【人体総論からみた現代医療の矛盾点など その3】(私のメルマガより抜粋)


私たちの健康や疾病など、或いはそれにまつわる様々な事象を考えるとき、

一般には生物学的な、或いは生化学的な観点から考察することが殆どであるが、先日お伝えした三角医師は「発生学」的な視点を多用して説明してくれた。

実は、「発生学」や「骨学」など、東洋医学では割と重要視される視点が現代医学では殆ど重要視されることはない。

実際、大学の講義でも1コマや2コマ程度の学習時間しか割り当てていない。

「一応教えましたよ」といった扱いだ。少なくとも私のいた大学医学部ではそうだったが、恐らく他の大学医学部でもほぼ同様なはずだ。(但し、東大医学部はどうか知らない・・・)

この「発生学」的思考は驚くほどに役立ちそうなので、おさらいも兼ねてここで少しだけ詳しく説明しておきたい。(何故、役立つのかは後述する。まずは基本的な説明から・・・)

受精卵は2分割、4分割、8分割、16分割、32分割という感じで卵割を繰り返し、最後は60兆個の細胞集合体であるヒトとなる。

①その過程の初期段階で内胚葉から原始腸管が出来、そこから前腸、中腸、後腸が出来る。

前腸から原始咽頭が出来、そこから「中耳、副甲状腺、胸腺」、「口腔、舌、咽頭、甲状腺、気管、肺」、「食道、肝、膵」等が出来る。

中腸からは「十二指腸、空腸、回腸」等が出来る。

そして、後腸からは「結腸、直腸」、「膀胱、尿道、膣前庭、バルトリン腺、前立腺」等が出来、食道~直腸までの消化器系器官とその周辺が形成される。

また、内胚葉は原始生殖細胞を形成し、そこから「卵細胞、精子」が出来る。

極端に言うと、これが生命にとって最も重要な器官や細胞だと考えておいていい。

②次に、中胚葉から脊索中胚葉、沿軸中胚葉、中間中胚葉、側板中胚葉、血管芽細胞が出来、

脊索中胚葉からは「脊索」が出来、沿軸中胚葉からは「真皮、筋、骨、軟骨」、

中間中胚葉からは「性腺(精巣、卵巣)、精管、膀胱三角、尿管」が出来る。

また、側板中胚葉からは「卵管、子宮、膣上部」と「心嚢膜、胸膜、腹膜」、「副腎皮質」が出来、

血管芽細胞からは「心内膜、血管内膜」と「脾、リンパ、骨髄、血球」が出来る。

これも極論だが、中胚葉由来の器官などが2番目に重要なグループということになる。

そして、最後になるが・・・

③外胚葉から(羊膜上皮、)表層外胚葉、原始口腔、原始肛門、神経外胚葉が出来、

表層外胚葉からは「皮膚、皮膚付属器、乳腺、外陰皮膚、汗腺、皮脂腺、レンズ、内皮、嗅覚上皮」が出来、

原始口腔からは「下垂体前葉」、原始肛門からは「肛門」、

神経外胚葉からは「大脳、間脳、小脳」と「神経節、知覚神経、メラニン細胞、副腎髄質」、「下垂体後葉」等が出来る。

簡単に言えば、人間らしさ、或いはより複雑で高度な生命体としての形成が外胚葉由来によって完成する。ある意味に於いては外胚葉由来の器官こそが最も重要だとも言えるだろう(笑)

まあ、ヒトを「自然界の生物」と看做すか、「社会的な人間」と看做すか、の違いによって重要さの評価が違ってくる。


さて、ここから何故「発生学」的な視点が重要なのかを説明していこう。

その前に・・・

皆さんは「糸電話」で遊んだ経験がおありだろうか?

二つの紙コップを1本の糸で繋いだものを二組つくり、それぞれを交互に口と

耳にあてて電話のように離れた相手と会話を楽しむという遊びだ。

実は、固定電話も、携帯電話さえも原理的には同じ仕組みで出来ている。

簡単に言えば、電線の中を移動する電気信号や中空を飛ぶ電波を通じて甲と乙の

二者が繋がっているということだ。当たり前だが、繋がっていない相手とは会話が出来ない。

逆に言えば、繋がっていさえすれば、会話(連動)が可能だということだ。

当たり前すぎる話だ!と怒られそうだが、この当たり前の理屈がとても大事なのだ。

今、あなたが3本のパイプ(サランラップの芯の様なもの)を持っていると考えて欲しい。

3本のパイプはそれぞれ内、中、外胚葉で、パイプの表面には様々な臓器名などが記されていることにする。1本のパイプを持って、それをペンライトのようにゆっくりと振ってみると、そのパイプに書かれた全ての器官などが連動して揺れることになる。

手元に近いほうに書かれた器官は僅かでも、先のほうに書かれた器官は大きく揺れることになる。或いは、逆に考えてもいい。先のほうに書かれた器官が大きく揺れても、手元に近いほうに書かれた器官は僅かにしか揺れない。

そして、強弱の違いはあっても、全ての器官が連動して揺れるということにも注目してほしい。

それはなぜかといえば、それぞれが密に繋がっているからだ。

勿論、内、中、外胚葉の3つはそれぞれに繋がっているから、同じ胚葉由来の器官だけが連関している訳ではないが、同じ胚葉同士はより強く関係しあっていると考えていい。

同民族同士の結束(b)と家族同士の結束(a)の違いだというふうに覚えておけばいいだろう。

この各臓器の連動は「反射区」という概念で見ることもできる。

よく使われる「掌」や「足裏」、「頭皮」、「耳」「顔面」などと臓器などの連関を見る「反射区」は(b)の概念で、内器官同士の連関「反射(区)」はもっと直接的で強烈なものだ。

鍼灸治療などで一見関係なさそうな腸の調整で甲状腺や肺などを治癒させたりするのもそれらが内胚葉由来で繋がっている(a)ことを知れば納得できるはずだ。

また、腸の不調で顔の肌荒れが起きた(b)り、逆に腸の調子を整えると吹き出物や肌荒れが収まる(a)のも互いが「反射区」として連動しているからなのだ。

緊急事態(大怪我や食中毒など重篤な感染症、その他)での救急医療のお世話になるケースの場合は兎も角、生活習慣病(≒難病)に根ざす病気治療の場合には悪習慣による悪化に向かう信号が何度も発せられた結果、恒常性の基準が何度も書き換えられて病気発症に至る。

糖尿病などは代表例かも知れないが、それ故に、難病の患者は隠れ疾病も含めて複数の疾病を抱えているのが通常だ。例えば、肥満(メタボ)で高血圧症で、糖尿病・・・などだ。

癌の患者も同様だが、その場合多くは、他の病気は放って置かれ、ガン治療のみに専念することになってしまうー抗ガン剤の毒性が強いために他の薬の併用が憚られるためーのだろうが、実は、抗ガン剤治療を止めて、生活習慣の改善(「瘀血」の改善など)を通じて正常な新陳代謝に戻す工夫をした方が治る可能性が極めて高くなるはずだ。

一部の医師らが告白しているように「癌を治す薬」はないのだ。抗ガン剤は単に細胞を毒殺する化学剤であり、正常細胞と共にガン細胞も死ぬ=上手くいけばガン病巣が絶滅する、という思想が抗ガン剤治療だ。広義でいえば、放射線治療も同様な発想だ。

抗ガン剤は患部以外にも血流に乗って全身に巡るので、その毒性によって体全体にダメージを与えてしまう。免疫細胞が弱ることもさることながら、各ホルモン腺の機能も乱すので、自律神経系や新陳代謝にも悪影響が出る。激しい嘔吐、脱毛などはその一例に過ぎない。特に、合成ステロイドによる抗ガン剤は細胞内のミトコンドリアを

極度に疲弊させてしまうので、免疫細胞は言うに及ばず、各器官の細胞がダウンし、各種臓器の機能低下を招く。ガン患者がガンではなく、「抗ガン剤によって死ぬ」と言われるのはこのせいである。

このような批判は、「(人は)ガンでは死なない」ということを言いたいのではない。

通常、ガンに罹っても、その人が(ガンで)いつ死ぬかまでは誰にも判らないのであるが、抗ガン剤(猛毒)を使うと、これまでのデータにより「(投与から)どれくらいで死ぬのか」の凡その期間が判っているのだ。それで、ステージによって使う抗ガン剤(後期ステージほどより強い毒性のものを使う)が決まるので「余命(3ヶ月とか、6ヶ月など)」が決まるのだ。

つまり、担当医師のいう余命とは抗ガン剤によって生命が断たれるまでの期間ということを意味している。要は、それまでの間に、ガン病巣が先にギブアップしてくれれば助かるというチキンゲームなのだ。

また、余命半年と宣告された患者が一切の治療を拒否して2~3年間生きたという様な例は枚挙に暇がない。風邪を引いたときもそうだが、ガン罹患も含め、発熱やけだるさ、食欲不振などは自然治癒(自己治癒)のための生理の知恵(生理機能)によって生じる現象だ。

エネルギーと栄養という観点から言えば、発熱しているということはATP産生が盛んだということであり、発熱によって酵素も活性化している。また、けだるく動きたくない(=安静にしている)ということは運動などによるATP浪費が防げるということだ。そして、食欲不振によって消化によるATP消費を防ぐと共に、脂肪細胞内や細胞内、細胞間質液内に溜めこまれた過剰な栄養素(=これらは老廃物だ!大皿に盛られた料理も食べ残した分=過剰分=はゴミになるはずだ。体内でも同じことが起きているのだ!)が消費されたり、分解されて排泄されたりする。そのことによって風邪が早く治り、場合によってはガンなど難病も治る。

このことは多くの医師や学者らが指摘しているし、このブログでも再三再四紹介してきたので詳細は省く。

前回説明したが、体内でのさまざまな現象(化学反応)は、血流によって担保されている。そして、血流環境を支える血管は消防車や救急車、パトカー、ミキサー車やトラックなどが行きかう道路のようなものだ。道路陥没(血管破裂)は論外だが、車線が狭まったり、うねっていたりすれば(動脈硬化や血栓の付着などがあれば)交通量に制限が生じる(交通渋滞=瘀血)ので、現場で様々な障害が生じることになる。

この辺のことは具体例を挙げて詳細を説明しなくても理解できるだろう。

人の体は「動的平衡」存在なので、実はビール腹のおなか(皮下脂肪や内臓脂肪)でさえ絶えず入れ替わっている(1日に約1兆個細胞が入れ替わっている!)のだが、スクラップ&ビルド(新陳代謝=化学反応)の鮮やかさによって私たちの目では確認できないほどだ。

しかし、前述したような理由などで新陳代謝に支障が生じると様々な箇所で難題が生じる。

それはお隣韓国社会での例で喩えれば、聖水大橋崩落事故や三豊百貨店崩壊事故、セウォル号沈没事故(全て人災)のような大規模事故(=難病)が起こったようなものだ。

それで新陳代謝に大きく関与している甲状腺(老化と共に機能低下していく)の機能が

低下すると体内各所で様々な障害が(例外なく)出てくるのだが、大きな障害でなければ老化という一括りで甲状腺機能の低下は見過ごされてしまうことが多い。

因みに、現在市販されているヨード剤の多くは無機ヨード剤で、これは功罪ある。

というよりも害が大きいかも知れない。体にとって有益なのは有機ヨードで、これは昆布やワカメなどの食材を食べることで摂ることが可能だ。

現在の科学常識では有機ヨードを人工的に作ることは不可能だということになっているらしいが、実は、日本(大阪?)で世界で唯一有機ヨードが製造販売されている。

大正時代だったか?一時日本で大ブームを巻き起こしたのだそうだが、戦後は様々な理由から製造が中断され、某医学部大学教授の協力の下、再び製造販売が行われるようになっているようだ。(http://yukiseiyodo.co.jp/about)

新陳代謝の正常化に活が入ることでガンをはじめ、様々な病気や症状が改善されるという。理屈がわからない人には奇跡にしか思えないようなことも起こっているようだ。

有機生命体の体はー特に霊長類のヒトの体はー各細胞、各臓器など、様々な細胞や器官が連携して成立している。しかも、60兆個の細胞のうち、約1兆個もの細胞が僅か1日の内に入れ替わり、絶えずリニューアルされているのだ。

(正しくない喩えで恐縮だが、60建てのビルのワンフロアー分に相当するスペースが誰にも気づかれずに毎日リニューアル=スクラップ&ビルド)されているのだ。

これを凄いと言わず、何を凄いと言うのだろうか?!

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