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[2021シーズン]ジェフ千葉の良かったところ・悪かったところ

■2021年の良かったところ

1.負けなかった

昨年まで3年連続で19敗していたジェフが、今シーズンの敗戦10試合はJ2降格後、最も少ない負け数(3位だった2014年と同数)。
 ・ホーム :7勝9分5敗(昨季:6勝4分11敗)
 ・アウェイ:10勝6分5敗(昨季:9勝4分8敗)

過去に二桁敗戦で昇格したクラブがないわけではないが、来季は敗戦数を一桁に抑えればおのずと勝ち点は積み上がっていくので「負けないジェフ」を続けていくことが大事。

2.失点しなかった

42試合36失点はリーグ2位タイの数字。失点数が改善された影響で得失点差は4年ぶりのプラスに転じた(+12)。一試合あたりの失点0.86は木山隆之が指揮した2011年に次ぐ数字である。

山口智や竹内彬など個人の守備能力が高かった当時と比べて飛び抜けた選手がいるわけではないが、しっかりと守備のブロックを作る「守備組織」が出来上がっていたのが印象的。

Football LAB ゴール期待値
被ゴール期待値:0.879(リーグ1位)
    ※昨季:1.259(リーグ12位)

https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j2/?year=2021&data=expected

インターセプト数はリーグ1位。ボール奪取の指標で熊谷アンドリューがリーグ1位。「守備の文化がなかったジェフ(by 西部謙司さん)」で守備構築を成し遂げた尹晶煥らスタッフの功績は大きい。失点数の減少が敗戦数の減少に繋がっており、「堅守のジェフ」と呼べる状況になっている。

3.攻撃の指標が良くなった

前年比の話になるが、攻撃の指標が軒並み改善された。
リーグ最低レベルだった攻撃面の数字が、リーグ中位レベルにまで回復。
ボール奪取数も改善したことで、ロングカウンターの本数が減り、ショートカウンターが発動する機会が増えた。敵陣ポゼッションの%も向上した。

スタッツ
シュート:リーグ19位→リーグ10位(試合平均:10.8→ 12.5)
枠内シュート:リーグ17位→リーグ11位(試合平均:3.3→ 3.7)
パス:リーグ20位→リーグ14位(試合平均:390.0→ 432.5)
クロス:リーグ10位→リーグ7位(試合平均:14.1→ 15.5)
CK:リーグ19位→リーグ6位(試合平均:3.9→5.0)
ドリブル:リーグ19位→リーグ10位(試合平均:7.5→9.8)
30mライン進入:リーグ21位→リーグ12位(試合平均:31.4→35.1)
ペナルティエリア進入:リーグ20位→リーグ11位(試合平均:8.8→10.8)

チャンスビルディングポイント

攻撃:リーグ20位→リーグ11位(試合平均:12.77→14.94)
パス:リーグ21位→リーグ12位(試合平均:10.15→ 11.79)
クロス:リーグ6位→リーグ3位(試合平均:1.87→ 2.10)
ドリブル:リーグ18位→リーグ12位(試合平均:0.74→1.05)
シュート:リーグ19位→リーグ10位(試合平均:5.75→ 6.89)

https://www.football-lab.jp/comparison/team/2021/121/2020/121/

4.若手が台頭した

オフに獲得した鈴木大輔・福満隆貴・末吉塁らが戦力になったことも良かったが、それ以上に若手の台頭が目立ったシーズンだった。

23歳の見木友哉はゴール数・アシスト数でチームトップ。昨季のチーム得点王は7得点が2人だったが、見木は1人で14得点を荒稼ぎした。20歳の櫻川ソロモンはワントップで、22歳のチャンミンギュは3バックのセンターで2年目にして主力に成長。23歳の高橋壱晟は34試合に出場して一本立ち、18歳のブワニカ啓太にも14試合の出場機会を与えることができた。

平均年齢は27.15でリーグ9位と特筆すべき数字ではないが、ジェフとしては2015年以来の低さで1歳以上若返った。

■2021年の悪かったところ

1.引き分けが多かった

敗戦数10試合はリーグ3位タイの数字だったが、順位が8位と振るわなかったのは引き分けが多かったからで、引き分け15試合はリーグ最多タイの数字だった。昇格した京都との勝ち点差は18。15の引き分けを9つ「勝利」にする必要がある。特に完封された試合が12試合もあったのが問題で、アルビレックス新潟戦とSC相模原戦ではシーズン通して完全に沈黙した。

2.得点が取れなかった

42試合48得点はリーグ12位。攻撃の数値が良化したにも関わらず、得点数が伸びなかったのはFW陣の流出が大きな原因だろう。川又が全休したことで、昨季の前線が丸々いなくなってしまった。

・山下敬大 7得点
・クレーベ 7得点
・川又堅碁 6得点
・アラン ピニェイロ 3得点
・佐藤寿人 2得点

4得点の櫻川ソロモンと3得点のサウダーニャは来季数字を伸ばすだろうが、尹晶煥がリクエストを明言した通り、前線の強化は必須となる。昇格した磐田と京都には共に20得点オーバーのルキアンとピーター・ウタカがいた。22得点のケンペス、19得点のラリベイ、17得点のクレーベといった過去のストライカーたちと並べられるような大型補強を待ちたい。

3.J1昇格できなかった

J2で戦うこと12年。小学校も中学校も高校も卒業していよいよ13年目のJ2リーグ。尹晶煥が勝負の3年目を迎える来季こそ目標は昇格のみ。守備構築が進んで、チームの土台はできた。早々に監督続投が発表され、リーグ13試合無敗という良い流れで新シーズンを迎えられる。

来年は良かったことの第一に「昇格した」と書けるように、悲しみの連鎖を断ち切れるように、悲願を成し遂げられるように。

絶対にJ1昇格しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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