私と音楽

長い実技試験期間が終わった。

今回も本当に大変だった......


私は音楽大学でピアノを学んでいる。
私の大学は年度末に20分から30分程度の実技試験(演奏の試験)がある。それはとてもシビアに成績がつき、試験前になると周りの友人も師匠もピリピリとし、居心地が悪い。毎年受験をやっているかのようだ。

試験前の1ヶ月間は地獄だ。普段、コンクールやコンサートで月に最低2、3回は舞台に立って演奏している身だが、試験は何故か特別。毎晩悪夢に魘され、酷くプレッシャーがのしかかり、死に物狂いで練習を重ねる。


そんなこんなで辛い期間を乗り越え試験を迎えるのだが、本番後はいつも思う。

「やっぱり演奏は楽しい。」

どんなに準備が大変でも、吐きそうなほど緊張しても、舞台で演奏するのは楽しい。毎度毎度音楽って素敵だな、幸せだな、と再確認する。(ドMなのか....?)



「まりのすけって何の為にピアノ弾いてるの?」

数ヶ月前、親友からきたラインだ。ドキッとした。あまり考えたとがなかった。というか考える事を避けてきた。


勿論、ピアノは好きだ。好きじゃなかったらここまで続けられない。
だが、私にとって「ピアノを弾く」という事は、食事をする事、トイレに行く事、眠る事、などと同じで習慣になっているだけかもしれない。惰性でやっているのなら趣味でやればいい。今すぐ辞めて就活に向けて準備するべきだ。


悶々と考えた。何の為なのか。


高校生の頃、担任の先生が話してくれたことがある。