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大切なAさんについて



社会人になってから、出会った女性がいる。

「私、はじめて会った時から、あなたのことが好みです」と出会った直後に言われ、心を鷲掴みにされた。

面と向かってそんな風に言われたのは、私の人生で初めての出来事だった。


単純な私は、とても嬉しかった。


女性のことをAさんと呼ぶこととする。

Aさんは、とにかくキュートな人だ。
とことん明るい。


「みんながにこにこできたら、それが一番いいよね」というのが口癖だ。

その場にいる全員が気持ちよく過ごせるよう、本気で考えている。

空間をまるごと明るさで包み込んでくれるような、優しい人だ。

はじめての飲み友だち


私が産休に入るときに「出産前に2人でご飯に行こう」と声を掛けてくれた。

産後には、赤ちゃんに会いにきてくれた。

子育てが落ち着くと「飲みに行こう」と声を掛けてくれ、2人でお酒を飲みに行った。
それからも、時々誘い合って2人で飲みに行くようになった。


私に飲み友だちができたのは、人生で初めてだ。


今までも、友人と2人や3人で飲みに行ってみたいという気持ちがあったが「私と飲みに行って楽しいのかな」という不安感が勝り、結局誘えずにいた。

Aさんに誘われた時は、そんな感情は生まれず、私はすんなりと誘いを受け入れた。

2人で過ごす時間は、ただただ心地よく、まるで昔からの友人と過ごしているかのような安心感がある。


美味しい食べものとお酒があり、楽しいねと言い合い、にこにこと話す時間。

Aさんが行きつけのお店のマスターと取り留めのない話をし、私の方へにこやかに視線を送る。

別れ際には「楽しかったね」とハグして、手を振り別れる。

友人とハグをするなんて、いつぶりだろうと考える。



Aさんは、相手がすぐに心を許してしまえるような気やすさがある。

目の前の人に対し、いつも愛を持って接してくれているのだろうなと想像する。

運命を本気で信じている


「私、運命を信じてるし、そういうことを大切にしているの」
と教えてくれたAさん。


これまで、そしてこれから出会う人との縁を本気で信じており、出会えた人や身近な人をとことん大切にする。


Aさんが愛情深い理由について、その時にはっきりと理解した。


気がついた時には、私の方がAさんのことを大好きになり、家族のように大切に想っていた。

Aさんが幸せでありますように、と心から願っている。

最後に


周りの人たちを明るく照らしてくれる愛情深いAさんとは、学生時代に出会っていたら、きっと違う関係性になっていたのではないかとふと考える。

社会人になってから出会えたからこそ、今の関係になれたのだろうなと、私も運命というものを信じてしまう。

Aさんと出会えたことで「愛を伝えることに遠慮なんていらないんだな」ということを知った。

かわいいね、大好きよ、と、ストレートに相手に伝えるAさん。

「こういう時、Aさんならどうするかな?」と、頭をよぎることがある。
きっと人目を憚らず、Aさんが思った通りに動くだろうなと思い、私も自分の気持ちに正直に動けることが増えたように思う。

出会えて嬉しいという想いをもって、一緒に過ごす人みんなを大切にするAさんのことを、私は眩しい気持ちで見ている。

そんなAさんのことが愛おしくて、大好きだ。

キュートなAさんに、たくさんの愛が降り注ぎますように。

出会ってくれて、ありがとうございます。

おばあちゃんになっても、お友だちでいられますように。

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