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ソレダケ舞台挨拶2015.7.3@シネマート新宿
7月3日、公開から1か月を過ぎ、ファーストランの中締めとでもいうべきイベントが!キャストから渋川清彦さんと村上淳さん、そして脚本家のいながききよたかさんが登壇される舞台挨拶つき上映に行ってきました。
(例によって、記憶がたよりの、レポというより1ファンによる覚書のnoteです。発言部分はカギカッコくくりになっていますが一言一句そのとおりではなく意訳も入ってます(発言者の方の本意と異なる書きぶりになってしまっていたら申し訳ありません…!))
■登場!
上映前の舞台挨拶。扉が開いて、渋川さん、村上さん、いながきさんの順に登壇。
個人的には立川シネマシティ以来の渋川さん。すっかり勝手にお馴染み気分です。声といい表情といい、唯一無二な存在感素敵です!
いながきさん、思ってた以上にお若くてカジュアルな雰囲気。舞台挨拶は初めてとおっしゃっていましたが、飄々とした印象でした。
そして、村上さん。ラフなスタイルなのに、どの瞬間を切り取っても絵になるところがさすが!
そうそう、冒頭から「撮影OK」ということで、お話聴くのに集中したいやら写真も撮りたいやらで、もう忙しかった!^^;
渋川さんと石井監督のコンビ@立川も楽しかったですが、渋川さんと村上さんが並ぶともうなんとも言えない!
このおふたりが恵比寿と猪神にキャスティングされたのは必然だったんだなというのが、実際におふたりが並んでいる様子をみてひしひしと。
シルバーグレイの紙袋を持って登壇した村上さん、2日がお誕生日の渋川さんにプレゼントを贈呈。舞台上で渡すところがなんとも粋です。プレゼントはウィスキーのジョニ黒とのこと。
(ぜったい会場の大多数が「ジャックダニエルじゃないんだ…」と思ったはず笑。まああれは千手と大黒のアイテムだから関係ないと言えば関係ないw)
挨拶の途中で袋から箱を取り出して見たりずっと持っていたりの渋川さん。いいなぁいいなぁ。
■綾野剛さん来てません笑
さて、今日の会場内のリピーター率はいかに?
渋川さん「僕は4回観てて、今日を5回目にしようと思ってるんですけど」
4回以上観てる人?との問いには挙手多数でした。リピ率高かった。それも並の回数じゃない笑 10回以上?の問いかけにも挙手があって。
そんなに染谷将太が好きなの?… 綾野さん… 綾野剛ねえ。そんなに綾野剛か…
みたいなやりとりが繰り広げられw 渋川さん、舞台袖を見やって「出てきませんよ? 右から出てきたりしませんよ」なんて綾野剛ファンをくすぐるサービス(?)も笑
え、新宿スワンは何回?スワンよりこっちのほうを多く観た?なんて会話も聞こえつつ、挙手の方は、「(綾野さんが、というだけじゃなく)この映画が好きなんです」とおっしゃっていましたね~。気持ちわかります!最初に観に行ったきっかけは綾野さんだけど、綾野さんが出ている映画だからって毎回こんなリピできるものじゃないです。
■ネタバレなんてこわくない!
リピーターの人が多いので、ちょっとネタバレになっちゃうかもしれませんが、内容についてもお聞きしたいと思いますが…という進行になった時に、
「いいの、いいのっ、映画はネタバレしても大丈夫だからっ!」
と会場に向けて言う村上さんチャーミング!
ソレダケという作品のことだけじゃなくて、映画全般についてのことでおっしゃっているのだと思いました。軽やかな言い方だったけど、メッセージを感じました。
ネットで情報が簡単に手に入るいま、見たくなくても情報が目に入ってきてしまうようになって、ネタバレへの過剰な意識があるというか。発信するほうとしても、けっこう気にしてしまったり、それでもうっかりやってしまったり。なかなか難しい問題ではあります。
受け取る側としても、例えば綾野さん関連もいつもTwitterを通して情報を得てしまうので(得てしまうというか、いただいている、というのが正しい。感謝感謝の状況ですけれども!)、自分で意識してシャットアウトしない限り、全然知らない状態で新しい作品に出会うことはないんだと思うと、良し悪しはおいても、SNSがなかった時代とは全然あり方が違うなあと思う。
でもわたしは、やっぱり断然いまのほうが幸せです。昔は好きなものがあっても、なかなか情報を得ることができなかったし、同じファンの人と出会えることもなかった。それが今では、ファン同士どころか作り手ともつながろうと思えばフラットにつながれるし、見たいもの行きたい場所にたくさん出会えて、あとは自分のちょっとした勇気さえあれば、どこまでも世界が広がっていく。いい時代だなあと思います。
(ちょっと余談が長くなりました…閑話休題)
■みんな大好き背中くん
恵比寿の台詞に出てくる背中くんとかヤマさん、印象深いですが…、との問いに、
いながきさん「あれは、実際にモデルがいまして。背中くんは、友だちの友だちで、田中くんという名前でおなかくんって呼ばれていた。さすがにそのまま使うのはまずいかなと、背中くんにしました。背中くんには設定があって、恵比寿と同じ少年院なんですけど入ったのは父親の背中を刺したから、という理由なんです」
まさか、背中くんまで「父と子」の因縁の輪の中に含まれているとは!
ソレダケ、本編中で直接的な説明はすごく少ないけど、裏設定がたくさんあって、見ているとわからないなりに何かあるぞというのが伝わってくるから何度も見たくなっちゃう。惹きつけられる要因の1つはここですねー。作り手と観客のキャッチボールというか。こちらは全然見当違いのボール投げてるかもしれないけど笑、とにかくキャッチボールさせてくれる懐がある映画。
それにしても…とくにスタッフサイドがずいぶん背中くん好きみたいでなんか面白い。個人的にはヤマさんが気になるんですけど!
■アドリブ
「早く帰って相撲が…」はアドリブとのことですが、その他にも村上さんはアドリブが多かったそうで…との問いから、現場でのアドリブの話に。
ビタミンのくだりも、咲夜輝夜呼んだだけーもアドリブだそうです。
それでも大半は採用ならずカットされているとか。プログラムかどこかのインタビューでも書いてあった、襲撃シーンの千手gangに対して「あいつボーイスカウトで会ったことある」はさすがにはまらないのでカット。
渋川さん「言われたほうもなんて返していいか困りますよね」
そりゃそうだ笑。
そんなにアドリブを入れて現場で大丈夫でしたか?の問いに、
村上さん「現場は、監督も共演者もなにやっても許してくれる雰囲気だったので。染谷くんも石井監督の作品に何度も出ているし…。「生きてるものはいないのか」は、前々作ですか…。まあ、中でも僕とKEEくんは…監督にとって特別学級みたいなものじゃないですかね」
(「生きてるものはいないのか」は染谷さん、渋川さん、村上さんが3名ともご出演だったのですね。あれ、村上さんの役名が「ヤマさん」だ…)
村上さん「襲撃シーンは最初お歯黒もしていたんです。歯が欠けてるように見せたくて。みんな止めないでやらせてくれたんだけれど、あれは自分から「これは違うな」って思ってやめましたね、目の下の黒だけで十分でした。やめてよかったです笑」
やめてくださってよかったです!笑
村上さん「台本の台詞を身体に染み込ませると、ここに入れられるなっていう間が見えるんですよ。リハーサルは恥をかいていい場所、実験する場所だと思っているので。1回1回違うものにしようと思ってやりました」
渋川さんのデストロイヤーの歌はアドリブ。一方で背中くんやヤマさん関係の長台詞は台本どおりだそうです。
こうなってくるとほんと、台本がとっても読みたい。
Twitterのソレダケ公式さんが載せてた千手の台詞もだいぶ実際の映像と違っていましたから、比べて見てみるのも面白そう。
■脚本について
メインキャストはいわゆるあて書き。脚本を作り上げるうえでの難しさなどについての話題。
いながきさん「イメージができあがっていたのでやりづらいことはなかったけれど、猪神と千手の台詞は難しかった。監督からも「悪役の台詞が重要なんだ、深さがないといけない」と何度も言われました」
(司会:ブルース・リーの哲学を勉強したというお話が興味深かったのですが…)
いながきさん「あれは、つい自分でブルース・リーの名前を出して台詞を書いちゃったんですよね、一度。そうしたら、監督が、ブルース・リーは残していい。でも他はこのままじゃだめだ、もっとブルース・リーを掘り下げろと」
(司会:アドリブが多かったということですが、そのあたりはどうですか)
いながきさん「大御所の脚本家の方とかだと、ひとことでも台詞を変えられるのは許せないという方もいますが、僕は気にしないです。大丈夫です。皆さんのアドリブの台詞がそのキャラクターの名台詞になってるのが脚本家としてはぞっとするところもありますが…(笑)。現場の空気を活かすほうが大事なので、脚本と台詞が変わるのは全然だめじゃないです」
■村上淳さん…
村上さん、初めて生で拝見したのですが、ムードメーカーのように中心となって話をしてくださったり、他の方のコメントをわかりやすく補足説明してくださったり、気遣いの方でした。年齢を重ねて、あんなにチャーミングで少年っぽさと大人の色気が同居してかっこよくてさりげない…というあり方ができるんだなぁと見とれました!そして、何より声が素敵すぎ!
綾野さんだと、役でだいぶ声が違うので舞台挨拶で「あぁ○○の役の声だ~」と思うことはほぼないのですが、村上さんはもう「猪神が目の前でしゃべってる~!」となってドキドキしました。その後本編を見ながら「さっき目の前にいた方が~」とまたドキドキしたりして。
最後のご挨拶もすてきでした。
「けっこうツイッターとか見てるんで、北海道からいらしてるというのも見て。
みなさん雨の中、こんな遅い時間に劇場に足を運んでくださったことに感謝しかありません」
■リピーターも初めての人も
最後にいながきさん、「石井監督から『たくさんリピーターがいて驚くと思うよ、感謝しないと…』と伺っていました。監督に代わって御礼申し上げます」。
この夜はほんとリピーターの熱気が溢れてました。ソレダケはいつもひとりでこっそり観てる…という感じが私はしているのですが、今夜ばかりは、みんな同じ穴の狢(←使い方おかしいw)って感じで。ああ、あれだ、綾野さんの言葉をお借りするなら「共犯者」の感覚ですね。映画観ている間もなんだかずっと楽しかったです。
そんなリピーターたちの一方で、初めて観たと思われる男子グループがエンドロール終わった後も椅子に深く沈み込んだまま「すっげー…」「なあ!」と放心していました。いいね!
シネマート新宿では7月10日までスクリーン1で上映! 追撃上映も全国でさらなる広がりを見せそう。
こんなに楽しませていただいて感謝感謝です!
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