逆開発について考える

逆開発というものはご存じだろうか。
開発は知っている方が多いのではないかと考える。
開発と聞くと、多くの方は地域開発を思い浮かべるのではないだろうか。
地域開発とは「特定の地域を対象に総合的な資源開発や工業開発、国土保全事業を行うこと。経済開発および社会開発を目的とする。」

上記の様に、新しい建物などが建って賑やかな街に変えていくというのを多くの方は思い描くのではないかと考えられる。
では、逆開発とは何か。
逆開発というものは、駅前のアスファルトを剥がし、森に戻すという取り組みである。
千葉県市原市の小湊鉄道の養老渓谷駅で行われている取り組みである。
広葉樹や芝生を植えて、緑豊かな駅前にしていくというものである。
10年後には、雑木が茂る森になると記載されている。


この取り組みを聞き、私は今までの開発は都会に近づいたり、都会を作ったりするものが多かった中、時代と逆行するというコンセプトであることを知り、興味深いと感じた。
開発は現在でも様々な場所で行われており、それは利便性を向上させたり、大型の商業施設を建設したりして経済効果も狙うことが出来るものだからだ。
元来の開発の逆を行くのであれば、経済効果などは見込めるのか、利便性が下がってしまい住民からの反対はないのだろうかと考えたからだ。
その疑問に関して、小湊鐵道の社長は「利便性ばかりを追求した開発が、地域の魅力をおおい隠してしまったのではないか」と語っている。
やはり最初は私も考えたような理由で懸念されたそうだ。しかし、実際には自然に人々が寄せられているようだ。

確かに、開発と称して自然を切り開き、経済効果になるだろう商業施設などを建設するのは簡単で数年かける必要しかない。
しかし、壊された自然は一度壊すと取り戻すのは容易ではない。
実際にこの逆開発も10年という期間を想定している。
私もこの逆開発に携わる方の考えなどを知り、
人間の利便性ばかりにとらわれて、本当に大切なものが何か見失っているのかもしれないと改めて考えさせられるものだと考える。


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