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俺、先輩、ジジィ、タンクトップ

「見すぎだよ」

たまに友達に言われることがある、だいたい綺麗な人が近くを通った時だけど自分でも思う、でも見ちゃう

あんまよくないかなと思って最近外出中サングラスをしている、目線がきょろきょろするのがばれないし、綺麗な人見れるし


先日電車に乗っていた時、座っていた俺の前に女の人が止まった

ちらっと目を向けると、大学の時の先輩に激似の可愛い人が立っていた、可愛い人だ、ちょっとラッキーなんて思いながらイヤホンの音楽に合わせて頭はノっていた

ノリノリで曲を聴きながら先輩を見ている、サングラス越しだからばれる心配もなく、ただ可愛い人をナマで見てるだけでなんかこういい気分になれるのは自分が単純だからかみんなそうなのかはわからない

いい気分になっていると少し電車が揺れた

先輩はとっさに手すりをつかんで揺れに耐えていた、その時事件が起きた


先輩のワキがめっちゃ見える


ビッグシルエットTシャツから伸びる細い腕、袖の隙間は先輩のワキを見るには充分な余裕がある

おいまじか、こんなかわいい人のワキめっちゃ見えてんじゃん、もう音楽なんてどうでもよくてサングラスに隠された目はギンギンだった

今日はツイてる、なんて思いながらこの非日常を楽しんでいると電車が止まり、人が入ってくる

ふとワキから目をそらすと、先輩の近くにジジィが立った

そのジジィは普通のジジィではなかった、なんかもう死にそうなジジィなのであった、うつむいてはぁはぁ言ってるし、顔色悪すぎるし、ガリガリだし

普段はそこまで自分から親切するタイプではないが、さすがにやばそうだなと思って席を譲ることにした

「あ、ここ座っていいすよ」

そう言ってジジィに話しかける

「あぁ、ありがとうねぇ」

そう聞いて先輩のよこに立ってつり革を持った瞬間


あ、もうワキみれねぇじゃん


がっかりしてジジィのほうに目をやると、やっぱりジジィは死にそうでその席の特別さには気づいていなかった

ジジィ、その席は特等席なんだぜなんて思いながら音楽に集中することにした

数駅電車が進んで、ジジィの隣が開いた

「にいちゃん、ここすわりなよ」

ジジィが隣の席をたたきながら話しかけてきた

「あざっす」

適当に返事をしてジジィの横に座る、先輩はまだジジィの前に立っているが、今座っている席は特等席じゃない、さっきまでのワキはもう楽しめない

ちょっと先輩をチラ見してやっぱかわいいななんて思っていたら俺の目の前女の人が立った


タンクトップのうえからカーディガンをプロデューサーがけ、ワキちらしてる


マジかおいマジか一日に二回もワキチャンスあんのか、しかもすぐに気づいた


へそもチラチラしてる


タイトめなタンクトップはへそにかかるかかからないかくらいで、ワキチャンス+へそチャンスでテンションはマックス、目的の駅までワキとへそを目線が何往復も繰り返される


最高な時間を楽しんでいると電車が到着、駅のホームを歩きながら考えた、ジジィに席譲ったらワキがワキとへそになってかえってきた、親切ってするもんなんだなぁ
















この話1000年後日本昔話にならないですかね?




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