キッカケはエキストラ

《地元密着型演奏家になりたい》
そう思ったのは友人の演奏会に欠員が出て、
急遽エキストラで参加した時。

当時私のいた音楽大学では、
故郷のホールを県人会として抑えて、
凱旋コンサートをするのが流行っていました。

しかも打楽器アンサンブル。
指導先や出身校の後輩たちのみならず
一般の人が見ても楽しい。

みんなが満足げに帰ってくるのを
大学で迎えながら、
羨ましささえ、感じていました。

そんな時、
急遽私も友人の県まで演奏しにいくことに。

それは本当に楽しかった。
友人たちの関係者にのみならず、
地元出身の音楽家を応援しようとする
温かな眼差し。

《愛に溢れた笑顔》に包まれる会場。

いくつかのコンクールで入賞し、
大学では成績優秀者としてリサイタルも開催し、
ソリストとして生きていきたいと願っていた。

けれども演奏する《場所》について
イメージする事が出来なかった。

お客さんと、心も近い距離
《地元密着型》

これではないか。
そして私も同じ県人会の友人を集めて、
ホールを抑えに抽選会へ。

その時、運命の出逢いが待っていたのです。