好きな人が死んだ

この間、大好きな人が死にました。
正確には、いなくなってから『好き』だったことに気づきました。

これまでは、いわゆる特段ファンだったわけではないけど、という立ち位置の者だったと思う。
だけど当たり前のように画面の中に居たその人は、なんの前触れも感じさせずいなくなり、
そのことで初めて、わたしの中で大きな存在になりました。

毎日その人を考えて胸が苦しくなります。
年が近いからか、急だったからか、わかりませんが、
考えても仕方ない、私なんかが考えてもわかりっこない、その人の心の内を思って苦しくなります。
いわゆる特段にファンだった、今までずっと大好きでいたであろう人の気持ちを考え、
傍にいることのできた、親友だったであろう人の気持ちを考え、
わたしですらこんなに辛く感じるのにどんなに辛いだろうと、なんとなく落ち込んだまま過ごしています。

その人が間違ったことをしたとは思えないし、思いたくありません。
ただ、もう絶対に会えなくて、もうこの世界にいないんだと思うと、どうしようもない後悔を感じます。

初めてあなたの歌を聞きました。
ダンスを見ました。
あなたの笑顔をよくよく見ました。
あなたの演技が好きです。
あなたのきれいな手が好きです。

こんなに笑顔が素敵で、優しくて、真面目で誠実で、たくさんの人に愛されていたことを知りました。
あなたと出会えたことが、幸せなことであると知りました。

あの日から私はきっとあなたのファンになったんだと思います。
本当はもっと前からファンだったのかもしれないけど。

あなたの演技がとても好きです。
特に好きな映画にあなたは出ていて、その役柄にとても合っていると思ったことがありました。
あなたがその役をしてくれてよかったと思いました。
それも、あなたの努力の賜物だったんですね。
本当に素晴らしかった。

全部全部今更言ってもしかたなくて、
今更考えてもどうにもならないことなのに
言わずにはいられなくて、考えずにはいられなくて。

良いと思うこと、好きだと思うこと、
身近な人でも、遠くの人でも、もっと惜しみなく言えばよかった。
私の声ひとつで何が変わるでなくとも、伝えたかった。
伝えられなくなることが何より辛いことだと、どうしてすぐ忘れて、また後悔を繰り返してしまうんだろうか。

この喪失感はすぐには拭えないだろうし、
まだしばらく受け入れられず、引きずって、考えても仕方ないことを考えてしまうと思います。
それでも、少しだけでも気持ちが落ち着いたら、またあなたの笑顔を辿ってみようと思っています。

せめてその人のことを忘れないように。
あなたの生きた時間が少しでも多くの人に残りますように。


これからのあなたの心が救われて、幸せでありますように。

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