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【2022年7月後半】譲れるもの、譲れないもの

8月に入った。北海道の夏は思ったより暑い。温暖化の影響だろうか、昔は冷房がなくても過ごせたのに、今では夏にエアコンを使う家庭が多いのだそう。

前回の記事では北海道を一人旅した様子をシェアした。

今回は、その後の2週間について振り返っていきたいと思う。


1.北海道で短期アルバイト

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知床にいた頃だろうか、電話でやり取りしていた派遣会社を通じて北海道で短期で住み込みアルバイトをすることとなった。場所は便宜上伏せておくが、帯広から移動して、7月後半から仕事を始めた。

が、結論から言うとそのバイトは2週間で辞めることとなった。詳しくはこの後話していく。

まず、そもそもなぜ北海道でバイトしようかと思ったかというと、

1.北海道を旅行したかった
2.日本の蒸し暑い夏を涼しい場所で暮らしたかった
3.旅行でお金を派手に遣ったので翌月のクレカ払いに対応するため

この3点だ。仕事は短期だったこと、仕事内容、そして時給で決めた。


2.実際に働いてみて気づいたギャップ

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入寮した初日に2点、思ったことがあった。

一つは、寮。
この令和の世にあって共同トイレがまさかの和式だったり、シャワーがないのでお客さんと一緒に大浴場を利用しなくてはいけなかったり、廊下がほこりだらけで昭和からカーペットを変えていないようだったり。(写真を載せたいくらいだが敢えて載せないでおく)

これにはショックを隠せなかった。

もう一点は、仕事内容の相違。ホテルのフロントとして雇われたのに、初日に「毎日午前中は客室清掃に入ってもらう」と。これは派遣会社に聞いていた「時々ヘルプに入る可能性がある」と多いに異なっていたので、すぐにエスカレして対応していただいた。

初日の感想は

「OMG... What am I going to do?」(やべぇ、これからどうしよう)である。正直そっと夜逃げしたい衝動に駆られたが、数日やってみて結論を出すことにした。

仕事内容はそこまで問題なかった。研修なんて余裕がなくてできない現場だったけど、海外でのOJTに比べたらまだマシだ。2、3日もすればおおよその流れは分かった。社員さんや他の派遣スタッフやアルバイトもちゃんと挨拶するし、人間関係は割とよかった。

だが、生活環境(とくに衣食住のうちの住)は妥協できるレベルを超えていた。

他の人によると、同様の理由で今まで何人も辞めたのだという。

ちなみに私の部屋の窓は開かず、開いても外は廃材置き場。おまけに日当たりが悪く、窓のすぐ外には鳩が住み着いているらしく、朝にはその声(呼吸?)で目が覚める始末だ。これはとてもじゃないけど独身女性が住める環境ではない。

1週間ほど過ぎた時、辞める決断をした。
元々短期の求人だったけど、【Every single day counts(1日1日が大事)】ってことで、自分いじめをするのは早々に止めようと思ったのだ。


3.日本の働き方への疑問

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若い頃や、海外で日本以外の働き方を見るまでは疑問にすら思わなかったが、日本の働き方はおかしいと思う。もちろん企業や職場環境にもよるが、少なくとも派遣やアルバイトで人不足を補う旅行業界・観光業ではあてはまる所が多い。

例えば、ハウスキーピングスタッフが明らかに足りない中、繁忙期に大量の予約を受ける。当然一人当たりの作業量は増える。なのに、手当が与えれないどころかそれに文句をいってストライキする従業員はいない。

一体誰のために身を粉にして働いているのだろうか。

「自分はその他大勢」「クビになったら他に仕事がない」そう思っているのだろうか。でもよくよく考えたら、みんなでボイコットすれば困るのは低賃金でtoo muchな労働を強いた雇用主の方なのだ。海外でストがあってバスに乗れなかったりした時、私はそれに腹が立ったりはしなかった。

むしろ、「日本もこうすればもっと働きやすい国になるかもしれないなぁ」なんて思っていた。


4.私の辞書に〇〇という文字はない

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日本の社会の特徴として、「我慢は美徳」という文化があると思う。でも私は、これは百害あって一利なしだと思っている。もちろん、他人を傷つけるようなジャイアン的横暴はよくないが、自分が好きなものを好きといい、嫌いなものを嫌いということは悪いことでなく、むしろ改善につながる行為だと思う。

先の「日本人はなぜストライキを起こさないか」的視点とやや重複するかもしれないが、言いたいことを言うことによって潰される恐怖、後ろ指さされる不安があるのかもしれない。だが、それが集団ならどうだろうか。それは大きな声となって、権力は聞かざるを得ない状況にならないだろうか。

私も日本で数年働いてから海外に出た口なので、どちらのメリットもデメリットも多少は実体験を通して分かっているつもりだ。日本で働くには日本で働くメリットもあるが、デメリットが大きく感じるのは「言いたいことがを言ってはいけない」「お客様は神様」という暗黙の共通ルールがあるからではないか。

先日、こんなことがあった。

職場で酔っ払った客(中年女性)が、値札のついていない商品を持ってきた。私は売店業務はほとんどやらず、やっても水などの料金表示のある商品の販売を数回した程度だった。他に誰も手が空いていなかったのでやるも(海外のトライ&エラー精神)、値段が分からなかったので先輩スタッフが手を空くのを待って確認することに。するとそいつらは私に言った。

「おい、そろそろげんこつするぞ。早くしろよ。」


は? なんだよゲンコツって。
酔っ払ってもそんな発言許されないぞ。

日本人がマナーが良いなんて誰が言ったのだろうか。むしろ、海外のお客さんの方がマナーがいい。客と店員が対等だからだ。こんな暴言を吐いたらセキュリティにつまみ出されるんじゃないか。

驚くのは、これが日本ではまかり通ってしまうのだ。
私が反論するのは元より、周りは誰もかまってくれない。

この瞬間、元々あった住環境問題に加え、「I am done here.」(こんなとこ辞めてやる! )と思った。

小見出しの答えは、「私の辞書に我慢という文字はない」である。
我慢強いことは美徳じゃない。悪を悪のままはびこらせる共犯行為だ。


5.休みの日にはバッテリーをリチャージ

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嫌なことばかりではない。

職場に私と同じく派遣で来ている同世代の女性がいたのだ。
一緒にお茶をしてお互いのことを知った私たちは、直近の休みが同じ日なのを知り一緒に出かけることにした。

幸い、彼女はマンスリーでレンタカーを借りていたので、車がないと行きたい所に行きにくいことの多い北海道で、行きたかった場所に行くことができた。

まず、旭岳ロープウェイへ。

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大雪山という場所で、ここはニセコに行った時に出会った人、2人からオススメされ機会があったら来たいと思っていた。ロープウェイで7合目くらいまで行き、そこから山の麓を写真を撮りながらゆっくり一周した。

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まるでハイジが走っていそうな景色だ。

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日本にもこんな場所があったんだ、そう思わせてくれた場所。

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見ごろは終わっていたが、高山植物の「チングルマ」も咲いていた。

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そして別の日には、トマムの星野リゾート名物、雲海も見てきた。

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忙しいはずの週末に1日休みをもらった私たち。それによってご覧の人だかり。

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さすがにこれに並ぼうとは思わない。

しばらく滞在した後、せっかくなので星野リゾートを見学する個人ツアーを開催(笑)

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リゾナーレ(私調べで1泊10万くらい)

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ザ・タワー(私調べで1泊5万くらい)

夏休みということでごった返していた。1泊5万もする場所に泊まれる人達は、一体どんな仕事をしているのだろう。

お昼を食べ、サホロのベアマウンテンへ。

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バスごしではあったけれど、自然に近い形で飼われている熊たちを見ることができ、予想以上に興奮してしまった。

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この日は体感気温32度。熊たちは毛皮があるので我々人間以上に暑くてバテていたことだろう。

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ケンカするほど仲がいいって?それにしても熊のファイトはガラス越しでも圧巻だった。

モヤっとすることも多かった2週間だったが、収入と住む場所を提供してもらいながら行きたい所へ行けたので、ま、結果オーライか。


おわりに

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日本に帰国して半年が経った。

私は今、仕事もないし、貯金だってない。
彼氏もいないし、帰る家もない。

でもね、不思議と不安はないんだよね(笑)

たぶん、今までいくつものピンチを乗り越えてきたから、
「ま、今回もなんとかなるっしょ!」と思っている。

100万円以上貯金があった20代前半の方が今より不安だった。家賃を払わなきゃいけないことや、20代のうちに結婚しなきゃと焦っていたこと。そしてお金が減っていくことの恐怖や、仕事が見つからないことへの恐れもあったかな。

だけど、それは今よりも経験も少なかったし視野もずっと狭かったからだった。今では自分のことをもっと信じられるし、この世界(宇宙)のことだってもっと信じられてる。

だからこうしてその都度必要なタイミングで必要な人だったり、情報だったりがもたらされているんだと思う。

もちろん、仕事はしていきたいし、貯金も多少はあった方がいいんだけど、今は他の人と比べて落ち込んだりすることもないし、我慢することもないからストレスフリーに非常に近い状態。

そうなるまでには行動したり、スキルアップしたり、自信をつけるために色んなことを経験して乗り越えてきたわけだけど。

だから、お金がなくてもパートナーがいなくても、明日どこにステイするか分からなくても、元気があればどうにかなるんだって思う。

私はこれからも、誰かのためじゃなくて自分のための人生を歩いていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。


2022年8月1日
北海道にて

Mari

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