで温存すべきであるという点に変わりはありませんが、環境的にどの手札誘発をケアすべきか各自の判断が必要な環境になりつつあります。各々自分のマッチング帯の《屋敷わらし》や《ドロール&ロックバード》の採用率を確認しつつ、《屋敷わらし》が多いと感じる場合には《海晶乙女ブルースラッグ》のリンク召喚時に《海晶乙女ブルータン》の②効果を使用するなど工夫をお願いします。

・《海晶乙女ブルータン》で墓地に送るモンスターの優先度

 先程《海晶乙女ブルータン》1枚初動のところでも触れましたが、基本的に墓地に送るのは《海晶乙女スリーピーメイデン》が最優先です。同種のマリンセスモンスターを引き込むケースを無くせる他、《海晶乙女シーエンジェル》で《海晶乙女の闘海》をサーチするタイミングで《無限泡影》、《灰流うらら》などの妨害を受けた場合でも、《海晶乙女スリーピーメイデン》②効果で《海晶乙女アクアアルゴノート》の魔法無効と装備された《海晶乙女コーラルアネモネ》によるリソース確保を可能にします。

 これもまた高度な話ですが、明確に《海晶乙女スリーピーメイデン》以外のモンスターを墓地に送るメリットが存在する展開も存在します。
 例えば、《海晶乙女ブルータン》+《海晶乙女の潜逅》+マリンセス下級モンスター(《海晶乙女パスカルス》を除く)という3枚初動の場合、
《海晶乙女ブルータン》召喚、効果で《海晶乙女パスカルス》を墓地へ

《海晶乙女の潜逅》発動、《海晶乙女パスカルス》を蘇生、効果で手札のマリンセス下級を特殊召喚

《海晶乙女ブルータン》、《海晶乙女パスカルス》を素材に《バハムート・シャーク》をエクシーズ召喚



《バハムート・シャーク》効果発動、《餅カエル》を特殊召喚

という展開を行うことで、5回目の召喚・特殊召喚までに《餅カエル》を特殊召喚できます。能動的に《原始生命態ニビル》を対策することができる展開の中で最もわかりやすい展開だと思うので、余裕があれば覚えておくとイイコトがあるかもしれません。

終わりに

 大変長々と続いた解説にお付き合い頂いた皆様、お疲れ様でした。手元の計測で7000文字を軽く上回る解説を行ってきましたが、ここまでの内容は基本的にマリンセスを極める基礎の部分です。是非ここで解説した展開や考え方を身につけ、マリンセスというデッキの楽しさ、強さを知ってもらいたいです。

 今後要望があるようでしたら構築論や特定の複数枚初動、一風変わったカードの採用の可否考察などの記事を書く気もある……かもしれないので、疑問、質問などありましたらTwitter(@ToByMarincess)までお気軽にご連絡ください。

 ご清聴ありがとうございました。また会いましょう。

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