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謎クリエイターさん、まだ無料謎で疲弊してるの?_前編

4月ですね!新生活を始めたみなさん、そろそろ生活には慣れましたか?新生活を始めていないみなさん。まだ同じことを繰り返しているんですか?

いったい何のことかって?

「謎解きは儲からない」なんていう管をまくことです。

書き出したら意外と長くなったので、前後編に分けようと思います。前編では既存のマネタイズについてお話をして、後編では新しいマネタイズのご提案をしていこうと思います。

■(みんなが想像する)謎解きのマネタイズについて

さて、一般的にみなさんが想像する謎解きのマネタイズはこちらかと思います。

1、謎解きイベントの実施

2、謎解きグッズ(いわゆる「持ち帰り謎」)の販売

3、企業(自治体など含む)からの謎解きの受注

(4、謎解きイベント制作企業からの一部受託)

だいたいこんなところですよね!3と4については、もしかするとイメージがつかない方もいるかもしれませんが、3がいわゆる「元請け」4が「下請け」と思うとわかりやすいかと思います。小謎や、あとはペンシルパズルを餅は餅屋ということで自社(自団体)外の個人に発注することも、最近はとても増えています。

さて、それぞれについて今回はデメリット(というか、しんどいなーと思う点)を考えていこうと思います。

まず「1、謎解きイベントの実施」について。こちらの大きなしんどさは2つです。「実施にけっこう大きい金額がかかる」「収益の天井が低い」ことです。

「実施にけっこう大きい金額がかかる」――これはリアルでイベントをやるには避けて通れない「会場費」、それから「小道具費用(紙ものの印刷も含む)」、そして最大の「人件費」です。想像がつかないかもしれないので、ぱっと思いついた「Jスクエア」を見てみましょう。

料金表
土日祝日 8時間迄 160,000円(税抜)
土日祝日延長 以降30分毎 10,000円(税抜)
平日 1時間毎 20,000円(税抜)
機材費 一式 30,000円(税抜)

これはちょっと規模が大きいとしても、1日まるっと借りて数万円~というところです。お友達の家を格安で借りるなど、工夫しないと厳しいですね。

次の「収益の天井が低い」はまさにこの通りです。イベントスペースの説明なんかでよく収容人数が書いてあります。が、謎解きイベントを実施する場合はその0.8倍…下手をすると半分も入らないことがあります。というのも、収容人数の最大は立食パーティーみたいなものを想定しています。謎解きイベントに参加しているみなさんだとわかると思いますが、それだと狭いんです。単純に机に座って紙謎を解くだけならば、収容人数(着席)とほぼ一緒でいいかもしれませんが、少しでも立ち歩こうと思えば席数を減らすことになります。そして、謎解きイベントの場合は、最初の設定人数以上の人間を入れること(=チケットを売ること。収益を得ること)はかなり難しいです。映画や演劇の立ち見、ぎゅうぎゅう詰めといったことは不可能です。

そしてなにより、チケットが100%売れるとは限らないのです。

次に「2、謎解きグッズ(いわゆる「持ち帰り謎」)の販売」を考えましょう。

こちらはまずは、「作るのが大変」「作るのに費用が掛かる」というのが思い浮かびます。印刷、製本には純粋にお金がかかりますね。こちらは上記の謎解きイベントの実施と同じような出費です。しかし、もう一つ忘れてはいけないことがあります。作ったものをどこで売るのか?です。

現在「持ち帰り謎」の販路として大きいのは、「常設店舗」「各種謎解きイベント」「その他クリエイター参加イベント」の3つです。ちょっと調べてみたのですが、常設店の「委託手数料」についてはどこも明記していなさそうなので、ハンドメイド業界の例を出しておきます。

ネットだけで販売しているお店の場合
販売の手数料は20%〜50% 個人が運営しているネットの雑貨屋さん、セレクトショップは20〜40%くらいが相場なのではないかと思いますが、そのお店が楽天に出店していたりするとそこからお店が手数料を引かれたりするので50%くらいになったりもしているようです。
実際の店舗を持つお店の場合 
販売の手数料は30%〜60%
お店の人気、知名度にもよるとは思いますが、知っているお店の話を聞くと、ほぼほぼ30〜40%くらいかな。

ちょっと聞いた話だと、謎解きはこれよりだいぶ委託手数料は安価です。

次の各種謎解きイベントでの販売ですが、今となっては大規模フェス「ナゾガク」ではこんな感じです。

◎机貸し :1日¥4,000-(出展者パス2名分付)/2日¥7,000-(出展者パス2名分付)

最後に、その他クリエイター参加イベントでの販売の場合をいくつかご紹介。

コミックマーケット――いわゆる「コミケ」の場合。

サークル参加申込書セット
…… ¥1,000 (通販の場合、+送料・手数料)
1スペース(机半分/椅子2脚)の申し込み費用
…… ¥8,000
申し込み時の切手代や振込手数料、Web申し込み時の送金手数料など
…… ¥500程度

デザインフェスタ――いわゆる「デザフェス」の場合。

ブース料金表
5/18(土) 5/19(日) 両日
¥12,600 ¥12,600 ¥22,000

これらはあくまでも「出展費用」です。さらにここに「交通費」「搬入費用」や、自分で出展する場合はディスプレイ費用、売り子が一人ではない場合は売り子人件費などが追加されます。

最後に、「3、企業(自治体など含む)からの謎解きの受注」と「4、謎解きイベント制作企業からの一部受託」について考えましょう。

これは特に言うことはありません。受注するのが大変とか、クライアントが謎解きイベントを下に見て予算をくれないとか、〆切しんどいとか、そういうのはビジネス謎制作者さんたちで話してください。そうしたしんどさは、どちらかというと「起業・ビジネス」での一般的なビジネスの受注~納品までのお話だからです。

ここでは「謎クリエイター」として作りたいものがそこで作れますか?謎をビジネスにする能力や実績がありますか?という2点につきます。

前者の場合は、ぜひ次回の後編を読んでみてください。後者の場合は、先輩たちの姿を見ましょう。

もちろん、「好きに自分で作りたいモノを作る」と「ビジネスとしてモノ作りする」を同時に達成することも出来ますし、同じ人間が別々に達成することも出来ます。プロ商業作家が同人誌を書いたりTwitterで落書きをアップしたりするのと、まったく同じ話です。

前編のまとめ

既存の謎解きイベントでの収益化とされる方法は、結構しんどいということです。ただし、私が言いたいことは「儲からなくてしんどい」でも「儲けたい」でもありません。

「儲けたいのであれば、もう少し考えませんか?」

ということです。収益化に興味がない、それはそれで結構なことです。今のモノづくりにプライドをもって好きでやっている。何の問題もありません!そういう人たちに文句を付けたいわけではないんです。

私が届けたいのは

「儲けたいのに、儲からない」

「謎解きイベント(など)をしたいのに、元手となる費用がないので実施できない」

「謎を作るのは好きだけど、なんだか最近モチベーションが保てない」

ような、そんな人たちです。

というわけで、後編では「謎界隈でまだ広まってないけどうまく使ってほしい色々」をご提案させていただきます。

三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。