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とろける緑の雫 ろうかん翡翠のピンキーリング

お客様オーダー品のご紹介です。
5月のお誕生石は、エメラルドであると同時に日本では翡翠が設定されています。
(誕生石は国ごとによって違いますよ✨日本は翡翠やサンゴなど、ちょっとオリエンタルなチョイスも入っています)
今回はミャンマーからやってきた美しい緑色の翡翠をメインにしたリングです。

「翡翠」は、和名です。
翡翠には二種類あり、硬玉とよばれるジェダイトと軟玉とよばれるネフライトが存在します。
一般的に宝飾品として価値がつけられるのはジェダイトの方ですが、ネフライトはその加工のしやすさからさまざまな彫刻にも使われます。

今回はジェダイトの中でも、その色味と美しさから「ろうかん」と呼ばれる透明感のあるグリーンのものを使用し、プラチナでピンキーリングにお仕立てしました。

卵型のつるんとしたとろけるような緑色の翡翠をメインに、アーモンド型のマーキスダイアモンドも含めたパヴェ風のデザイン。
全てダイアモンドで構成するのではなく、遊び心と色彩の個性を出すために小粒のグリーンガーネットをミックスして石座にセットしました。

小指につけるのを前提にしていましたので、すんなりと馴染むやわらかなカーブを。
グリーンのガーネットがアクセントになり、緑と白のコントラストがさわやかな美しいリングとなりました。

ミャンマーはさまざまな宝石の産地です。特に有名なのはルビーですが、同じようにジェダイトも産出されます。
翡翠は原石からルースへと磨かれる時にその見た目を改善させるため染色や含浸処理が行われることがほとんどです。
今回は小粒ではありますが、ミャンマーのカチン州で採れた無処理の翡翠を手に入れることができました。

現在ミャンマーでは、2015年に起きた鉱山での地滑りを受けて宝石採掘のライセンスの基準をより高くする試みがされています。
今後、採掘環境が変わる中でこのくらいのクオリティの翡翠の売買がどのようにされていくのかはまだわかりませんが、
採掘する現場が安全かつ、宝石に関わる人のためになる環境が整えばいいなあ…と一業界に携わる者として思います。
翡翠は模造品も多い難しい宝石です。
ご希望のお客様には、現地の産地証明を追加料金でおつけすることもできますので、ご興味がおありの方はご連絡くださいね。

翡翠は持ち主に不老不死と生命の再生をもたらす宝石として崇められてきました。
清王国の西太后も熱心な翡翠のコレクターとして知られており、大粒のダイアモンドの献上品より小粒でも美しいろうかん翡翠を好んだと言われています。
翡翠は目視ではつるんとしていますが、繊維状の結晶がぎゅっと詰まった宝石。
そのため、身につけるとその持ち主の皮脂を吸い込み長く着用されたものほどとろけるような美しい色合いになると言われます。
中華圏でよくみる翡翠のバングルなどは、基本的に付けっ放しのアクセサリーだそうですよ。

また、翡翠はグリーンだけではなく、赤、黒、黄色、無色透明、ラベンダー色などさまざまな色彩が楽しめます。
どのカラーも個性的で美しいですが、個人的にはグリーンの他には無色透明の氷翡翠(Ice Jade)とよばれるものにも惹かれます。
まったくの無色透明の翡翠故に少しでも濁っていたり色が入ると美しさの欠点にカウントされてしまうので美しい氷翡翠はレアなのです。
このほかの色も、日本のショップより香港あたりの宝石屋さんに行くとたくさんの翡翠が見られますね。
ご旅行の際は探してみるのも楽しそうです。

翡翠のジュエリーは強いお守りになると古来より言われています。
オーナー様の日々を、この翡翠がより強く守ってくれますように…

お気に入りの翡翠に、皆様も出会えますように!
令和もはじまり、新たなる時代と季節に心も踊るようです。
連休の方も、お仕事の方もどうぞお疲れの出ませんように。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
心より、感謝を込めて。

MaPRE Nene.

MaPRE ねねです。サポート頂けるとすっごい励みになります…!これからも皆さまとジュエリー&宝石たちをつなぐ文章を書けるようにがんばります💎