神秘編 その35(「黄金の華の秘密86」)
パラレル・ワールドに関しては、今まで多くの文献で触れられているので、ここでの詳しい説明は省きますが、一番理解しやすい本は『未来人ジョン・タイターの大予言』(マックス)でしょう。
興味がある方は、ぜひお読みください。
さて、私たちの世界の過去、現在、未来の同時進行の話について触れておきます。これには、仏教論的宿命論と運命論が付いて回ります。
宿命とは、舞台で言うところのメインストーリーで、各役者に与えられた役回りのようなものであり、運命とは、各役者に与えられたキャラクターによるセリフのようなものです。
例えば、中国の時代劇『三国志』で言えば、劉備は劉備であり、曹操の立場には立ちえません。
また、関羽や張飛が孫権と兄弟の契りを結ぶこともあり得ないのです。これは宿命です。
そこは順守してくださいね、っていう、決して破ってはいけない掟なのです。
これを破れば、パラレル・ワールドへ、「島流しの刑」です!(笑)
しかし、メインストーリーが壊れない程度であれば、個々のセリフが多少アドリブでも構わないのです。
つまり、私が明日から修行僧になろうが、或いは乞食になろうが自由なのです。この自由意志の発揮は運命というハンドルの遊びのようなものなのです。
ただし、これらの予定変更も実は予定のうち、という嫌らしい見方もあります。
つまり、敢えて違う道を選んでも、「それが本来の決められていた道ですよ」と後で言われるようなものです。
しかし、実際に運命を変えることはできます。
例えば、TVなどの人気ドラマで、登場人物の人気次第で、登場回数や時間、セリフが増えたり、投書嘆願で死ぬはずの主人公が助かったり・・・など、数え上げればきりがありません。
実は、名探偵ホームズも、連載に疲れた作家コナン・ドイル(医師)の決断にによって一度死ぬのですが、読者と出版社の熱い要望で復活するのです。
実は死んではいなかった・・・ということで。(苦笑)
それとまったく同じことが人生においてもあり得るのです。
しかし乍ら、多数の人の運命の変化で、瞬く間に無限のパラレル・ワールドが生成されます。否、実はそのパラレル・ワールドすら、既にどこかに存在しているのです。
そして、小さな変化のパラレル・ワールドは、どこかでマザー・パラレル・ワールドとでも言うべきパラレル・ワールドに吸収されて消滅していきます。
これは、数多作り出される作品、例えば流行音楽でも構いませんが、スタンダード・ナンバーなどの一部だけがクラッシックとなって、他は時とともに消え去っていくのに似ています。
例えば、仮にあなたが明日自殺したとしても、あなたが明日自殺するというストーリーのパラレル・ワールドは既に存在しています。その世界では、明日以降あなたの存在はなくなってしまいます。そして、そのパラレルワールドでは、明日以降あなたの家族は悲嘆にくれるかも知れません。
しかし、また違うパラレル・ワールドではあなたは生き続けているかも知れません。おそらく、今あなたは明日以降も生き続ける世界においてこの日記を読んでいることでしょう。
なぜ、このような一見面倒くさいことが起きているのでしょうか?
今ここで、私がその答えのひとつのヒントとして、
「正史『三国史』があるにも拘わらず、羅漢中は『三国志演義』を書いたのはなぜでしょう?」とか、「日本でも吉川栄治版『三国志』、横山光輝の漫画版『三国志』などなど、沢山の『三国志』が生み出されているのと同じですよ」と回答したならば、
一部の読者は短絡的に、或いは意地悪で、
「それならば、神様は、彼らによって作り出された数々の人生ドラマの中で我々の苦しみや悲しみを生み出し、それを作品として観客のように見ているのですか?」と訊いてくるかも知れません。
その質問への答えは、実はとてもデリケートな問題を孕んでいるのです。
このシリーズの最終回近くでは、流れの中で自然と回答することになりますが、ここでは詳しくは触れません。
しかし、一つだけ質問形式で質問者に回答しておくと、
「あなたの言う神様とは、どのような神ですか?それはどこにいて、何を目的とした神なのですか?」と。
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