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洋服×カレー屋の二刀流!Marching Schoolトークイベントvol.4「〇〇やりたい」は言い続ける【後編】

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◆感想共有・質問タイム

お話が盛り上がってきたところで、3つのグループに分かれて感想や質問の共有を行いました。

<グループ1>

参加者①:みなさん「お腹が空いた」ということを口を揃えて言っておられて、僕は以前、カジカリーさんの方にお邪魔したことがあったので、「みなさん是非行くべきだ」という推薦をさせてもらっていました。本当にすごく美味しいので、みなさん是非1回行ってほしい、というのを、自分の方から言わせてもらっていました。

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参加者①:これが今年の分ですね。今年はあんまり旅行ができなくて135食ぐらいしか食べていなくて、全然数が少ないんで、去年とかに比べたら随分控えめな数にはなっていますね。

丸毛:ありがとうございます。竹内さんは「鳥取市内のすべてのカレーは食べた」とおっしゃっていて、その中でも「カジカリーは最上位だ」と強く推されていました。

参加者②:梶川さんに「カレー専用の服を作ってもらおう」って提案しよう!という意見も出ていました。服屋さんだし、茶色と黄色のドットとかで、カレーが付いてもわからないような服とかデザインしてもらおう、と話していました。

丸毛:
いいですね。梶川さんは「カレーの洋服」みたいなのは考えたことがあるんですか?

梶川:
そうですね。「カレーの洋服」というか「ついてもカモフラージュできる」みたいなのは考えていなかったです。面白い意見ですね。

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梶川:ちなみに、実は「カジカリー」としてオリジナルのものは準備していて、去年の秋ぐらいにデザイナーさんに作ってもらっていたんですけど、美味しいカレーを作ることに集中しすぎて先延ばしにしていたので、「ちょっと作ります」という報告です。

丸毛:
ありがとうございます。また、その辺の情報も今後どこかでメンバーにもシェアしていただければ、マーチングスクールでも紹介させていきます。

<グループ2>

参加者③:僕らのルームでは、やっぱり「言い続けるってすごく大事だな」という話をしていました。「やりたいと思ったら行動すること」というところで、誰かに話していたり、行動していたことで、みんなが興味をもってくれて、後々そこでできた「繋がり」というのが活きてきたりとか、そういったことは絶対にあるな、と思います。あとは、梶川さんがスリランカに行かれたりだとか、お店に修行に行きたくてずっとコミュニケーションをとっていて、というのを聞いて、ご自身の本当にやりたいこととか、ここは絶対に押さえておかないといけないな、というのを、感覚的に掴むセンスが凄い人だな、というのはすごく感じました。ちなみに、これは僕の個人的なエピソードなんですけど、4年前ぐらいに1度梶川さんにお会いしているんです。その時に器か何かの話をして「お店を出す」と言っておられたんですよ。それで、実際に今お店を出されているので、「うわあ、すげえ!」と思って。何かその、過程を見た気がしました。

丸毛:すごい。点と点が繋がっていった、みたいなところなんですね。

<グループ3>

参加者④:私がすごくスリランカカレーのことに興味があって、福岡のお店で食べたカレーとはまた違うのかな、とか、本場のカレーはどうでしたか?みたいなことをお聞きしていました。日本で食べるような、煮込むようなカレーとは違って、素材のフレッシュさを生かした「炒める」という調理法だったり、スープっぽいカレーばかりじゃなくて「おかず的に食べる」みたいなものも、スリランカではカレーなんだ、というお話が聞けてすごくおもしろかったです。

梶川:
スリランカカレーの定義をもう一度共有させていただくと、数種類のカレーを混ぜて食べる、という文化ですね。

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梶川:ごはんの上に何種類かのカレーを乗せて、それを手で混ぜて食べる、というカレーなので、炒めてある方が食べやすいんです。なので、「混ぜる」「食べる」というのと「魚粉系」。そういうのが「スリランカカレーの定義」と言えるのかな、と思います。

④小さなステップを積み重ねる。

梶川:「大きく動く」ということは自分の中での転機になって、モチベーションも高まるんですけど、やっぱり「日々何をしていくか」というのも大事なんですよね。僕がやってきたのは、食べ歩きだったり、自宅で作ったり、友人宅でカレーパーティーをしたり……イベントに出店した時には、アパートのコンロで100人前のカレーを作っているんですよ。事前の仕込みは2日間かけて、服屋の方が終わった後、夜帰ってきては玉ねぎを20個ぐらい切って、それを保存して、次の日の夜に炒めて……「何をしているんだ」という感じでしたけど。(笑)
「小さなステップを積み重ねる」というのは、5分10分でもやれることは絶対あるんですよね。何においてもなんですけど、自分の方向性が見えてきたら、そこに向かって一歩でもやっていくというのは、大事なことだと思います。

⑤強制力を働かせる。

梶川:例えば「1日のスケジュールを自分で見直して変えていく」というのを、みなさんもされたことがあると思います。「変わりたい!」という時に何をするか、というのは、人それぞれ何かあると思うんですけど、僕が実践してきたのは「住むところを変える」ということですね。住居を変えることで、より今の自分に合ったルーティンだとか、具体的にやりたいことに合った生活環境だとか「目標に合わせていける」というのがあります。なので「強制力を働かせる」という点でも、僕は住むところを変えてきたところはありますね。
「目的として自分の行動パターンを変える」ということもありますけど、たとえば今、洋服屋が川端2丁目にあるんですけど、最初に独立開業した時は、栄町にお店を構えていました。僕が元々鳥取の駅前でやっていた時に、1店舗だけあっても、やっぱりなかなか人の行動パターンは変わらないというか、お客様がとんぼ返りされちゃうんですよ。なんかこう、うちは結構盛り上げている感があったんですけど、そのあとお客様が帰っちゃう、みたいな話を聞くと、なんか寂しいな、みたいな。
だったら、もうちょっと連携があって、人が回遊したりだとか、イメージとして「鳥取って洋服屋さん少ないよね」と言われたりするようなことを、ちょっと払拭したいかな、と思っていたところで、「川端通り」という場所に空きができたんです。川端通りは周辺に洋服屋さんが集まっていたりするので、相乗効果も生むし、そこに行きたいと思いました。

その時に住んでいた賃貸と、駅前の店舗と、もう1個借りると、3つ家賃払うことになるんですが「家賃を払ってもお客様がいつ来るかわからない」というのは「ちょっとどうなんだろう」と思って悩みました。川端の物件はテナントなので、風呂が無いんです。一応、店舗スペースと2階に六畳一間みたいなのがあって、トイレとキッチンはあるんですけど、風呂が無いので住めないんですよ。でも、僕はアパートの方を引き払って、そこに住むことにしました。

風呂無しのところに住むというのは、なかなか現代では考えられないんですよ。でもそれをやることによって、その生活を「1年限定」ぐらいでやっちゃおう!って自分の中で決めて、もうやるしかないぞ、という気持ちで、そこをちゃんと店舗にできるようにスタートしたんですよ。
やっぱり「強制力」を働かせないと、人ってなかなか動かないと思うので、その時も「何してるんだろう」という感じですけど、僕は「住みやすいと遊んじゃう」と思ったんです。住みやすいと友達も来るし、自分もなんか居心地が良いし、まったりしちゃうので、自分の行動を抑制するという意味で、風呂無しの物件に住むことによって、強制力を働かせました。

⑥「周りの認知がモチベーションになる」

梶川:これはちょっと視点が違って、自分が続けていってる中とか、取り組んでいる中とか、準備をしている中でも、自分一人でやっていくのって、結構しんどい部分があるんですよね。
ジムで高いお金を払ってでもパーソナルトレーナーを付ける人って「伴走してくれる人がいる」「見てくれている人がいる」というところによって「頑張っていける」というのがあるんですよ。
自分一人で「ダイエットするぞ!」「受験するぞ!」と決意しても、達成できない人が多いじゃないですか。それと一緒で、見てくれる人や聞いてくれる人の存在が、やってきたことのフィードバックに繋がるんだと思います。
僕で言ったら、カレーを作って食べていただいたら「美味しかった」とか「辛かった」とか。そういう感想をもらうことで、やりやすくなるんです。誰かが見続けてくれたり、反応してくれることが「改善や前進するきっかけになる」というのがあるんですよね。
僕自身、一人ではここまで来れていなかった、と思っているので、やりたいことや夢を誰かに話して共有することで「より続けれられるな」と感じています。

⑦長い時間をかけたことは準備になる。

梶川:これは、僕の中で結構ポジティブなことでした。
夢を実現させるというのは「早いければ良い」だとか「遅いから悪い」ではないかな、と思うんです。洋服屋からカレー屋として独立する、という時に、事業として洋服屋を続けてきた実績もあったので、まずは川端での「自分の店づくり」を安定させることにしました。失敗すると立ち直るのにも時間がかかりますが、洋服屋をベースとしてやることで成功確率もあがるし、中途半端にするのは自分の中で納得がいかない部分もあったので、実力をつけてからの方がより良いことが出来るかなと思ったんです。

そういった事情もあって、年齢のことだったり、いろんなタイミングはあったんですが、2020年から「カジカリー」を開業することとなりました。
その時に、取引先の先輩から「これは梶川くんの集大成だよね」と言われたんです。洋服屋としてやってきていたり、カレー屋さんもやりたい、というのをずっと言い続けていたから「すごく良いカタチになるといいね」と言ってくださって。「長い時間をかける」ということは「それだけの内容の準備もできる」ということなんですよ。
僕自身がカレー屋さんとして新たにやることっていうのは、これまで培ってきた洋服屋としての「サービス」だったりとか「気遣い」だったりとか「商品の打ち出し方」だったりとか。そういう部分を作り上げていけるというのがあったので、やっぱり「早い」「遅い」ではなく、時間をかけることにメリットがあると思います。その分、テストマーケティングになっていたりもするので「最初の自己ブランディングを確立できる」という点でも、言い続けたことによって「ああ、ついに梶川やるんだ」という反応も非常にありましたし、「本当にやるんだ」という感じでした。
それもあったんで、すごく良かったかな、と思っています。

◆「カレー」と「民芸品」、どちらも楽しめるお店にしたい。

梶川:ここからは補足になりますが、「カジカリー」は「スリランカカレー」と「民芸の器」というのが特徴になっているんです。
「美味しいカレーを提供したい」という部分で、元々器が好きな方だったので、ただ美味しいカレーを提供するんじゃなくて美味しいカレーを作って、それがより美味しく食べられるような、良い器に持って提供したかったんですよね。
そこで料理人の先輩に「こういう器を使おうと思っている」みたいなのを相談したら、「割れる」「欠ける」「もったいない」という理由で「使わない方が良い」と言われたんです。
実際、それは僕を想ってのアドバイスだったんですけど、そこで僕は「どうにか使えるようにならないとな」と考えて、割れたり、欠けたりする要素って何だろう、と思ったんですよ。
そこから「割れるよ」って言われたことを分析していった結果、
「洗う時に割れる」ということがあったりするんですよ。洗い場で渋滞している時に、重ねていて割れたりすることが結構ある。あとは、お客様が持ち上げて落とした時に割れるとか、ぶつけて割れるとかあったりするというのがわかりました。
洗い場に関しては、自分が洗うし、1枚ずつ洗う。「シンクの中を何も無い状態にする」というので回避できる。お客様が割ってしまう、という点では、カレー皿って一皿が大きいので、持ち上げることが無いから回避できる。という具合に、うちのケースであれば無いようにできるかな、と思ったんです。あとは、重ねて置く時に、ゴツンとして割れる、というのがあるんですが、その部分を解決するには「重ねない」しかないかな、と思ったんですよ。
せっかく良い器を使ったとしても、重ねてしまうと見えなくなりますよね。それだとおもしろくないな、と思ったから、その解決方法と共にポジティブに出来ると思ったのが「割れないように飾る」ということだったんですよ。

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梶川:周りの方も僕に良かれと思って、最初に言ってくれていた「割れるから使わない方がいいよ」というネックな部分を解決していったことによって、結構強みにできたんですよ。
元々「良い器を使いたい」というのは、もちろんコンセプト的にもあったんですけど、それが「見せ方」というのに繋がってきた、という感じです。
「ピンチをチャンスに変える」と言ったら変ですけど、「難しいことに挑戦する」ということによって、ひとつの価値を作ることができたのかな、と思いました。
僕はそもそも洋服屋としてやっているので、飲食業界のノウハウとか、そういうのがあんまりわからない部分もあるんですよね。でも「先入観が無い」ことにより、いろんなことに挑戦して独自性が生まれ、差別化もできていてるので、結果的にブランディングとしても成り立ってきているのかな、というところはあります。他業種からでも「何か活かせるもの」は全然あるので、そこはポジティブに考えても良いと思います。


◆チェックアウト

すべてのお話を終え、参加者同士で感想の共有を行いました。

<感想(一部抜粋)>

全体を通して「考えすぎずに考えるのが大切なんだな」と強く思いました。一回否定された意見も抽象的なまま「ダメなんだ」と飲み込まずに、何故ダメなのかというのを具体的に可視化して、ピンチをチャンスに繋げるというのは、すごくポジティブでとても良い考えだなと思って、真似したいと思います。面白いお話をありがとうございました。
梶川さんが何回も「やりたいと思ったことはとりあえずやってみる!」というのをお話されていて、そこで「住む場所を変えてみる」というのがすごく良い考えだな、と思いました。
友達に何人か、自分で古民家を借りて、リフォームして、住む場所を変えてみよう、という子がいて、やりたいことをどんどんやってすごくキラキラしている姿を見ていたので、そういうことの大事さを改めて実感しました。
本当にひとつひとつ学びになる事ばかりで、すごくありがたいお話でした。
「チャンスは自分が望んでいる時に来ない」というのが結構印象に残っていて、確かに「待っているだけじゃ絶対来ないよな」という納得感もあったので、自分のやりたいことはまだ探している最中なんですけど、やりたいと思ったことができたら、それを口に出して、周りの仲間(伴走者)と共に考えていけるような環境作りをしていきたいと思いました。今日はありがとうございました。
最初の方でお話されていた「周りに言い続けていたら、周りからどんどん情報が集まってくる」というのは、自分自身も過去に似たような経験があったので、確かにな、と思うところがありました。
バイタリティのお話もあったと思うんですけど、春から社会人になって「体が資本」というような言葉が身に染みてというか、体力の部分ってすごく大事だな、と痛感しているところではあるので、そのバイタリティとか、日々体を鍛える、というところは是非見習っていきたいな、と思います。


◆まとめ

梶川:本日は長い時間にわたり、ご清聴いただきまして本当にありがとうございました。僕なりに上手く説明できたかどうかは分からない部分もあるんですけど、やっぱり「言い続けたことは形になるんだな」というのは、自分でも実感していますし、言葉にしないと人にはわからないですよね。実現したら、カタチになって、そういうことあったんだってわかると思うんですけど、気持ちだったり考えの部分だったりというのは「諦めずに言葉にして、相手に伝える続ける」というのが非常に重要なんだと思います。
ストイックにやるのも良いんですけど、あくまで自分にあったペースで、甘えすぎずに少し負荷をかけるくらいのことは大事だと思います。
丸毛:ありがとうございます。僕自身も日本酒の小さな事業を立ち上げて、1個1個進めていますが、まさに「美味しいよ、日本酒」「一緒にお燗酒飲もう」みたいなことを周りにちょっとずつ言っていっているところなので、プラス何か……「小さなことの積み重ね」と書かれていましたが、そこの部分も背中で見せてもらったな、というのがあるので、次はカレーを食べながらお酒を持っていこうかな、というのを考えております。
今後も何か、ここにいるメンバーも含め、じわじわと繋がるご縁が生まれたら嬉しいな、と思っています。

1006みんな

最後はみんなで「はい、チーズ!」

「気持ちは言葉にしないと伝わらない」という梶川さん。
何事も前向きに挑戦していく姿に、受講生も強く勇気づけられたようでした。

◆参考URL

カジカリー(Instagram)
https://www.instagram.com/kajicurry/

HUMAN and THINGS
https://hat-web.jp/

東方遊酒菜ヌワラエリヤ

https://tunapaha.jp/nuwaraeriya.html

こおげ花御所柿

https://www.jan-agri.com/product/winter/hanagosyo/




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