ヒトリ暮らしの独り言って結構ヤバイ。
独り暮らし歴はや14年。
6畳弱の都会の片隅にひっそりと身を置いて、
その狭さにも慣れきった。
ベッドとテーブルの距離30cm。
休日は30歩くらいしか歩かない。
独りラーメンも独り牛丼も楽勝。
なんならカウンターで、ビール片手にNetflix見ながら台湾まぜそばかっくらうのなんてもう日常。
慣れって怖い。
ほろ酔いで帰途につく時、
だいたい私は妄想している。
もし、明日、懐かしい同僚が訪ねてきたら。
もし、いま、その角に元彼がいたら。
もし、この先、なんとかオブザイヤーを受賞したら。
そんな「もし」を脳内再生しながらひとりでとぼとぼ歩く。
シーン①。
コンビニでコーヒー買ってたら、同じ職場のあのイケメンがたまたま声をかけてきた。
「こんばんわ」
「え・・・!何でいるんですか!びっくりしたぁ」
「最近引っ越してきたんですよ。僕もびっくりしました」
「えー!そうなんだ!え、どのあたりですか?」
「あの古いでっかいマンションのとなりです。この近くですか?」
「えっ!わたしもそのマンションの隣です・・・!」
そのあと、2人でコーヒー片手にゆっくりゆっくり歩いて帰る。
職場の人にはおうちが近いなんて言わない。
二人だけの秘密。
それからは、休日に、お互い声を掛け合って近くのカフェでランチしたり、
平日の夜もご飯を作りあったり。
そのうちいい感じになって・・・・
この妄想、脳内で出来上がるまで約2分。
私は妄想上の会話に、にやにやしながら
コンビニのコーヒー片手にとぼとぼ歩く。
せまい住宅街の曲がり角、もうこんな時間に誰もいないだろうと油断していたら、
ほろ酔いのカップルとすれ違う。
ふと我に返って気づく。
やばい。わたしめっちゃニヤニヤしてた。
なんなら若干妄想の会話で独り言いってたかも。
いやいや、これは重症だろう。
でもしょうがないじゃん、独りものの楽しみなんだもん。
すれ違う人から見たらただのヤバイババアだけど、
意外とこの独り言が役立ったりする。
独り言ってよく言えばシュミレーション。
いざという時、シュミレーション通りにできたら気持ちいいじゃん。
シュミレーションしとかないとなかなか言葉って出てこないじゃん。
妄想だって、仕事のうちじゃん。
そう割り切って、今日も私はとぼとぼ歩く。
独り言って、おひとりさまの特権だから。
さて、そろそろ寝るか。
おやすみなさい。
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