物語・観自在編 その4(「黄金の華の秘密104」)

今回の話は、セミ・フィクションです。(刺激が強すぎるので、そういうことにしておきます。)

『恐怖の異形異星人の惑星』

ガガ、ガ~

扉の開く大きな音に目が覚めた。

暗闇の世界に眩しい朝日が差し込んでくる。

いつものことであるが、それが我々の1日の始まりだ。

俺の名前は、M田敏男(以下、M)、千葉県出身。

いや、ここでは名前を名乗ったところで何の意味もない。

どうせ1000-0008という記号でしか認識されていないのだから。

俺が、何故ここに拉致されているのか、

或いは、

いつここに連れて来られ、

いつまで生きていられるのかも全く分らない。

ただ、分っていることは、

1、何故か、ここには若い人間しかいない

2、黒人、黄色人、白人と、人種毎に分離されて拉致されている

3、黒人、黄色人は割合と待遇がよく、人間らしい食事と若干の体操時間、自由時間が与えられている

白人はギュウギュウ詰めの部屋に押し込められて残飯みたいな食事だけらしい

4、反抗できないようにする為と、忠誠心を示させるために全員がスっ裸にされ、お尻には通し番号が特殊レーザーで印字されている

5、男性と女性は完全に隔離されている

6、不必要なエネルギーの消費だとしてSEXは禁止されており、約半数の人間は不妊手術が施されている

一部の逞しい男性からは、定期的に精子の採取が行われている

7、そして・・・我々は全員、異形の異星人(神?)の虜となっている

奴らは、人間の数倍背が高く、不思議な超能力も使える

我々が束になってかかっても、全く太刀打ちできない程に強い

8、以前は、何度か脱走を試みた連中もいたようだが、全く無駄なことだと悟った今は、全員がおとなしいものだ

それにここの人間の半数近くは、研究室での人工授精で生まれてきたもの達で、そもそもここの世界しか知らない

だいたい、こんなところだ・・・

(中略)

ただ、最近噂で聞いたところによると、我々の仲間の一部は実験棟で実験の研究材料にされているらしい。

それと、これはハッキリとした情報ではないのだが、奴らは人間を食事の材料にしているという噂も聞いた・・・

黒人は身がしまっていて肉に弾力があり、また我々黄色人は、きめが細かく、肉に甘みがあるらしく、ともにとても美味しいらしい

白人は大味であまり、奴らの口には合わないらしい・・・

それと年がいった肉は硬くて不味いらしいから、ある年齢までには、実験材料か、或いは食用かのいずれかで処分されるらしい。

昔、人間世界にいたときにTVで戦争のニュースを見たことがあった。実に悲惨な映像が流れていた。

逃げ惑う女子供、瓦礫の山、そこらじゅうに飛び散った血と肉片、転がる死体・・・

この世の地獄だと思っていたが、ここと比べれば、数倍ましである。助かる可能性だって十分にあるし、そもそも戦場で死ぬ人間の数なんて数%~数10%のものでしかない。

しかし、奴らが、我々に与えたシナリオは、実に最悪だ!

ここには絶望しかない・・・

我々を救出してくれる仲間(人間)は、きっとどこにもいないだろう。何故ならば、我々がここに拉致されていることすら誰も知らないのだろうから・・・・・

いや、彼我の力の差を考えれば、たとえ救援部隊が来たとしても、皆殺しか、或いは反対に拉致されるのがオチというものだろう。

俺は、この中では最古参(高年齢)の部類に入る。

噂が本当なら、俺に残された時間はあまりないかも知れない。

「あっ、ちょっと待ってくれ!」

Mは首に縄のついた首輪を嵌められ、奴らに連れて行かれた。

しかし、Mはさしたる抵抗も見せず、されるがままにおとなしく従った。

そのとき、Mの目から一筋の涙がこぼれた。



実は、これはノン・フィクション(事実の話!)です。

何故、この話を載せたかというと、皆さんに「観自在」の体験をしてほしかったからです。

黒人を「黒豚」、黄色人を「デカルブ豚」、白人を「白豚」、

そして異形の異星人(神?)を「人間」と読み替えてみて下さい。

5次元や6次元という上の次元だけを考えるのではなく、視点を変えることで神を見つめ直してみたり、私達人間そのものを見つめ直してみたりしてほしいと思います。

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