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(翻訳)Introduction

つい最近のことだが、私はまだDEVONthinkを使ったことがない人にこのアプリについて説明しようとした。まず、DEVONthinkは情報管理のためのソフトだ、と説明したのだが、これだけではあまりにも漠然としていたのでさらにこう付け加えた。DEVONthinkは(MacのFinderと同様、もしくはより機能的に)あらゆるファイルを保存、整理、探索できる。DEVONthinkは(MacのTextEditと同様、もしくはより機能的に)標準テキストもリッチテキストも編集できる。DEVONthinkは(MacのPreviewと同様、もしくはより機能的に)PDF書類に注釈をつけることができる。DEVONthinkで写真を表示したり、動画を見たり、音楽を聞いたり、ウェッブページをブラウズすることもできる(ただし、こういったことについてはMacのPhotos、Music、AppleTV、Safariには機能的に劣る)。だがこういった機能はほんのさわりにすぎず、DEVONthinkのもつ一連の機能を深く知るにつれて、DEVONthinkは世の中の人が使っている膨大な数のさまざまなアプリに取って代わることができることに気がついた。もしそうしろと言われたら、毎日おこなっているほとんどすべての作業をDEVONthinkひとつですることも可能なぐらいパワフルなアプリだ、ということである。

それゆえ、DEVONthinkの機能の説明をどこから始めるべきなのか困ってしまった。もちろんこのことは著者である私の問題であるが、同時にまた、ユーザーであるあなたの問題でもあるだろう。DEVONthinkはその機能をさまざまに組み合わせることでほとんど無限と言っていいほどの豊富な働きを可能にし、あなたのニーズや好みがなんであろうとそれに合わせることができる。しかし、DEVONthinkのもつ膨大な機能は、どの料理も美味しく見える50ページものレストランのメニューのようなものなので、あまりにも多くのおいしそうな料理---機能---があるためほとんどの人は満足のいくフルコース料理をはっきりと自信をもって選ぶことができないにちがいない。

この本で私がめざすのは、DEVONthinkがもつ多くの機能についてユーザーの理解を助けることとユーザーがやりたいことを実現するためにDEVONthinkの機能をどう使うべきか、あなたの手助けをすることである。DEVONthinkをはじめて使うユーザーにはもちろん、より効果的な使い方を探している経験豊富なユーザーにも、DEVONthinkをもっとも効果的に使うにためにどこに注目し、なにを試し、どのように考えるべきかを示したい。

DEVONthinkのHelpメニューで多くの詳しい解説を見ることができる(ebookとしてKindleで入手可能)が、この本の目的はHelpメニューの解説の代わりをすることでもなければ、ひとつひとつのコマンドやボタンの機能の説明をすることでもない。ユーザーにとって重要なタスクをいかに実現するか、その点に的を絞る。DEVONthinkのメインコンセプトとインターフェイスをざっと見たあとで、ユーザーが繰り返しおこなう三つの基本的な操作についてくわしく説明する。すなわち、まず最初に、さまざまな情報をDEVONthinkに保管・整理・検索し、役立てる方法について、つぎに、DEVONthinkがもつオートメーション機能のさまざまな使い方について、最後に、DEVONthinkに保管した情報をエクスポート、あるいはシェアする方法について説明する。

以上三つの説明だけでは物足りないユーザーのために、ちょっとしたオマケ---「Dig Deeper」の章---を準備している。そこではキーボード・ショートカットの一覧とともにDEVONthinkの高度な機能をいくつか紹介している。パワーユーザーにもきっと参考になるはずである。

Stepping Stone 本の中で“Stepping Stone”という補足記事をところどころに書いた。DEVONthinkで複雑な作業をおこなう際の特別なアドバイスが書かれているので、“Stepping Stone”をガイドとすることでこの本およびDEVONthinkというソフトウェアに対する理解が深まるはずだ。
Note: DEVONthink 3 にはstandard、Pro、Server editionsの3種類がある。この本で解説する機能は基本的にこの3種の“DEVONthink”はすべてに共通する機能である。ProやServer editionにのみ提供されている機能について述べるときはその旨を注記している。

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