見出し画像

小さいドット絵で描くアニメーション


はじめに

今回、Muscatさん主催のアドベンドカレンダー企画に参加させていただきます。MapleCと申します(https://twitter.com/MapleCat_GBF)。
5年ほど前からドット絵を描き始めた者です。元々趣味で描き続けてきましたが、今年からドット絵の仕事を受け持つようになりました。来年にはもっとアクティブになっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
まだまだ発展途上で、ドット絵を描く難しさと楽しさに打ちのめされている私ですが、それでも「ドット絵自体は初心者でもとっつきやすい」ように思えます。今回の記事ではこのこととドット絵の魅力について語っていきます。(このの記事で語るドット絵はすべて64x64以下のサイズなのであしからず。)


ドット絵は簡単

私は生粋のドッターなわけで、現在は基本的にサイズ64x64ピクセル以下のキャラクターしか描きません(描けません)。イラストにも挑戦してみましたが、自分の理想とはかけ離れた作品が並ぶだけでした。自分にとってイラストはまだハードルが高いです。これは個人的な主観ですが、SNSで活躍している多くのドッターはイラストも上手のように思えます。勝手に「イラストが描ける人はドット絵も上手いんじゃないか?」って思ってます。(今度ひとりのイラストレーター捕まえて実験してきます)
イラストと比べてドット絵が簡単だと思う理由は、おおざっぱに言ってしまうと
「参考にしやすい」です。
例えば、FFVの主人公のドット絵を模写します。そしてそこに私のTwitterトプ画の要素を加えます。

画像8

はい、ドット絵完成です。簡単です。

画像1

(ファイナルファンタジーV(FFV)面白いので布教したい。)

ドット絵はその性質上、表現が理解しやすい傾向があります。上記のFFVのドット絵の目などのパーツは一度見てしまえば誰でも描けると思います。しかし、通常のイラストだとそうはいきません。例えば、自分は精巧な風景画を見せられても何をどう参考にすればいいか、理解するのは難しいでしょう。
勿論、そのドット絵を丸々模写するのではなく、その表現を理解することが大切だと思います。オリジナルのドット絵を描くにあたって、この工程は避けて通れないものです。
実際私もいろいろなドット絵を見て自分自身の絵柄というものを確立していきました。今でも他のドット絵を見て研究したりしてます。
「絵を描きたいけど絵なんて描いたことない!」という人は、ドット絵を選択肢の一つとして考えてみてはどうでしょうか?表現方の一つとしてかなり取っつきやすいと思います。


ドット絵は難しい

いきなり矛盾していますが、つまりは「ドット絵には難しい所もあるよ」ということです。そして、私はその難しさがドット絵の魅力だと思っています。
ドット絵を描き始めるとすぐ気づくことですが、ドット絵の表現の幅は普通のイラストと比べて狭いです。ソシャゲの豪華な装飾のあるキャラを描く時は頭を抱えます。

画像2

(グランブルーファンタジーより、パーシヴァルというキャラです。鎧どうなってんの君)


今回は48x48ピクセルで描きましたが、これより小さくするとさらに表現が難しいです。
他にも服装に文字なんてあれば十中八九潰れますし、複雑な髪型も簡略化するはめになります。どこを切り捨ててどこを表現するか、その制限がドット絵を描くうえでの難しさだと思います。

勿論ドット絵のサイズを大きくすれば表現の問題は解決しますが、大きすぎるとそれはそれで難しくなってきます。なので、自分にとって丁度良い大きさのドット絵を模索する必要があります。私は1キャラ32x32から始まり、現在48x48に落ち着いています。ここから大きめのドット絵も描けるようになりたいです。

幸運なことに、自分はこのドット絵の難しさに楽しさを見出せました。(1ドットの差異で大きく印象が変わるドット絵の奥深さは、自分をドット絵沼に沈めた一番の理由です。)


小さいドット絵アニメーションの利点

画像3

(私のオリキャラのアニメーションです。いい感じ(自画自賛))

さて、なぜ私が小さいドット絵にこだわるかですが、それは昔からアニメに触れる機会が多かったことが機縁となって、いつしか自分で作ってみたいと思うようになったからです。しかし、前述したとおり私はイラストを描くことができません。何度かトライしましたが、大体一週間も続かなかったと記憶しています。
「自分にはイラストアニメーションは難しい・・・そうだ!」

画像4

そんなこんなで描き始めました―――この時にゲーム制作も始めました。

画像5

(ゲーム制作の練習過程で描いたやつです。)

このとき自分は 32x32 のドット絵キャラを描いていました。1 コマあたりの作画コストも、普通のイラストと比較するとかなり控えめだったと思います。おかげで短期間でたくさんのアニメーションを描くことができました。この経験は私のドット絵制作に大きく貢献したと思います。例え 32x32 サイズでも色々な動きができます。表現に制限があるとはいえ、その深さは底が知れません。

画像6

(こちらのキャラクターは 32x32 サイズです)

さらに、ドット絵という表現は人の脳内の補完で完成します。だからこそ小さな(1 ドットの)動きでさえ、そのアニメーションに大きな意味を持たせてくれます。逆に、悪い言い方かもしれませんが、その補完を利用して多少の粗はごまかすことも可能です。

画像7

(顔のパーツなどは殆どコピペで済ませた作品。低コスト!)

長々と語りましたが、少しでも「ドット絵楽しそう!」と思っていただけたら幸いです。制限があるようで、いろいろな表現があって、そして描くのが楽しい(個人的感想です)。

そんなドット絵に参入してくるのを心待ちにしております。まぁ、つまり、


ドット絵描こうぜ!


蛇足

自分の作業環境や、個人的に参考になるものなどを置いておきます。

作業環境:
- ドット絵ツール:Aseprite
- PC:Surface Pro 7 (画面に直接描き込めるので愛用してます)


良参考書籍:
- Pixel-Logic (ドット絵の基本的な知識はここに大体あります。英語でもよい方は是非)
- ピクセルアートではじめる背景の描き方(タイトル通り背景ドット絵の情報がたくさんあります。構図の話などとても興味深かったです)
※普通のイラスト教本もとても役にたちます。


個人的おすすめドット絵ゲーム:
- オクトパストラベラー(ドット絵と 3D 表現(?)の両立はとても新鮮です。(ストーリーもいいぞ))
- ワールドフリッパー (小さいドット絵であの表現力。小さめのドット絵を描きたい人にはぜひプレイして欲しいです。))

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?