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止まった時間が動き出す。

4年前に止めた時間が動き出す。
約10年間のソフトボール人生に終止符を打ったあの試合から。

私はソフトボーラーに向いていない。
私はキャプテンに向いてない。

そんなことをしみじみと感じ、たくさん泣いたあの日から。


4年前、インターハイに出場した。

はじめて、自分の力で掴み取り、はじめて、全国の舞台に足を入れる。
遠征の練習試合と同じはずなのに、全国という肩書きがあると私の体は凍りついた。

インターハイに近づくにつれて私の調子は狂い出す。捕れない、打てない。

1番うまく、1番活躍してチームを引っ張る、自分が試合を決めるそんな理想のキャプテン像からはかけ離れていく。

日に日に捕れなくなり、日に日に打てなくなる。でもみんなの前ではそんな弱さを出したくなくて空元気に振る舞う。

もしかしたらみんなは気付いてたかもしれないけど、だましだましでインターハイまでの1ヶ月を過ごす。

超健康体の私が、微熱で練習を2.3日休んだ。
部活に行くことが怖くもなった。

日に日にチームのムードは悪くなるし、あんなにも一つにまとまって優勝したチームがバラバラになっていく。

そんな中、騙し騙しで迎えるインターハイ。
うまくいくはずなんてなかった。


初戦に6対1で負けた。記念にと、DVDを親が購入したが私は買うなと言った。一生見たくないと思った。私の過去から消したいと思った。

試合中、自分のエラーで点が入ったのに、「まだいける頑張ろう。」というのが辛かった。全ては私のせいなのに。今すぐ変えて欲しいし、今すぐ私を怒鳴りつけて欲しかった。

4年越しにDVDを手に取った。誰にも開封されなかったDVD。私の親も優勝した試合は見返していたがインターハイだけは手に取っていなかった。いつか笑ってみられるといいなと思いながら4年が経った。

最後に泣きじゃくる私が写っていた。
自分のみじめさと、メンバーへの申し訳なさと。当時の感情がふつふつと。
まだ笑っては見れなかった。

私が最高のパフォーマンスをしていても負けていたことに変わりはないかもしれない。でも、キャプテンという存在の活躍がチームの雰囲気やムードにどれぐらい影響するかがわかっているからこそ、全て私のせいでもある。

こんなキャプテンで勝てるわけがない。

言い訳しようと思えばいくらでもできる。

100%他責の念がないとは言い切れないけど、私は、自分のせいだと思った。

でもそれこそが、自らを苦しめ、つぶれ、チームが負けた結果でもある。

結局なにがいいたいかは分からないけど、全て自分のせいと思い込んだ自分を評価したいとも思いし、向き合いたいとも思う。

自分の理想とする思い込みが強いことを感じて、胸にきざむだけでも、これからの未来が何か変わるかもしれない。

止めていた時間が未来の活力にかわった今。




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