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063-offline

【2011年 7月某日】
 あたらしい家具を手に入れてお店の改装中、一段落したからちょっとようりを店内に放置したまま離席して戻ってきたときだった。
 画面を見るとTELのサイン。
”くろえ”さんからだった。
 わたしの活動時間は深夜が多いので、まず誰かからTELのあることが少ない。
 逆にフレと会いそうな夜も浅い時間帯はPCで作業をしていたり家事で離席が多く、会話がとぎれとぎれになってしまうからあまりTELは使いたくない。
 だからそういう時間帯はコミュニケーションは避け、あらかじめ約束のある日以外はインしていてもガチャ目的のインになる。機械的に「やる」ボタンを押す以外は画面にも注目せずほぼ放置状態。
 もともとミュートだし、他の作業のウィンドウを優先しているのでTELがあってもまず気づかない。
 大抵はあとで気づいてもかけなおすタイミングを気にしてかけなおせないからわたしとの連絡にまずTELは役に立たない。
 だからSNSでもわたしへの連絡はできれば手紙かSNSのメッセージでとお願いしてあるし、わたしのフレはよほどのことでもなければTELをかけてこない。
”よほど”とは言っても『あ、でたw こんこーん^^ ようりさんいま時間ある? よかったら一緒にイベ参加しない?』みたいにオンタイムで参加するイベントのお誘い程度だけれど。
 いつもなら。

ようり:
 もしもーし^^
くろえ:
 こんばんは^^ よかった繋がって
ようり:
 どしたん? 電話とかめずらしくない? ちょっとどきどきしたw

 最近のくろえさんをとりまく環境のこともあって、なにか深刻な話かと思って構えてしまう。

くろえ:
 ちょっとお話したいことがあって
ようり:
 うんうん

 相談――なにか決めかねていることがあるのではなく、
 お話――決断したことを伝える
 そういうことなのだろう。

くろえ:
 よかったら直接お会いしてお話ししたいなって

 間違いなく深刻な話だ。
 事態がなにか良くないことに向かっていそうで嫌な感じがする。

ようり:
 えーw もちろんいいけどなんだろ こわひwww
くろえ:
 ^^;
ようり:
 例の件、変化あったの?
くろえ:
 まあ、それを含めて
ようり:
 うちくる?
くろえ:
 よければそうしたいです
ようり:
 いつでもいいよ
くろえ:
 いまからだいじょうぶですか?
ようり:
 もちろん。待ってるよ^^
くろえ:
 では、向かいます^^
ようり:
 のちねー^^

 さあ。
 覚悟を決めよう。


 

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