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長い呟き、7月4日

 描いていた石膏デッサンが終盤だと思っていたら、大幅な狂いがあることに気付いてしまった。
 一つ直せば、ここもここもと直す所が増えていき、大工事になることがわかってしまった。何時間もかけているデッサン終盤で大工事。

 隣で紫陽花を描いている先生を驚かさないよう悲鳴をあげるのは堪えたが、あまりにも辛いので藤井風のdamnを流しながら、MVの変な躍りをひとしきり踊って気を紛らわした。紛らわせようとしても紛れるわけもなく、結局修正することは変わらないので結局ぎゃーっと悲鳴が出た。

 ダンスの段階で異変に気付いた先生が、生徒さんからもらったメロンを切って出してくれ一緒に食べた。完熟した甘い甘いメロンで少しだけ青い香りがした。

 メロンの甘さで何となく頭も冷えてきた。修正箇所を確認し、先生にもみてもらう。こういう時、自分の力不足をとても悔しく思う。
 作品を良くするために消すということを忘れないように少しずつ直していった。先程よりずいぶん良くなった気がする。

 いつでもなんでも努力が実るわけではないけど、私のやっている修練に含まれるこのデッサンは、確実に習得できるものだ。失敗したら描くのをやめて新しい紙に新しい絵を描いてしまっては、まるで意味がない。

 書き終わるまでこのデッサンに向かい、書き終わったら新しい絵のことだけ考える。未熟さに後悔している時間より新しい絵に向かうようにする。

 自戒のような呟きだ。


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