誰もいない豚

昨日、遊ぼうと約束した人が、やっぱり今日は忙しいと言われて、予定が無くなった。
私も昨日遅くまで飲んでいたので疲れていたし別に構わなかった。
けどその人が途端に憎くなって、酷い目にあえばいいと思った。

昔恋人だった人に「今度会える?」と連絡したら「来週土曜の昼なら」と言われた。
「どうしていつも昼だけなの?」
「土日は京都や東京に行くから」
死んでしまえばいいと言いそうになった。
私以外の人生があるような男は、生きている必要が無い。
早く死ね!私はずっと泣いた。
 
母づてに兄が私の就職祝いにご飯に行こうと言い出した。
兄は子供の頃たいそう私をいじめた。
それは私たちが異父兄弟で、私には父がいて兄には父がいないから、だから、私がいじめられても私が悪いということになった。
私には父がいるという贅沢があるから、甘んじて兄から虐められることを受け止めろと母に言われた。

小学校に上がる前から、夜になると私は布団に潜って、兄のぺニスを舐めた。兄が私の頭をトントンと叩くまで、私は舐め続けた。トントンと叩かれたら、それは兄が満足したということなので、私はいそいそとまた布団から出て眠った。

男とセックスするとき、そのことはあまり思い出さない。成人の男のぺニスと、小学生のぺニスは違いすぎる。射精も伴わなかった。私はそれを愉しんでいた気もする。率先的に兄にフェラチオしていたし、女としてみられていることがうれしかった。それにそのときだけは兄は意地悪なことをしなかった。

兄が私の精神科受診に付き添いたいと言い出した。私はついに耐えられなくなった。
「お前は私から金を盗み、身体を触り、フェラチオさせて、それなのに今は一般人として暮らしているから、だからそんな権利があるのか?」
兄には学があった。
いや、正確には兄は国立大に受からなかった。
だから余計、妹の私には国立へ行くよう親からのプレッシャーがあった。
私は秀才だった。子供の頃は東大や京大に行くのだろうと思っていた。私は高校を中退した。

母に兄のことを伝えたら、今まで頻繁にあった連絡がぱたりとこなくなった。
姉と私は不良品だ。声優や歌い手の追っかけをして、派遣として働いて、恋人もいない。
兄は薬剤師として働き、大学時代からの恋人と結婚した。
母は兄が大好きだった。だから私は言った。「大好きな大好きな(兄)くんの母親として頑張って」
母が私の母だったことなんてなかった。母はいつも添え物として私を扱った。
母がいつも心の中で心配し愛していたのは兄だけだった。


保育園児のおまんこをいじり、フェラチオさせた兄。そんな兄が、愛されるなら、私はそれ以下なんだろうか?

悲しくて悲しくて泣いても、連絡する相手がいない。私は本当に独りなんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?