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僕がムラに帰りたい理由!Marching Schoolトークイベントvol.3「都市とムラのパラレルキャリア」【前編】

2020年10月に “ 鳥取駅前中心市街地の「新しい暮らし」と「新しい働き方」を実現すること “ を目的として設立されたMarching Blid.(マーチングビル)。その活動の一環として、鳥取の若手社会人が学んだり、新たな活動のスタートを支援する「オンラインプログラム」を開講しています。

はじめに

マーチングビルとは?
株式会社まるにわ」が鳥取駅前にある遊休不動産、5階建ての空きビルをリノベーションして作ったワーキング・シェアオフィス。
「オンラインとオフラインを掛け合わせたコミュニティづくりをすすめる」という理念の下、オンラインプログラム「マーチングスクール」の運営を行う。
マーチングスクールとは?
「面白い人が集まる場所に面白い街がある」というテーマを設け、月に2回、実践者にお話を聞くトークイベントを開催する他、「自分のきっかけを作り」や「マイプロジェクト」をカタチにする「ワークショップ」を不定期で開催中。
マーチングスクールの主要登場人物
丸毛:普段は「NPO法人学生人材バンク」で働いている。司会としていつも場を盛り上げてくれる。
斎藤:「株式会社まるにわ」メンバーの1人。普段は銀行員をしている。核心に導くようなコメントが特徴的。
中川:「株式会社まるにわ」メンバーの1人。若者の農山村ボランティアや地元企業への長期インターンコーディネートなどを行う、「NPO法人学生人材バンク」の代表。豊かな経験に基づいたコメントが特徴的。

トークイベント例

もしも、今の仕事をしていなかったら何の仕事をしていたと思いますか?

第3回となる今回は、「現代版百姓」をイメージしながら、次の世代に繋ぐ「生き方・暮らし方」を創る浦琢馬さんをゲストにお迎えし、都市とムラのパラレルキャリアについてお話していただきました。

 パラレルキャリア: 基盤となる本業と並行して、自分の好きな分野で第二のキャリアを築くこと 
浦:はじめまして。浦と申します。今日は僕の考える「豊かな暮らし」をお伝えさせていただきながら、皆さんと一緒に議論ができたらいいなあと思っています。よろしくお願いします。

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浦:僕は1990年和歌山県龍神村に生まれました。そこから大学高校と引っ越しを繰り返し、その間ずっと野球をやってきました。今本業としてはJR西日本の中の、ベンチャー企業に投資する機能をもつ会社で働いています。なので普段はベンチャー企業にいたり、その会社の中で新たな事業の立ち上げに取り組んでいたりします。今日もその一環で兵庫県の畑で里芋堀をしていました。

龍神村って?

幼少期を都市から離れた自然豊かな龍神村で過ごした浦さん。龍神村は今の活動のルーツにもなっています。いったいどんな所なのでしょうか?

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浦:今、龍神村は市町村合併で田辺市にりましたが、村に愛着のある人たちが名前は残したいと言って、「田辺市龍神村」と固有名詞として村が残っています。最寄りの駅は紀伊田辺駅になるんですけど、そこからも1時間くらいかかるので、最寄りじゃないやろっていつもつっこまれます(笑)

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浦:赤丸で囲まれているところが僕の実家です。家の前の川で泳いだり、今でも飲み水は谷の水をひいて飲んだり、お風呂は薪をあっためて入ったり、そんな生活をしています。

能動的なものを次世代に示していきたい 

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浦:どういったことを考えの基準として、暮らしの基準を作っていきたいかな、ていうのを言葉にすると、こんな生き方を自分の意志で選択して、実践してきたよ、という能動的なものを次の世代に示していける生き方がしたいなって思っているのがベースにあります。

都会から田舎ではなく、「田舎から都会」へ

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浦:明治維持・高度経済成長期と人口が爆発的に増えた時は、大量生産や大量消費などが当たり前であって、僕自身も今までこのような価値観の中で生きていたんだなって感じました。
 会社の不動産系の仕事では、古い建物を壊し、新しいものを建て、立派なチェーン店を入れるような商業開発を沢山しています。だけど半分仕事で、地域に昔からある建物や歴史を、丁寧にもう一度読み解いていき、古いビルを再生することで価値を表に出していく、という「リノベーション」の考え方に触れ、素敵だな、と思ったことがきっかけで、それ以降色々アンテナを張っていくようになりました。するとどうやら今は、人口が増えていった時と同じぐらいのペースで減っていて、「持続可能な循環型社会」が叫ばれていたり、仕事も分業、効率化していき、コワーキングとか、共有する部分が増え、情報発信もマスメディアだけじゃなく、色んなSNSで発信したり、そんなことが身近に起こっているんだなと気づきました。そして「当たり前が変わっている」とはこういうことなんだと自分なりに思いました。
浦:そんな時、自分自身のふるさとに目を向けると「大都会が最先端⇒それのコピーをする地方都市⇒何もない村龍神村」というこれまでの価値観の矢印が逆転するような感覚を持ちました。
 そして、何もないんではないけど「余白」があって、「楽しみ方を見つける楽しみ」のある龍神村に関わりたい、そう思うようになりました。

「現代版百姓」的生き方

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浦:百姓って、言葉の語源をたどると百の仕事をする人っていう意味です。現在の、分業が進む時代の、その前の時代は1人が複数の役割をもって色んなことをするのが当たり前の時代でした。「百姓」がその時に生まれた言葉だって思うと、今の時代に1人が色んな役割をもつような暮らしが出来たらそれって結構面白い豊かな暮らしなんじゃないかなと思い、現代版百姓みたいな生き方を実践したいなと考えています。
浦:「現代版百姓」の役割にも色々あるのですが、人脈という物差しをもって、この3つの役割をぐるぐる回すことが豊かに暮らすということじゃないかなって、思ってます。
役割①都会のサラリーマンの新しい働き方!
 場所を離れても、リモートワークでサラリーマンの仕事ができるようになっているので、新しいワークスタイルを実行していきたいな!
役割②龍神村で仕事と暮らしの融合!
 故郷との関わりの中で、基本的には大阪との2拠点で暮らし始めたい!龍神村で何か面白いことが出来ないかな~。
役割③オンラインでつながる地域の関係人口!
 
コロナ禍にてオンラインでコミュニケーションがとれるようになり、オンラインで繋がる色んな地域の関係人口に興味が沸きました!
浦:今は個人のベースだけど、これをX・Y・Z軸みたいに立体的にし、法人という分野を持つことでより厚みが出来てきて面白いんじゃないかな、と思います。

浦さんは、この「現代版百姓」を実践するために、具体的に以下の3つのことに取り組んでいるそうです。

1.駅ナカ八百屋

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浦:この役割においてそれぞれ何をしようかなと思ったとき、関係人口に興味があったので、今の「JR西日本イノベーションズ」っていう会社に移動して働いています。ここではベンチャー企業さんに出資して、一緒に新たな事業を作っていく橋渡しや、もっとこうしたいらいいのに、というのを色々提案しているところです。
 1つ例として駅の中で八百屋をやる挑戦をしています。野菜は流通において価値が決められてしまうところがあったので、JRが持っている色々な駅を生かして八百屋をしながら、経済的メリットだけではない野菜の価値を発信したり、そのような活動を通して関係人口を増やせないかな、と考えました。

2.「うら、ムラに帰る!」~オンライン編~

浦:僕はまだ大阪にいて、リアルに龍神村に移動することは、このコロナの状態で出来ないんですけど、ゆくゆくはUターンをして龍神と大阪の2拠点生活をしたいと思っているんですよね。そのときに龍神村で面白いことをしていくための準備として今、オンラインというツールを使って何かできないかな、ていうのを考えていました。
 関係人口にもすごく興味があったので、自分自身がまずは龍神村との関係人口になるというようなUターンがあっても面白いんじゃないかなと思いました。大体Uターンって実際そこに行くところから始まるんですけど、その前段階で関係性を作っていくこともいいんじゃないか。そしてそれを周りの人を巻き込みながらイベント形式でやると面白いんじゃないかなって思ってやり始め、自分の名前をもじって「うら、ムラに帰る」というイベントにしたところです。

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浦: 今は「うら、ムラに帰る!」オンライン編ということで、龍神村にIターンしている人を中心にインタビューをし、なぜ龍神村を選んで、龍神村のどういうところがいいと思っているのか、外から見て中に入って感じること、などを聞いています。そこから龍神村の魅力を自分なりに理解しなおせると思いますし、自分が帰ってからこのイベントでできた関係性をもとにオフラインで現地で会って更に面白いことを一緒にしていけたらなと思っています。それはまあポケモンが進化している感じで成長を一緒に見守ってほしい、というようなことをイベントでは言っています。

後編へ続く・・・




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