謎の楽園とディトスピア

西暦3XXX年、突然世界の謎は全て解けた。
世界中の科学者の努力によって、宇宙の謎も、人類が生まれてきた意味も、これから行く先も、全てのありとあらゆる謎が解明された。

世界に謎が消えたあと、そのことに耐えられない人々は自らの手で謎を作るようになった。
古来からのミステリーの手法に則った、古きよき謎。
しかし、その謎はあっという間に解明されてしまう。
全てのトリックは自明であり、それはもう謎ではないのだ。
加速していく「不可思議殺人」「事件」の多発に、政府は「謎」の禁止を決めた。

世界は全て自明であり、人間の生まれてきた意味も、これからの行き先も、全ては明らかである。
謎がないということは、悩むことがないこと。
彼の気持ちも、彼女の行動の意味も、全て解けている。
人々はただ平和に楽しく生きるために日々を暮らし、わかりきった明日を迎える。


ーーーーーーーーー

地下に生きる人々。地底人。
彼らは密かに<謎>を作り出し、地上に送り出す。

ーーーーーーーーー

人々は<謎>に対する感性を失う。
規則よく並んだ色タイルを見ても、規則性がないアルファベットの羅列を見ても。それはただの色タイル、それはただのアルファベット。
しかし、時々いる。
それを不思議だ、と思う人が。

ーーーーーーーーー

<F>の組織。<F>=<不思議>
「謎」という言葉は狩られた。唯一残っている言葉は、「不思議」。
その昔、世界は不思議な事にあふれていた。


今の私注:タイトルがナゾトピアすぎるし、ミステリが失われた世界と読み替えると少年検閲官すぎる

三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。