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歌舞伎を知る

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歌舞伎観劇30年ほど。見れば見るほど、知れば知るほど楽しい。勉強ノート、備忘録。
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義経千本桜 すし屋

2024年2月「十八世中村勘三郎十三回忌追善猿若祭二月大歌舞伎」夜の部 歌舞伎には、忠義のために自分の子を犠牲にする話がいくつかある。菅原伝授手習鑑の寺子屋、熊谷陣屋、そしてこの「すし屋」。 (こうした「自己犠牲」の物語について語る、勘三郎のインタビュー記事を見つけた。あなたの芝居をもっともっと見たかったです。) わたしは歌舞伎を見るとき、「江戸時代の観客たちは、この話をどう受け止めたんだろう」と考える。七五三の祝いが慣習として残っているほど、昔は子どもが無事に成長するこ