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2015-09-12「天空の蜂」初日舞台挨拶

ついに9月12日に初日を迎えた「天空の蜂」。

初日舞台挨拶@TOHOシネマズ六本木ヒルズに行きました。丸の内、二子玉川に続いて行われた3回目、上映後舞台挨拶です。

…なんかもう、この作品が個人的に大切すぎて、レポも長大にならざるを得ませんでした!(^^;

以下、綾野さん中心で、個人的な記録のための覚書です。

*例によって例のごとく発言内容は記憶を元に再現していますので、正確とは限りません。まとめたり意訳している部分もありますが、できるだけ元のニュアンスを再現することを心がけたつもりです。(が、順序など私の勘違いもあるかも…ご容赦くださいませ。くどくどと失礼しました)(一部、敬称略)

■4人の男たち!

映画の感動覚めやらぬ中、MCさんがまず登場。

「みなさんの上映後の拍手が、監督やキャストにも聞こえていると思います」。また、その前の二子玉川での挨拶で質疑を受け付けたことを話し、「貴重な機会ですからぜひ質問を考えてみてください」と。そうしているうちに準備が整い、いよいよ監督・キャストの登場です。

前方左側の扉から登場。綾野さんが先頭で入ってこられ、右から綾野剛さん、本木雅弘さん、江口洋介さん、堤監督の順番に立たれました。

番宣で本木さんが「この映画は男祭りですよ!」なんておっしゃっていましたが、登壇した男性4人の並びがかっこよすぎて! 監督も俳優さんばりに男前だし、江口さんもとっても素敵、なのですが、とくに本木さんと綾野さんの並びが神がかってきれいで。一生のうちでもなかなか見られないものを見させていただいた…という気持ち(u_u)。

この日の綾野さんは、先週からさらに痩せて見えて美しく、表情も凛々しく、王子様のようでした…。でも口を開くと、ぽわんとしているというか、優しい声色で。

監督、江口さん、本木さんと順に最初の挨拶をされ、本木さんの番になると軽く手を挙げ

本木「はい!犯人でーす!」

監督ほか「軽いなぁ!w」とすかさずツッコミ…という入りで笑 …そんなフリを聞いたらもうねえ。この方もやってくれると確信していましたw

綾野「綾野剛です。…犯人、その2です(照)」

きたー(^^v

綾野「この会場話しにくいなぁ笑」

(←大きくて、の意。都内でも最大級の席数のスクリーンでした。国際フォーラムでも渋谷シネマライズでもそうでしたが、最近の挨拶ではまず会場についてコメントするのがマイブームでいらっしゃる?^^ 余談ですが、会場が大きすぎるせいなのかマイクの音響も微妙で、肉声とのタイムラグがあったりして、最初の江口さんは、妙にたどたどしいしゃべりでどうしたのかな?と思っていたら「国際電話みたいで変な感じ」と苦戦されていました)。

■質問コーナー

各人の最初のひとことの後、すぐ質問コーナーに。堤監督が進行役に名乗りを挙げます。どーんと頼もしい監督、素敵です。

監督「なんでも答えます」

本木「なんでもいいですよ。プライベートの話でも!」

綾野「僕も、ぎりぎりだいじょうぶです♡」←なんか可愛らしい言い方で…♪

こういうティーチイン形式って、私は手を挙げられないタイプですが、当てられた人の気持ちになってこちらまで余計に緊張しちゃうのでやや苦手…。誰が当たるかわからない、素人の質問なわけで、運に左右されるというか…、お目当ての綾野さんあての質問になるとも限らないし、なったらなったで質問内容はどうかとか、気になることがいろいろあって(濃ゆいファンのこじらせですね (^^;)。

だから質問をどうぞ!となってもなかなか素直に喜べなかったりもするのですが、今回は良かった。もっとファン丸出しのつっこんだ質問になってもそれはそれで面白かったと思いますが、みなさん節度があって今日のトーンにふさわしい、公式で聞かれてもおかしくないようなものでした。

まず江口さんが指名。当てられた方は「江口さんのファンです…!」と感極まったようにおっしゃって、よかったですね!とこちらも喜び共有。

①印象的な台詞がたくさんありました。好きな台詞は?

江口さんはまず「台本を読んだ段階から三島の言葉は印象深かった」と。そのほかに挙がったのは終盤の「技術者は小さなことを積み重ねて…」の台詞は、ほかの職業にも通じる、とか「お前はもうあきらめたのか」とか「でもやるんだよ」とか。

本木さんは、湯原妻の「家族っていうのはね!血を流してのたうちまわって!」の台詞を、声色も似せて実演してくださったりw ほかの台詞も挙げられていました(そちらがメインだったんですが…所長の「新陽を信じるということはそこで働いている人を信じること」だったかな…思い出せず…。回答は江口さん本木さんのみで綾野さんはここでは回答なしでした。)

台詞といえば。ここは私個人の感想ですが…(ネタバレあり)。

8月20日の完成披露試写に続いて2回目の鑑賞だったのですが、序盤から「あっ、この台詞にはこんなダブルミーニングが!」とか「あっ、こんな段階でさりげなく指摘してたんだ!」とか、気づきがたくさんありました。例えば、最初の原子炉停止(見せかけ)をする時の三島の「共犯者になるということですね」とか。本当に脚本が理知的に組み立てられていることに感銘を受けます。

同じく三島の「家族を守れない男に父親の資格なんてあるか」も、湯原を非難しているのと同時に、実は智弘を守れなかった自分に向けられた言葉でもあったんだ…とか。

あと、台詞じゃないけど、仲間由紀恵さんの吐息の表現が印象的でした。あの息を撮る・録る、というのが堤監督の女優・仲間由紀恵への愛にも思えて。

■役者という仕事

質問者ふたりめは本木さんが指名した男性。

②それぞれの職業をまっとうする人たちが出てきました。いいなと思った職業は?

(ちょっと記憶あいまいなのですが、)本木さんは、いくつかの職業に触れたあとで、「それに比して役者というのは評価もあいまいで、人の役に立つことにつながってるかどうかもわからないけれど…」と、役者という仕事の存在意義についてお話をされました。本木さんはいつも飄々とした独特のお話しぶりですが(シャイゆえに?そこが魅力ですが!)、このときはすごくストレートに真摯に話されて。

また、その横で綾野さんが何度も深く頷いていました。

役者という仕事について、綾野さんがどう考えているかについても、過去にインタビューなどで触れていたことがあったと思いますが、あらためて、たとえば本木さんとじっくり対談するような形で聞いてみたいなあと思いました。

震災当時、現実のあまりの重さに、エンターテインメントはこんな時に何の役にも立たない…いや、必ず必要とされるときは来る、エンターテインメントだからこそできることがある、…とエンターテインメントに携わる方々の葛藤や超克を一般人として見聞きして、わたしもいろいろと思うところがありました。「天空の蜂」という作品もひとつのアンサーであり。監督が「この映画は本当に必死に、文字通り必死になって作り上げました」と挨拶の中でおっしゃっていたのが印象的でした。

■空井大祐を生きて

この、職業についての問いへの回答は、だいぶ話が脱線したりして広がって、堤監督は映画に出演した役者の凄さについてお話されたりして。

その後、綾野さんにも回答がまわってきました。

その前に監督が「ここにいる役者はみんなすばらしいプロです!」と話したのを受けて、「ここにいるお三方は本当にプロです」と。

そして、「私ごとになりますが、以前航空自衛隊の役をさせていただいたので……と話し始められ。

空 井 さ ん ! と、急に心拍数あがっちゃいました。こうやって綾野さんが過去の特定の役に触れてくださるのって、なんだかとても嬉しい。もうこの世に存在しない人が、ふっと蘇るような懐かしさというか…。それも、ファンの間だけで蘇らせるんじゃなくて、役を生きた御本人みずからが呼び起こしてくださったことの幸せ…。もうこのへんからわたしの涙腺はゆるみはじめ…(>_<)

綾野「今回の映画でも航空自衛隊がすごく協力してくださったんですけれど。非常に難しいホバリングであるとか、技術としての凄さが、素晴らしいと思います」

自衛隊について公の場で言及するのって、本当に難しいと思うんです。空飛ぶ広報室で描かれたように、どうしても「美化するな」とか、思想の話にとられやすい。だから綾野さんも「技術として」というのを強調されたのかなという気がしたのですが、空井役を演じた綾野さんが空自の話をするのはすごく自然だし、説得力があって、嬉しいことでした。

映画中でもなんども「航空自衛隊」の文字が映るから、空飛ぶ広報室のファンなら「鷺坂室長はじめ広報室の面々喜んでるだろうな~!広告宣伝費に換算していくら…」なんて考えちゃいますよね。

そう、後で読むときに忘れないよう書いておかなければいけないこととして、この数日前から関東を中心に降り続いた豪雨により河川の氾濫が発生し、深刻な災害となりました。とくに鬼怒川氾濫の影響を受けた茨城県の被害が甚大で、前日は自衛隊をはじめとしたヘリ救助の模様が大きく報じられていました。

綾野「…個人的には、報道するにあたってもその活動をきちんと映してほしい一方、ヘリというのはすごくまわりを巻き込んでしまう技術的に難しいものだから、邪魔にならないようにしてほしいなと思います」

詳しくは知らないのですが前日の報道で、某テレビ局の取材ヘリが救助の邪魔に…みたいな話をネットで見かけたので、綾野さんもそれを目にしたのではないかと。少し照れというか、広報の空井ではない自分が言うのもおこがましいけれど…という様子もありつつも、はっきりと苦言ともいえる趣旨の発言をされたのがめずらしく、印象に残りました。

■3.11を描いたこと

さて、質問に戻りまして。3人目は綾野さんが指名することに。舞台から客席をみるとライトが眩しい様子で、手で陰を作りながら見渡し

「どうしようかなー…真ん中あたりがいいんだよなぁ…」

と言うも、「じゃあ、そちらの方」と指したのはかなり端の席(笑)。すかさず監督たちから「全然真ん中じゃないじゃないw」とツッコミ入りました。「いや、眩しくてよく見えなくて…」と弁解。

③原作にないラストシーンの意義とは?

監督「まずは原作者の東野圭吾さんがいまこれを映画化するなら3.11を描くべきだとおっしゃったのが始まりです。私自身も震災後、気仙沼に通いまして、毎年ドキュメンタリーを作っています。やっぱり、忘れてはいけないことというのはあると思います。今回の鬼怒川のこともそうなるのかもしれません。あの3.11のラストシーンは湯原親子のその後の関係を描いたものでもあるし、同時に事件のその後でもある。この映画では20年前の小説をもとにした映画ですが過去や現在のこととしてだけでなく、未来について描きたいと思っていたので、あのようなラストシーンにしました」(大意)

■柵の話

最後にもうひとり、ということで再び江口さんによる指名。

「じゃあ、そこの審査員席の方~」

と、プレミアムボックスシートの方を指名(笑)。そう、六本木はいろいろとプレミアムな仕様の座席があって、たしかに審査員席みたいな雰囲気なんですよね。当てられた方も「高いところから失礼します…」と当意即妙な返しお見事でした^^

④アクションがとても迫力がありました。キャストの方に怪我はなかったですか?

この質問者さんは綾野さんのファンとのこと。「(指名が江口さんなのに)すみません…」とおっしゃっていましたが、ここまで江口さんファン・監督への質問などが続いて綾野さんへの声がなかったので、監督たちは「(やっとのご指名で)よかったねー」と綾野さんをいじってました^^ (綾野ファンが多数と思われる会場でランダムな指名なのに、全員にバランスいい質問者になったのが思えばすごい。)

綾野「怪我は、僕は大丈夫でした」

監督「綾野くんは怪我しなかったけど、柵が壊れました」

と、別会場の舞台挨拶でも触れたという、雑賀アクションシーンの柵の話に。

監督「使わせていただいた建物に柵があって、これはぶつかりそうで危ないな、壊しちゃいけないから気をつけてねと事前に話していたのに、思いっきり目掛けていったからね」

綾野「いや、飛び越えようと思ったんですけど、人を掴みながらのアクションだったので、こうなって、ここがこう、ひじが引っかかって…」←ジェスチャーをまじえて弁解w

監督たちは、いや、わざとだって、飛び越える感じじゃなくて当たりに行ってたって、と、相変わらず愛の集中砲火いじり。でも同時に鬼気迫る素晴らしいシーンだという絶賛もありました。

ファンの質問者の方が綾野さんに最後「お元気そうで良かったです」と伝えて綾野さんも「ありがとうございます」とw

■いまこの映画が公開されること

終了の時間が近づき、最後にそれぞれひとこと。監督は、公開にかける思いをあらためて語られました。

監督「鬼怒川の災害で今もまだ行方不明の方もいらして本当につらいことなんですけれど。…この映画を作った者としてここ数日の救助の状況などは感慨深いものがありました。映画もまた現実の写し鏡でもありますから、今この映画をお届けするということの意味をかみしめています」

←くどいですが、記載した言葉はかならずしも正確ではない、大意です(繊細な話題を勝手にレポしているので…念のため。)監督はとても心遣いに溢れた誠実なお話しぶりでした。

大震災の津波被害を思い出させるような今回の災害の真っただ中での舞台挨拶となり、自衛隊のヘリ救助の映像がテレビでたくさん流れたばかりで。なんという状況での公開になったのだろう、なってしまったのだろうと、誰もが感じていたのではないかと思います。

江口さんは、「映画に傷をつけないよう細心の注意をもって宣伝にあたっていましたので、今日を無事に迎えられてよかった」と感慨深そうにおっしゃっていました。防災訓練と合わせたイベントや、原発事故のあった福島県での舞台挨拶など、作品の意義を意識して設けられたそのような機会に中心的に携わった江口さん・本木さん・そして監督は、通常の宣伝とは違う難しい場面も多かったんだろうなあ…。

本木さんも、映画を届けるにあたっての思いを語られましたが、本木さんって、ふだんはびっくりするほど嘘か本当かわからないような不思議トークをされるのに、決めるべきところのコメントはとても的確で聞きやすくまとまっていて、すごいなぁと思いました!

■背中を追いかけたい

そして綾野さんはというと。

綾野「私ごとですが…、いま、江口さん、本木さんのおふたりと並んでこの場に立てていることに感謝しています」

←とっても余談ですが、綾野さんが「私ごとですが」っていう枕詞を発するたびに、「すわ結婚か!」とファンは毎回焦らずにはいられないんですけど~(^^; マネージャーやスタッフへの感謝とか、作品とは少し離れての個人的な思いとか、そういう言葉が続くのですよね、とわかってはいるのですが。

綾野「完成した映画を見て、おふたりのあり方に打ちのめされました。いろいろな経験をされてきた重みがあって…、敗北感を感じました。…そしてそれは幸せなことでした」

うちのめされ、しあわせを感じる…。

じーんとする…、心に残るコメントでした。

敗北感と幸せ。昨年、映画「そこのみにて光輝く」が、綾野さんに「作品に愛される幸せ」を感じさせ、そしてその後、数々の賞を受け代表作となったことにより、ある種の敗北感(この作品を越えなければという、自分の中でのライバル心)の芽生え、それに打ち勝とうとする決意へとつながっていったことを思い出しました。綾野さんにとっての、役者としての幸せと敗北感は密接な関わりがあるのかなぁ…なんて。話が逸れました(^^;

綾野「上の世代にはこんなすごい役者がいるんだと。あらためてすばらしいなと思いました。僕たちが見ていない世界を見ていて、そういう人たちがさらに高みを目指しているというのは本当にすごいことで。これまでは斜に構えるようなことがあったけど、照れずにそういう方たちの背中を追いかけることをしてもいいのかなと思えた。

そんな特別な影響を僕が受けた作品を、今日皆様に観ていただけて、心になにか1つ炎が灯るようなことがあれば幸いだと思っております」

一言一句正確ではありませんが、大意はこのような感じだったと思います。途中、「んんー…なんていうのかな…」と何度も言葉を探し、沈黙を重ねながらも、とても丁寧に言葉を紡いでいらっしゃったのが印象的です。

それって、綾野さんらしいお馴染みの話し方ではありますが、ちょっと久しぶりの感じだな、と私は思いました。

時間が限られる舞台挨拶において、最近はあまり長い沈黙を作らず、状況に応じて、その作品のために用意した定型の言葉で対応されることも多かったような気がします。(←といっても、それはネガティブに感じられるものではなく。それぞれとても考え抜かれた、綾野さん自身の磨かれた言葉であることにいつも心を動かされるのですが)。

でも、たまに、本当はもっとぐちゃぐちゃとした思いがあるんじゃないかなあ、それを伝えたいんじゃないかなあ、と感じるときがありました。勝手な思い込みかもしれないけど…(^^; ファンとしては、そういうまだきれいにまとまってない言葉でも聞きたい!受け止めたい!と思ってしまいます。

そんな中、この日の最後の挨拶では、時間の尺をとってでもなんとか伝えようと格闘されているように見えて、嬉しくなったり。

ここからますます私の妄想過多になりますが…

綾野さんが今回、先輩役者のおふたりにフォーカスして発言されたのは、その前に、これまでの舞台挨拶や番宣でとくに本木さんが「若い役者が良いから」と話を振ってくれたことへの、アンサーとしての、自分の思いの表明なのかなとも思いました。普通なら言わないで心にしまっておくか、本人にだけ伝えるかするようなことを、きちんと言葉にして公の前で伝える。すごく意味あることだったのではないかと。

それからもちろん、完成披露でも感じた、江口・本木両氏に対する、ひとつのロールモデルになりうる存在としての尊敬の念。同じ日本の役者で、この人から吸収したいと思える大人に出会えた…。(ただ、綾野さんはたぶん、ふたりのどちらとも違う地平を行くのではないかなという気はする。それでも、以前に描いていた「なりたい姿」を少し修正するような影響があったのかなぁ……とか、これは完全に余計なお世話の勝手な妄想です、すみませんっ(^^;)

綾野「このお二方と一緒に作品に関わることができて、そのような作品に監督に呼んでいただけて、本当に感謝しています。監督には今度はぜひ僕の同世代の俳優で映画を撮っていただきたいです」

監督「僕はもう60だから時間ないよ、すぐにやらないと」

綾野「じゃあすぐにでもやりましょう」

本木「私もそろそろ50で…綾野くんは持ち上げてくれたけど、私からしたら逆に綾野くんの役への取り組みかた、短い期間の出演でも与えられた役に注ぐ力を見て、そして現場で演じるところを目の当たりにしてすごいと思いました。自分たちは古いなと思ってしまいましたよ。刺激をもらいました。なにしろ監督がぜひ出てもらいたいと言ったのは綾野くんと柄本さんだけですから!」

監督「なんかその発言は誤解を招くなぁ…w」

…と、最後はいつものおちゃらけ展開になりつつ。綾野さんが、こんなふうに公の場で出演、というか作品づくりを直訴するシーンも初めて見た気がしました。キネマ旬報の堤監督インタビュー記事の時点でもそのようなお話があったことからしても、それだけ堤監督との間に通じ合うものがあったのでしょうね…。

ぜひ撮ってほしいー!

■特別な舞台挨拶…

この日の舞台挨拶は、なんだかとても特別だったんです。私の思い入れが過剰なのはいつものこととして(^^;

やはり、災害が起きてしまっていたことは影響していたと思います。これまでの試写や番宣のインタビューでは、監督や江口さん本木さんのお人柄もあって、また、重いテーマではあるもののエンターテインメントである本作の魅力を伝える目的もおそらくあって、ユーモア度(あるいはおふざけ度w)が高めな印象でした。それが、この日は少し違っていて。といっても沈鬱な空気とかではなく、いつもどおりの和やかさ、面白トークはありつつも。

なんというか、元々この映画に込められている真摯な思いを、各人がてらいなく、ストレートに表明する場になっていた…と感じました。良い舞台挨拶でした。

これだけ難しいテーマを見事なエンターテインメント大作として仕上げ、かつ報道やドキュメンタリーだけでは掬いきれないものを提示する、非常に強度のある作品が、世に送り出されたことを喜びたいです。

8人、80人、800人、8000人!?(by本木さん)に広がって、たくさんの人に届きますように。

(映画の内容についてもいろいろ書きたいことがあるけど、長すぎるw レポートというより、個人的な思いを大いに取り混ぜての文章となってしまいましたが、これにておわります)

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