【エッセイ】推しの歯科衛生士
定期的に通っている所がある。美容室とネイルサロンと、そして歯科医院。かかりつけの歯科医ではなくて、歯科衛生士がいる。今どきの言葉を使うと、私は彼女を推している。
彼女との出会いは、かれこれ10年前に遡る。歯に違和感があり、近所の歯科医院へ飛び込むと彼女がいた。年齢は私と同じくらい。
「歯茎の色が良くないですね。まずはお口の中をきれいにした方がいいですよね?」
彼女がそう言うと、歯科医は「そうだね。そうして」と答えて、奥に引っ込んでいった。
「この歯科医院は、先生より歯科