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不明の事実が 腑に落ちる時

明確な事実なのに どうしてそうなのかが 分からないってこと ありませんか?
ありますよね、きっと貴方にも。

最近購入したDVDを観ていたら こんなことがあったんです。
そのDVDのあるシーンで ある先生が何気に放った言葉で、昔から気にはなっていたけど普段は
潜在意識の底に結晶化させて 沈めてある「どうしてなんだろう?」というあの疑問、あの不明の事実のことが瞬時に僕の頭の中で解凍されて出て来たのです。

「あッ⁈」と閃き「うん!」「そうかも⁉︎」って 思わずガッテンな パッと明るくなる感じの
爽快な 少なからず快感なことがあったので報告してしまいますね。

その事実なのに どうしてなのか分からない疑問、不明の事実とは、

『何故 人の歯は下顎の乳中切歯から生えて来るのか?』なんです。

僕にも 僕の歯科医としてのキャリアの中で 僕に大きな影響を与えて下さった 師匠と呼べる先生が何人か居られます。その中のおひとりに シークエンシャル ガイダンス オクルージョンという
コンセプトに於いて 歯科界では大変著名な先生であるS教授が、自身の命題にもされていて、かつ S教授の豊富な人脈ネットワークで 多方面の識者に訊ねても 明解な答えを得ることが出来なかったというのが『人の歯は何故 下の真ん中の歯から生えて来る必要性があるのか?』だったんですねェ。(当時)

事実 人の歯は必ず下の真ん中の歯から生えて来るんです。
側切歯でも無く、上顎の歯からでも無く、乳臼歯からでも無い。
絶対に下顎の乳中切歯からなんですねェ。

どうしてかなぁ? と 考えても無駄なくらい見当もつかず、いつの間にか顕在意識から外して
仕舞い込んでしまっていた程です。

昔 自分が歯学生だった頃、乳歯から永久歯へ 歯の生え変りの順番を習いました。
そして、歯科医になった頃は 事実 習った通りに子供達の歯は生え変わっていました。
上顎の犬歯は最後に生えて来ていたのです。(第2 第3大臼歯を除く)
それが25年位前からですかねェ… 乱れて来て 今や中切歯 側切歯に次いで3番目に生えて来ることの方が普通になって来ました(上顎においては)。これにもちゃんと訳があるのでしょうが、事実として生え変わりの順番は変わったのです。

だとしたら、最初に生える歯だって変りうるのでは?
ところが これは 変わらないのです。違ったという事実は無いはずです。
はて、どうして下の真ん中の歯から生えて来るのでしょう?

さぁ、そこで 僕がDVDで出逢った言葉。
DVDの中のある先生、H先生が何気に放った言葉とは…

『 下の歯が出て来る。すると舌は前に出れなくなる。』です!
(正確に倣ってはいませんが 意味は同じ)

ここで僕は ハタと気付き 閃いたのです。
いただきました!何故 下の乳中切歯から生えて来るのかのヒントを!

歯が生えるまでの乳児は 当然ですが授乳中です。
お母さんのオッパイにかぶりつき 舌で乳首を強くシゴくために 舌を前に出しています。
乳首の下方から乳首を捕らえるために舌は前に行くのです。いわゆる乳児型嚥下ですね。

ところが やがて下顎の乳中切歯が ニョッキと立ちはだかり 舌が前に出ようとするのを阻害し始めます。前方に行けなくなった舌は途方に暮れますが やがて上に挙がることを覚えるのでしょう。ってか、上に挙がらざるを得なくなるのかなぁ。乳児型嚥下との別れ。離乳の始まりなのでしょう。

そう。人の歯が下顎の乳中切歯から生えて来るのは、人が乳児型嚥下から成熟型の嚥下に移行して行くための 離乳の初期段階の時期の重要なきっかけづくりとしての必要性を持っているから!
なのではないのかなぁ … と、自分なりに 長年の疑問に 爽快なガッテン、腑に落ち方をしたものですから、つい長々と報告してしまったのでした。

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