どんな気持ちになるのか体験したいだけ

昔、ご飯に牛乳をかけて食べてみたら意外と美味しくて、そこから牛乳ご飯なるものを毎日食べていた。

小さい頃は何でもやってみて気づくタイプで、45度くらいの傾斜のありそうなマル坂の坂道を三輪車で滑ってみたら、そのまま止まれなくなって顔面から転げてしまった。

その後は顔じゅう血だらけの当時3歳女子。
めちゃくちゃ怖かったのは覚えてる。

イメージではかっこよく走っているイメージだったのに、まさかこんなにスピードが出て止まれないなんて、、
と、小さいながらに理想と現実のギャップを思い知った。

そんな坂道でブレーキもない三輪車に乗ったらそうなるだろ、
っていうのも、当時の私はやってみないとわからなかった。

結局それは今も同じで。

結婚生活も、
子育ても、
仕事も、

先に自分のイメージするものがあって、
実際はどんなもんなんだと、体験してみて感じたことが、
自分の一番大切にしたいもので、
それはいつも目に見えない。

昔から日記を書いたり、写真を残すことが好きなのだけど、
それは、その時の見えない気持ちを忘れたくないから、少しでも残しておきたいという気持ちが強かったからかもしれない。

特別な出来事ではなくても、その日作ったごはんや、何気ない景色。
子どもがくれた花や石、
パートナーとのちょっとした会話、
その時私がどう感じたか。

全部全部お気に入りのかばんに詰め込んでしまいたくなるような感じ。

そういえば昔、とても小さなビーズをお気に入りの缶いっぱいに詰め込んで持ち歩いていた。

砂利のある駐車場でうっかり転んでしまって、ビーズの缶からすべてビーズが飛び散ってしまった時は大泣きした。

当時、母にはものすごく怒られたけど、(拾うのが大変すぎて)
私は全部大切なビーズだったから、砂で汚れたビーズを泣きながら拾ったっけ。

30数年生きてくると、私の人生ってパターンがあるなと、だんだんパターンが見えてきた。

まずイメージがあって、だいたい先に大きくすっ転んで、泣いて、そのあとに悔しくてまた立ち上がるという七転び八起き方式。

でも全部体験してみたかった、
どんな気持ちになるのか知りたかった、
だけなんだと思う。

きっとまだまだたくさん転ぶだろうし、
そのたびに泣くと思う。

でも。

絶対最後には全部笑い話。

そしてあの時のビーズの缶みたいにまた全部大切にしまうんだ。


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