
スパーズ22-23財務レポートを読みたい
こんにちは。
4月の頭にスパーズの決算が出ましたが、間が空いてしまいました。
ちょっと今仕事がだるくて詳細に語る気力がないのですが、内容は読んだので、概況と自分なりのメモを残しておこうと思います。
ポイント
(1)税引後当期純利益は、£▲87Mであり、4年連続の赤字となった
(2)収益は、£443M→£550Mと、対前年+24%の増となった
(3)選手の移籍にかける費用は、PL上の減価償却において£109Mであり、支払い・減価償却共に年々大きく増加している
(4)給与は、£251Mであり、前年度より大幅に上昇している
メモ
・スタジアムの資産について、「IAS第8号に基づく再評価測定モデルの採用」により、有形固定資産が増加し、それに伴って再評価引当金および£112Mの繰延税金負債が発生した。
・営業CFは£106M、投資CFは£▲157M、財務CFは£▲1Mであった。投機目的で商品を取引することはない。
・前年度、スパーズ株式の約87%を保有するENICは、1億ポンドのA普通株を引き受けた後、普通株に転換した。これにより、ENICにはスパーズから新株予約権が発行された。新株予約権は、公正価値で評価される金融負債「FVTPL」として保有される。
・プレミアリーグの新しいファンエンゲージメントスタンダード(FES)の一環として、ファンとのコミュニケーション強化を図っている。後援会(トッテナム・ホットスパー・サポーターズ・トラスト、プラウド・リリーホワイトズ、スパーズアビリティ)や、国外のオフィシャルサポーターズクラブとも。クラブの紋章とホームシャツの色は資産とみなされ、これらはクラブの歴史と伝統の重要な部分であるため、ファン諮問委員会およびより広範なファンベースとの事前協議なしに変更されない。
・収益認識のタイミング
物品販売:納品され、所有権が移ったとき。
試合関連:ゲームがプレイされたとき。
賞金:獲得したとき。
スポンサー契約、年間の放送収入等:契約の期間に渡って繰延べる。
※ただし、ライブ中継等における施設使用料は、発生したとき。
・費用計上のタイミング:
各種インセンティブについては、指定された条件を満たしたときに、引当金および無形資産の増加として会計処理される。
選手のロイヤリティに関する費用は、支払いが可能になったときに運営費の一部として計上される。
・外貨は取引日の為替レートで計算する。
・資金調達について:
2019年、スタジアムを担保とした既存の£637Mの借り換えを実施。私募による投資家とバンクオブアメリカ、メリルリンチからさらに£120Mの融資を受ける。
2021年、コロナの影響により、2回目の私募を通じて米国の投資家へ長期債を発行することで、さらに£250Mを調達した。うち£50Mをバンクオブアメリカ、メリルリンチへの一部返済に充てる。
借り換えパッケージ全体の最も早い満期日は 2028 年 3 月で、パッケージの平均満期は 19.6 年。2051年に一括返済される。
・この期間、2人の選手に対して減損を行っている。£10Mの損失。
(1)税引後当期純利益
こんな感じです。

ダニエル・レヴィ会長は、これは「チームへの多額の継続的投資」が理由であると述べています。それはそう。
また、Swiss Rambleさんは、「純支払利息が£45Mであり、税引前損失£90Mの約半分に影響していることにも注目すべき」と述べています。それもそう。
(2)収益
リーグ戦順位は8位に後退したにもかかわらず、フットボールマネーリーグにおいては8位と、順位を上げることになりました。

それは、CLへの出場やスポンサー契約による収益増に加えて、スタジアムを利用したサードパーティ収入が増えたからです。
当期においては、フットボールの試合に加えて、世界ヘビー級選手権ボクシング イベント、NFL 2試合、ラグビー 2 試合、音楽コンサート 9 回が行われました。ビヨンセのコンサートをしたのは記憶に新しいところ。
トッテナムホットスパースタジアムは、次回ユーロの会場にも決まっています。
イベントがない日のスタジアムツアーやThe Dare Skywalkでもそこそこ儲かっているらしい。(すごい楽しそう↓)
(3)移籍費用
年々かける費用が大きくなっているのは、ファンであっても実感できます。
22-23期間における、私が思う減価償却費用が高いと思われるランキングを勝手に発表しておきましょう(あくまで予想です)。
①リシャーリソン:£11.6M
②エンドンべレ:£10.0M
③ロメロ:£9.7M
④クルゼフスキ:£7.0M ※ローンフィー含む
⑤ダビンソンサンチェス:£7.0M
⑥ロチェルソ:£6.4M
彼らが高いというか(エンドンべレは高いけど)、この下に£5M程度の選手が大量にいると考えられるので、底上げされている感じだと思います。
次年度はもっと上がると思います。何人か抜けたけど、マディソン、ポロ、ブレナンあたりがまた皆£10M前後で高いので。
(4)給与
給与に関しては、£148M→179→181→205→209→251と鰻上りなわけで、ぱっと見すごいことになっています。ただ、収益に対する給与の割合は19-20シーズンより46%程度を維持しているわけで、収益を見ながらギアを上げているのがわかります。
ということで、ちょっとあっさりですが今回は以上です。