見出し画像

休日、覚え書

期日前投票を久しぶりにした。いつもは当日の朝に行くのが習慣だけど今回は10月後半に仕事が立て込んでおり31日が知らぬ間に過ぎ去りそうだなと不安に思ったので、とっとと投票を済ませることにした。這ってでも行きたいからな。著名な方々が選挙の呼びかけをしていたり、駅のポスターやそこら中で立候補者の名前の連呼、街中に選挙のニオイがぷんぷんする。でも呼びかけても呼びかけなくても、行く人は行くし行かない人は行かないんだよなあと思ったりした。ネット投票が出来れば投票率上がるかなと思いつつも、実際は投票率はそんなに変わらないんではなかろうか、とも思う。これまで選挙にちゃんと行ってた人しか結局ネットでも投票しなさそう。個人的な予想だけど。いつもちゃんと行く人のためにもネット投票出来るようにしてほしい。

区役所はいつ行っても忙しそう。何かを待っている人たちがパイプ椅子に座ってる。いつもの慌しさに加えて期日前投票の場所も設けてあるので、そのための人も沢山いて、なんだか少しだけお祭りにでも来たような感じだ。区役所の売店で手作りのパンや手作りのポーチなどが売ってた。このような場所で関係者の方にこんにちは〜と言われれば必ず、こんにちは〜と返すのが私。みんなはこういう時、返事するのかしら〜と思いながら投票した。褒美にケンタッキー。ポテトが売り切れで泣いた。代わりにビスケットになったのでそれを持って新宿御苑に行くBプランに私も変更。

御苑でレジャーシートを広げブラックコーヒー片手にビスケットを頬張る。御苑玄人ぶりを発揮するものの突然に沢山のカラスがやたらと鳴き始めて怖くなってきた、ヒッチコックでも始まるのか。急いでビスケットを食べて移動、鳥が怖い。去り際、おじさんがカラスを餌付けしていて原因がわかった、ジロリと睨んでその場を後にする。野生のカラスはもちろん喜んでいたけど後先考えずに優しさを配る人って嫌いだな。そういう意味で私は冷酷な人間だろうね。

別の芝生エリアに座り、武田百合子の「ことばの食卓」を読み終えた。最後の章は「夢、覚え書」だったので人の夢の話はちょっとどうでもよくてパラっと終わらせた。やはり「誠実亭」が一番良かったな。それにしても佐藤春夫、覚え書…私となんとなく縁を感じる本だった。そういう偶然に気が付いただけとは分かっていても。私たちは案外レールの上をただ歩いてるだけなのかもしれない。レジャーシート素人なので、仰向けに寝ると急に眩しく感じるということを知った。右に横たわると子どもたち、左に横たわるとピクニック写真を頑張って撮る人たち、起き上がると親子でシャボン玉遊びをする人、読書する人たちの光景があった。やはりここが天国だと思う。シャボン玉を笑顔で追いかけ回す子どもを見ながら目を瞑ると、このまま起きなくて良いのでは、という気さえする。一人、オレンジ色のライトの下で夜中静かに眠るよりも、それなりに晴れた天気の良い過ごしやすい昼間に眠りにつきたい。

帰りはアベックが沢山いるエリアを縦断したが、この面白さと言ったらない。この人たち意外と微妙な関係性なんだろな、と勝手ながら想像しワクワクした。

よろしければサポートをお願い致します。マガジン「一服」の資金に充てます。