アダルトビデオシンドローム8

想像力ってすごい

レモンを見ただけでその酸っぱさを感じ取り気づけば口の中がよだれであふれていたり、想像妊娠なんて言葉もあったり、最近では重いものを持ち上げるイメージをしながら筋トレをすることで効果の上昇が期待できるなんて論文があるほどだ

想像の力はすごい、それは確かにわかる、しかし時には残酷なこともある、AVを見るときだ

アダルトビデオを見ながら想像する、女性肌の柔らかさ、声の甘さ、これらは確かにハイクオリティな活動には欠かせないだろう

例えばこんな画面だったとしよう、想像する、手のひらで感じる肌のきめ細やかさ、肌の下の肉のたわみ、人体の骨の硬さ、身体を伝う汗、髪の匂い、鼓膜を振動させるような声、自分の腰の疲れ、そして何よりも自分への刺激から得られる快感

想像力によって快感は増していく、そう考えていた時が懐かしい、俺の想像力のいく先はここだ

カメラマンだ、快感を得ようと、自分を画面と重ねようとすればするほど、頭の中は画面だけではなく、撮影現場を想像してしまう、もっと言うと

監督も出てくる、これだけではなく想像のいく先はAD、メイクさん、照明の人、その他スタッフ、女優のマネージャーもいるかもしれないし、撮影スタジオの外には運転手も車の中で昼寝しているかもしれない

こうなるともうそれはセックスではない、撮影だ、AVを見ながら想像する、こんなに可愛い人と愛し合うことを、手が触れ合う、服を脱がす、口を重ねる、愛撫をする、、、俺と相手と二人っきりの空間がいつのまにかに女優と男優、撮影クルーの作成現場になってしまう、俺は二人っきりになりたいの！と、思いながらよく考えたらただ一人でシコってるだけだった、おわり