037-monologue
【2011年4月17日】
ああ。
考えなしだ、わたしは。
どうしてこういつもドジばかり踏むんだろう。
いや、考えてはいたんだよ。わたしの主催するゲームで不透明な部分を残したくはない。だからできるだけ公明正大に、ルールも経過も結果もつまびらかにしていこうと常に考えていた。
事の発端は第15弾デザインアイテムの第2回プレゼント企画の結果発表。ミニゲーム1位正答者と、2位以下の正答者から抽選した当選者の名前を発表したあとに、参加者のルール違反を発見してしまったこと。
彼女は抽選の当選者なのだけれど、「セレクトショップでパンツドレスの購入ができた」という報告日記をどうどうと新着に上げていたのだ。
わたしはミニゲームの参加条件に“このイベントで「ベストつきパンツドレス」を入手したら、同アイテムのセレクトショップでの購入機会をほかの方に譲っていただけること”と明記してある。
もちろん強制力はないし、強制しようとも思わない。だから“特に確認はしない”とも併記してあるけれど、もし違反を発見すれば違反者は次回以降に参加しても解答は無効にするし抽選からは除外するつもりでいた。
それだけでよかったはずなのに、わたしは「今回残念ながらルールに違反した方が1名いらっしゃいました」とおおむねそのような“おきもち表明”をしてしまったのだ。
バーカバーカ、バカなんじゃないのわたし。ひとこと多いんだよ。書かなきゃよかった。書く必要なかったんだから。
それどころかこんなこと書いたら結果発表で名前の挙がらなかった参加者は当然こう思う。
「自分は選に漏れたのか、違反で失格したのか」
当たり前。そしてまじめに参加した人たちには切実。仮に自分が該当者であるというのなら誤解に違いないし納得のいく説明が欲しいとなるよそりゃ。
で、実際に数名からはすでに問い合わせがあったけどなんて答えるの。「いえ、違反者は当選者の一人です」て言う? 言える? 言えるわけない。
逆に「あなたは選に漏れただけです。違反はしていないですし失格者ではないですよ」と言う? でも次には当然失格者はどのルールに抵触したのかを知りたがるよ。そして確かにその違反をした参加者がいたという“証拠”を知りたがる。
だってまじめに参加した人たちなんだから。自分が不正を疑われたわけではないというもやもやは、誰がどのような違反をしたのか知ることでしか晴れない。そこははっきりとさせてもらいたいというのは当然のことだ。
でも当たり前だけれど違反者のキャラ名は公表できない。違反は故意でないかもしれないし、そうであったとしても晒し者みたいな目にはあわせられない。
そしてたぶん、真実彼女には悪気がない。でなきゃ公式SNSで全体公開日記なんて上げないでしょ。おそらくルールに目を通していなかったのだろう。
ああ、どうしよう……
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