062-online

【2011年　夏】
　いまのわたしの、もっぱらのMM関心事。

”クリームスイカの中は黄色か”
”代々木公園のおばけは本当にいるのか”
”真夜中の太陽”
”誠実ですてきなフレンドの引退”
　
　トレハンではビールを作れる”大麦”や、花束や香水の素材の栽培につかう花などが見つかることがある。
　最近では武器防具の強化に使えるであろう”ディバインタイガーの爪”が刺さっている木を見つけることもある。
　夏になると道端にスイカが生っていることがあるので見つけたら収穫しているけれど、それでスイカ割りなんかもできたりする。
　わたしも試しに割ってみた。みんなでやったらきっと楽しい。
　ただ、不用意に場所を選ばずにやろうとすれば、通りすがりの不良プレイヤーが他人の楽しみを奪うように横から走ってきて割ってしまうかもしれないから注意。そういう”事件”をSNSなどでちらほら目にする。
　そんな折、松乃さんとのメッセージのやり取りで、クリームスイカなるワードが飛び出した。

＞そそ、はじめてスイカ拾ったｗｗｗ
＞なごんだ(*´ω｀*)
＞で、売りに行ったらクリームスイカてのを見つけたので買ってきた。
＞割ってみたいけど割る勇気がないｗｗｗ

　だから中が黄色いかどうかは未確認だと言う。
　ならばわたしが見つけて割ってみよう、とうことで探し回っているのだけど、ふつうのスイカばかり。
　
　またある日のメッセージでは、わたしの『代々木公園にお化けを探しに』という言葉に松乃さんが反応した。

＞おばけてｗｗｗ　なあにそれｗ

　松乃さんの情報網にも引っかからないことってあるんだと驚いたりして。
　代々木公園にときおり柳が出現して、その枝の下に”貞子”のような不気味な白装束の女幽霊が立っていることがあるという。
　近づくと消えてしまうそうなのだけれど……
　ＳＮＳで画像は見たことはあるけどいまいち信憑性がない日記で、コメント欄でもまぜっかえされているし噂レベルで画像もコラかもしれない。
　それを確認すべくわたしは夜な夜な代々木公園をさまよっている。
　
　最近わたしのインは深夜から早朝にかけてが多いのだけど、原宿のトレセンやココイコパークでときどきチャットウィンドウに発言が飛び込んでくるマイキャラにひかれている。
　いつも数人のグループで雑談をしているようだけど、決まったメンバーではなさそう。
　そして会話の中心というわけでもないし口数がとりわけ多いわけでもないのだけれどよく目立つ。
　いわゆるムードメーカーという言葉がぴったりで、彼女がいるとそれだけで明るい雰囲気になって会話が弾むようだった。
　彼女のマイキャラネームは"RYO"。
　キャラメイクもスマートですてき。つり目とショートカットが似合う元気な子。ボーイッシュでもマニッシュでもないけれど、カッコ良さと可愛さが見事に同居した女の子だった。
　いつ遭遇してもはつらつとして、キラキラ輝いているようで、わたしは彼女を"真夜中の太陽"と勝手にあだ名している。
　対面したことも話したこともないけどね。とにかく同じ空間にいるだけでこっちまで明るい気分になる。

RYO:
　チャオ！

　彼女の定番のあいさつ。
　悪目立ちしそうな、ちょっと鼻につきそうな決め台詞なんだけど、これがとてもしゃれている。
　彼女にぴったりのあいさつで、これほど「チャオ！」というあいさつがしっくりくるキャラクターもいないと思う。
　わたしは彼女のこの「チャオ！」が大好きだ。
　踵を返す刹那、人差し指と中指を揃えて立てて、目のそばでスッと振って言ってそう。
　……。
　ダサくない！
　ダ・サ・く・な・ん・か
　ない！
　たしかにRYOさん以外の人がやったら寒気がするかもしれないけれど。
　本当に惚れ惚れするほど颯爽としてカッコ良いんだから。

　プレゼントイベントのミニゲームに参加してくれたこともあったMETAPOLIS出身の”くろえ”さん。
　その後sophiaさんのお店で偶然お会いできてフレンドになった。
　いつもカギの木に水やりしてくれていたので、お互いにそうするようになったのだけど、何度か松乃さんといるときに訪問され、一緒に雑談に花を咲かせたこともある。
　あるときいつものようにくろえさんの家で水やりをしたあと、メッセージボードにご挨拶をと思ったらひどい誹謗中傷の書き込みが連投されていた。
　なんとも腹立たしく、余計なこととは思いつつも松乃さんに相談してしまった。
　こんな言い方あれだけど、松乃さんはこういった揉め事に”見識が深い”。
　交友関係が広すぎて、あまり関係の良くないコミュニティにもそれぞれフレンドがいることも多く、身近なフレンド間にトラブルが発生しやすいのだという。
　だからって慣れているわけでもないとは思うけど。
　それでもトラブってる時に味方や相談相手がいるって心強いと思うし。

　そんなある日、くろえさんからTELがあった。