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【虚無虚無ぷりん】吉祥寺謎解き街歩きはどうしてクマに勝てないのか

前回の虚無虚無ぷりんはこちら。

さて、外出自粛の昨今、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。私はあまりにストレスがたまり、近所と言える範囲にご飯を食べに出たりお買い物に出たりしています。ということで、近所である吉祥寺でナゾビルが営業再開したという報を聞き、「どうせ家にいても暇だしな!!」と「吉祥寺謎解き街歩き」をやってきました。

■感想(もちろんネタバレなし)

クマ珈琲に勝てないからってこういう逃げ方はやめろ。

まず、私が本当にがっかりしたこのクリアツイート(謎解きを全て解き明かした際にSNSにシェアするボタンを押すと自動で入力されているツイート)を見てください。

比較として、こちらが2019年~2020年頭にかけて行われていた「地下謎への招待状2019」のクリアツイートです。

画像が設定されているのは「SNS担当、ようやくちゃんとしたのか」と関心ポイントなのでいいのですが(Twitterカード設定じゃなく、わざわざ画像で貼ってる?ww)、「どうして謎を解き明かしたツイートでお前の宣伝をせにゃならんの?もう俺の中では終わったイベントなんだが???」というものすごく嫌な気持ちになります。ものすごくは言いすぎなんですが、正直こちらは終わったというクリア感や余韻(今回はあんまりそもそもなかったけど)と自慢でツイートしているわけです。どうして宣伝が入るんだ?
地下謎のように、URLを貼るだけというのはスマートな宣伝方法です。こちらは感覚的になにも問題ないありません。最後の最後に物語をぶっ壊す、すばらしいSNS宣伝戦略ですね。
※※※ここまで書いて、自分の中でも疑問に思いました。WEBの1枚謎とかのクリアツイートで「君も解いてみよう!」みたいなのがツイートされるのはそこまで嫌ではありません。恐らくなんですが、これが「イベント」と「謎解き」の差であるのでしょう。イベントにおいては、謎はただ謎として並べられているわけではなく、何らかのストーリー、物語に沿って登場します。その物語を体験する行為が謎解きイベントの醍醐味です。その物語のエンディングで「物語を壊す」絶妙な文面が登場したんですね。※※

はてさて、「吉祥寺の謎解き街歩き」というものは私が参加しただけでも過去に数回あります。その中でも印象深いものはいわゆる「恐謎」と「クマ珈琲」の2つです。いずれもタカラッシュブラックレーベル作です。

・恐謎~ある漫画家が残した黒い手紙~(2017年)https://blacklabel.takarush.jp/event/kowanazo/

・クマが珈琲を飲む理由(2018年~)
https://blacklabel.takarush.jp/event/musashino/

恐謎は吉祥寺にゆかりのある漫画家、楳図かずお先生とのコラボのイベントです。クマが珈琲を飲む理由――通称クマ珈琲はオリジナルストーリーの謎解きです。他にも吉祥寺ではサプラニアの探偵ムサシのシリーズなどが実施されていましたが、まあアレはアレなので……。
http://www.surplunear.com/musashino/

そのなかでも後者のクマ珈琲は、謎解きファンの間で高い評価を得ています。特に評価を得ているポイントは「泣ける」と言われる物語です。また、「珈琲」「カフェ」にちなんだモチーフの謎や小物も可愛らしく、難点もあれど「まあクマだしな……」とクマの可愛さで全てをカバーするという荒業まで成し遂げます。2018年から現在も実施中という同時期・同場所の同じタイプイベントであり、なんならチェックポイントがかぶっているという、かなりアレな状況です。

さて、一方吉祥寺謎解き街歩きの何処が虚無だったかを簡単に箇条書きでピックアップしていきます。

・ストーリーが虚無

・吉祥寺感が虚無(これは私が自粛機関のお店が空いていないときだったのもあるかも)

・謎解きに吉祥寺感がない

・なんでこれを吉祥寺でやる必要があった?

・井の頭自然文化園のことちゃんと知ってる???????

全部を説明するとネタバレをふみそうなので、あまり言及はしません。なんとなく「シリアスなストーリーではなく、ポップで軽快でコメディタッチな話にしたかったんだろうなあ」ということはわかったんですが「軽快と軽薄は違う」という絶妙な部分がすごくイヤ感をついてきます。毒にも薬にもならない感じは、「なんでこれに数時間使うんだ?」という気持ちに拍車をかけます。もうちょっと手軽な500円とかのイベントならいいんだけど。

また、こちらを見てください。

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このオサレ感溢れるビジュアルで釣っているのに、ポップな話はないじゃん。ビジュアルと中身の不一致も、ものすごく地味に蓄積します。

とはいえ、良かったところもあります。良かったところについても述べておきますね。

虚無虚無書店……じゃない、「本に棲まう魔物をたおせ!!」と違ってキットを入れるファイル(カバン)は可愛かったです。秋っぽい色だったので、季節をずらしてやるとなお気分が上がるとおもいます。
当たり前ですが、街歩きのストレスが減るようなヒントシステムや次はカフェにいたほうがいいといった指示も、昔に比べて俄然優しいです。
……ん? 吉祥寺ならではの良さですか?

……。

オススメのごはん屋さん貼っときますね!!!

あ、あと、冊子のおすすめカフェリストにゆりあぺむぺるが入っているのはとても信用がおけると思いました!

くぐつ草もめちゃくちゃオススメなんですが、地下で電波が入らないので普通にスマホ使わない日に行ってください。

■まとめ

舌が肥えたグルメな方が食すと、あまり好ましくない気持ちになってしまう可能性がございます。
決してクソマズなわけではない。決して食べ物として成り立っていないわけではない。でも、しかし……。

私はこうした謎解きたちを「虚無虚無ぷりん」となんとなく最近呼んでいます。

好きの反対は嫌いではなく無関心、といいます。「これはひどい」と怒ってあげられるほうが、よっぽど愛されてしまっています。だからこそ、意識的に虚無を愛しましょう。虚無を大事にしましょう。虚無を……。

2,400円かあ・・・・・・

三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。