自動車オートパイロットの対応範囲を拡大｜Mapbox Autopilot Map
オートパイロットシステムの道路カバー範囲を劇的に広げ、日次の地図データ更新を実現
※Mapbox Autopilot Mapは現在、西ヨーロッパと北米で一部のお客様にご利用いただけます。詳細についてはお問い合わせください。
新しい「Mapbox Autopilot Map」は、自動車メーカーが正確で最新の地図を車に装備することで、オートパイロットシステムが対応できる道路範囲を大幅に拡大します。Mapboxは、他のプロバイダーよりも高い頻度で大量のデータを収集することで、より多くの道路をカバーし、変更をリアルタイムで車に配信することで、毎日更新されるAutopilot Mapを実現します。
「カバレッジ」は通常、携帯電話のデータ通信のカバー範囲を示すために使用されます。自動車のオートパイロットシステムでも、走行中に自動運転を維持し続けるために十分なデータ通信が必要です。もしネットワークが繋がらない場合は、地図データが不十分だったり古かったりする場所で、オートパイロットが解除されてしまいます。解除されると、ドライバーは急に操縦することを余儀なくされ、不便かつとても危険です。
このオートパイロットデータにおいては、道路のカバー率、データの鮮度、地図の配信方法の3つが重要です。
自動車に高度なデータが必要な理由
最新のオートパイロットシステムは、車載センサーだけではわからないことを教えてくれる地図に大きく依存しています。例えば、天候によって視界が悪くなったり、障害物によってセンサーが遮られた場合に、センサーを補完するためには、詳細で最新の地図データが不可欠です。この地図データは、道路を高度に認識し、急な曲がり角や一時停止の標識を予測するため、また自分がどこにいるのか、目的地に到達するために必要な操作を知るために重要です。
従来の「高精細地図」（HDマップ）は、主要幹線道路を中心とした道路を手作業でマッピングするため、高価な調査車が必要です。このような時間とリソースを要する地図作成プロセスでは、1～6ヵ月に1回程度と、データの更新に時間がかかってしまいます。データが古い道路では車のオートパイロットを無効にせざるを得ないため、古い道路情報はカバー率問題をさらに悪化させています。
Autopilot Mapの地図データ収集方法
「Mapbox Autopilot Map」は、センサー搭載車が検出した変化をMapboxに共有するという、より拡張性のある道路データ収集方法を採用しています。
十分な数の車が同じ変更を検出すると、その変更はレビューを受けてAutopilot Mapに統合されます。その後、効率的な方法で車に即座に配信されます。
Autopilot Mapは、高速道路や交通量の多い地域だけでなく、多様な道路を日常的に走行する普通の車からデータを収集しているため、データのカバー範囲がより広くなり、1日に何度もデータが更新されることもあります。更新は、地図全体を一からダウンロードするのではなく、デルタ更新（小さなデータパッチ）としてリアルタイムに車両に配信されるため、自動車メーカーには通信コストの削減がもたらされます。
AIが強化する精度と洞察力
Mapboxのアプローチは、クラウドソーシングデータに依存しているため、調査車の精度に比べて、頻度が高く大量のデータを活用しています。Autopilot Mapは、路肩、車線などの物理的な道路の特徴に関する詳細な地図情報を、相対精度20cm（約スマートフォン1台分ほどの長さ）で車システムに提供します。
Autopilot Mapには、車線区分線などの物理的な手がかりがない場所 (ロータリーや複雑な交差点など) での最適な走行経路に関する情報も含まれます。数百万人ものドライバーの移動パターンから得た情報を使って「行動」レイヤーが構築されており、複雑な運転シナリオでオートパイロットシステムにガイダンスを追加します。
その結果、Mapbox Autopilot Mapは車が混乱したり、単に動作を停止したりする場所の数を減らすことができます。
Autopilot Mapの提供方法
柔軟性とカスタマイズ性というMapboxの設計原則に従い、Autopilot MapはNDSやOpendriveなど複数のデータ形式でお客様に提供されます。自動車メーカーは毎日データを一括ファイルとしてダウンロードしたり、Mapboxクラウドから直接車に地図を配信することができます。
Mapbox Autopilot Mapは、Mapbox ADAS SDKの一部として車両に統合することも可能で、地図をADASISフォーマットで車のCAN-BUSに直接入力ができ、マップマッチングやElectronic Horizonのような機能を提供します。
Mapbox Autopilot Mapを使って構築する
AIの機能と数百万の車センサーからのデータを組み合わせることで、Mapbox Autopilot Mapは、より高品質でより広い範囲のオートパイロット機能を可能にします。 Mapbox Autopilot Mapは、最新の道路状況を反映して更新される正確な地図データを車に装備することで、オートパイロットのエラーを減らし、信頼性を高めることに貢献します。
Mapbox Autopilot Mapは現在、西ヨーロッパと北米で一部のお客様にご利用いただけます。
MapboxおよびMapbox Autopilot Mapの詳細については、Mapbox自動車チームまでお問い合わせください。
＊本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。
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