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アコギを買った話とその後の弦交換について

 ギターシリーズ、この記事の続きになる。

 ギター初心者が、アコギとエレキをどちらを最初に買うかは、大きな議題である。私は弦も細く弾きやすいし、住宅事情にやさしいのでエレキにしたのだったが。「どちらで始めようが、いずれは両方ほしくなる」というのは本当だった。

 そんなわけで6月にアコギを買った。住宅事情とスケールの短さによる弾きやすさからミニギターしか選択肢はなかったが、YAMAHAのJR2S。JR2とJR2Sがあり、上位モデルである。せっかくだからと、大人の財力にものを言わて。とはいえ楽器としては安い方で、楽器店で2万ちょうどくらい。ミニギターなのでボディサイズはエレキと同じ、厚みが違うので感覚的には大きく感じるが。
 音が気になる人はこのレビュー動画が最適。

 このJR2シリーズは、540mmというスケール(弦長)の短さが特徴である。普通のミニギター は580mmなのだ。一般的なギターが630-650mm、ギタレレが430mmなのでちょうど中間サイズである。
 サイズ感もまさに、ギタレレを一回り二回り大きくした感じ。

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 独特なサイズで市販のケース・バッグがぴったり入らないせいか、JR2・JR2Sとも付属のケースがギターバッグでものすごくいい。写真にもあるが、これだけで5000円はするんじゃないかという。このアドバンテージが購入の要因と言えなくもない。値段だけなら、さらに安いミニギターもあったからだ(試し弾きができない通販だとリスキーなので、楽器店に置いてある率が高いのもJR2のメリット)。
 スケールが短いから弾きやすいだろう、楽勝だろう、と思っていた。が、ムズい。楽器店の試し弾きで恥ずかしい思いをした。こ、これが噂のアコギ弦か、やはり太すぎる。。そして、ショートスケールでも1フレットはやはり硬い。とはいえ、挫折するにしろしばらくは標準に慣れた方がいいと思い、その場では弦は買わなかった。
 家で練習していたが、やはりムズい。特に、練習後も薬指(5弦を押さえることが多い)がいつまでも痺れたように痛い。普通痛くなるのは酷使する人差し指で、1時間もすれば回復するものだ。江本孟紀「ベンチがアホやから野球がでけへん!」のごとく、私は「薬指が痛いからアコギが弾けへん!」と怒りから叫んだ。

 なおミニギター のフレットが狭いことのデメリットは、指3本同フレット系、特にBメジャーが押さえづらいこと(押さえ方は一つではないので、別のに切り替える手もあるが…)。【2023.9追記:Bから一つ右にスライドしたCコードセカンド(と、私が勝手に呼んでいる押さえ方)も押さえにくいので要注意】。ミニギターを買う人は試し弾きでBメジャーをやろう。また、Aコードは中指薬指小指の方がいい(というか人差し指以外がBと同じでこっちの方が覚えやすい)。
 身長高めな男としては、正直スケールは長くても問題ない。1-3フレットを押さえるCメジャーやFメジャーなどは短い方が弾きやすい気がするが慣れの問題だろうし、既に述べたBメジャーなど一長一短ある。テンションはダウンチューニングで抑えられるし、1カポすることを考えると尚更元は長くていい。スケールだけ630mmくらいあるミニギターってないかな。ない。【→あった 2021.7追記】音量的にはボディが薄いエレアコを買うしかなさそう、エレアコ用途が全く不要なのだが…。

 上記記事も加筆してあるが、まずエレキの弦を標準の010-046から1階級落とし009-042にした。元々1弦だけバラ売りの009(メーカー・素材は忘れた)に張り替えていたが、たしかに楽である。今度は材質も変え、ニッケルからステンレスにした(ダダリオ製の場合「プロスティール」)。相変わらず5弦ギターが快適である。

 音も好みだが、ニッケルと比べて左手が鉄臭くならなしサビに強く長持ちするのでのでオススメである。
 エレキ弦の素材による音の違いはこちら。

 アコギの方も1ヶ月たって、素材はフォスファーブロンズのまま(JR2としての純正ではなく、たまたま楽器店で張ってあっただけ)標準のライト012-053からエクストラライト010-047にした。ついでにというか元々使ってなかった6弦は張らず、5弦ギターに(弦交換のたびに6弦だけ余っていく…)。
 なおダダリオのアコギ弦はセットではこれより下がないので、まだ細くしたい人は他メーカーのセットか部分的にバラ売り弦でカスタマイズするしかない。

 とはいえ、このサイズはエレキ弦の標準と近い。エレキに慣れていれば違和感はないというか、めっちゃ弾きやすい。これだよこれ、エレキとアコギで感覚の変わらない同じ弦サイズ、最高やん(逆にエレキでアコギのライトと同じにしようと思うとヘビー弦になる)。次のエレキ弦はプロスティールの標準(ライト)にしよう。
 音はたしかに細くなり、エレキっぽい音になるが慣れれば気にならない。音量も抑えられて家で弾くには最適と言えなくもない。とはいえエレキの時よりも細くなり具合がすごいので、ギャップはたしかにある。011-050くらいの中間の細さがほしくなる(ダダリオだとアメリカンブロンズという種類だけだが、010-050というサイズも一応ある)。ちなみにダダリオの場合011-052のカスタムライトがある。4,5弦がライトと全く同じなのであまり変わらない気がするが、次はこれにしてみよう。→数字だけだと微妙な違いに見えるが、カスタムライトはライトよりたしかに弾きやすい。010-050は6弦047ほど音が細くならず、弾きやすさと音のバランス感がいい。
 表にまとめると以下。

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 アコギ弦の素材による音の違いはこちら。音もいいが、サビに強く長持ちするのでフォスファーブロンズがオススメである。見た目だけなら金色のブロンズの方がカッコイイが(逆にフォスファー は血に染まった金色で厨二感が)。

 その後も練習した結果、アコギのライト弦でも1カポなら慣れればいけそうではある。が、単発ではできてもコードチェンジがやはりできない。1ストロークだけの、ゆっくりな間があればできるが、そんな曲はほとんどない。
 アコギの弦を変えた理由は、実はもう一つあった。それはギタレレと同じオープンCチューニング(GCGCEG)を可能にするためだ。親指で6ー3弦を押さえるのがとてもやりやすい。
 標準EADGBEから近いのは2弦以外は上げないEGCGCE、または全体を少し上げたGCEGCEだが、これだと音構成が変わり同じではなくなってしまう。Eが二つあるとマイナーとsus4が面倒だし(6弦は鳴らさず1弦だけ変える)、GCEGCGにすると変わるのが4弦なのでムズいし、1弦が切れそうで怖い。
 EADGBEからGCGCEGにする場合、下げれば弦がゆるすぎるし、上げるときつくて心配になる(6弦から+3,+3,+5,+5,+5,+3)。そこで弦を細くする。ミニギターで元々テンションは低いので、まあ大丈夫だろうという設計である。
【7/20追記 音高が高くなりすぎて違和感&弦とギター本体への負担が怖いので、やはりギターでは2弦以外は上げないEGCGCEがいいだろう。GCGCEGはギタレレだけのものだったのだ…フレット数に余裕のあるエレキなら2カポ&6弦から+1+1+3+3+3+1、またはオープンA&3カポでやってもいいかも】
 ギタレレやクラシックギターは12フレット接続、アコギは14で使えるフレットが多くなったので、ギタレレでは厳しかったオープンCでのAとBも鳴らすことができる。これで弾き語りに不足はない。まさに完全体である。

 標準コードか、オープンコードか、弦が標準か。一般人はそんなこと気にしないし、エレキの方は標準チューニングのままにしてあるので、ちょこちょこ練習して、いずれはできるようになるかもしれない。「標準でも弾けるがオープンを使う」がカッコイイので、そうなりたい。もはや私にとってエレキはアンプ、エフェクター(ZOOM G1FOURを以前買った)はほとんど使わない、ただのサイレントギターである(というか演奏技術がなさすぎて「音作り」まで手が回らない)。
 ともかく、今回のまとめはエレキはまだしもアコギの標準弦は太すぎるので標準のライト弦より細い方がいい、さらにこれならばいざとなればオープンCにもできて保険もかけられる。いや、オープンC推しは私だけなんだけど(そもそもギタレレに慣れてそっちに合わせたい人間が何人いるんだ…逆だろ)。
 もう一つは、普通サイズのアコギで挫折しかけている人は、わざわざミニギターを買う必要はない。ダウンチューニング&1カポ、さらに弦を細くすればいいからだ。楽器に限らず原則として人間を道具に合わせるのではなく、道具を人間に合わせるべきだ。

 楽器が目に見えずこういうカスタマイズが効かないから、喉・ボーカルは難しいんだが、それは今回の記事的には余談。