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『篝火』インタビュー番組を制作した話

どうも、マヲです。
2022年1月8日~9日の2日間にかけて開催されたスマブラSPオフライン大会『篝火#6』にスタッフとして参加し、インタビュー番組を制作しました。
ボランティアのみで構成されている篝火という組織の中でコンテンツが作られた過程は、記録に残した方が良いと思ったので記事にします。

選手インタビュー単品の動画はこちら。DAY2のEGS配信開始直後にも同じ内容の映像を流してもらいました。


企画の起こり

前回の『篝火#5』で、美術系のスタッフとして初めてオフ大会に参加しました。大会の雰囲気や流れを少し理解できたところで、「次回は優勝インタビュー以外でも選手の声を載せる場を作りたい」と思い、インタビュー番組の企画を立ち上げることになりました。
番組に関して、多くのスタッフからの積極的な意見や協力をいただけましたが、ディレクションについては一任させてもらう形になりました。スタッフとしての歴が浅く、実写番組の制作経験も無いにもかかわらず大きな企画を自由にやらせてもらい、組織の懐の深さを強く感じました。本当にありがとうございます!

選手の試合外の様子を伝えるという事に対して、以前から関心を持っていたスタッフ自体は少なくなかったようです。しかしこれをどう形にして公開するか…というところまで考えると非常にタフな企画になります。
私が得意なのはデザインや映像制作だけなので、機材の用意、大会進行や配信とのスケジュール調整、他スタッフや選手とのコミュニケーション等々、自分一人では実行や決定が困難なタスクがたくさんありました。

コンセプトイメージ

選手インタビュービジュアル資料

選手インタビュー流れ資料

この企画に興味があるスタッフに対して、まだ自分の頭の中にしか存在していない「篝火公式のインタビューコンテンツ」を共有するために、「どういうものを作ろうとしているのか」「どういう流れで作るのか」を画像にまとめてミーティング資料として用意しました。
資料を用意している段階では、まだどこまで自分の裁量で決めていいかわからずにイメージがあやふやだった部分もあったのですが、「なんかみんな私がどうしたいかをかなり尊重してくれるっぽいなあ」と感じたので、ここで貰った意見を参考にしつつ完成形にほぼ近いイメージを作りました。

「今回初めてスマブラの大会を観る人にも楽しんでもらいたい」というのが最初から決めていたコンセプトだったので、そこを元にインタビュー対象選手を決め直したり、自分で用意できる素材等については全て制作しました。

・撮影の段取り
・オープニング映像
・テロップのテンプレート
・Twitter告知 等々…

また、以下については他のスタッフにお願いしました。

・撮影場所に関して、大会進行や音響、絵的な観点からのアドバイス
・機材の選定や準備
・当日の選手への案内

自分一人でタスク持ちすぎで危なっかしいんですが、作る物もディレクションという仕事も自分にとっては初めて尽くしだったので、「作りたい物についてわかっている自分が全部やった方が却って楽」だと思ってやりました。
「次回以降も同じことが出来るのか?」という篝火のブランディングに関わる懸念もあったのですが、篝火#6は開催日のおかげでお正月スペシャルという文脈が使えると思い、今回は継続性を度外視して多少無茶しました。
ただ今回の経験があれば、今後引き続き実現するにはどの部分がネックで、どの部分は分業出来そうか等を探ることが出来ると思います。

事前の素材制作

テロップは、Adobe After Effectsでデザインと動きを作り、テンプレート化しました。作成したテンプレートをAdobe Premiere Proで呼び出して使用します。
2つのソフトについて簡単に紹介すると、After Effectsはどんな映像でも作れるソフトで、一方のPremiere Proは番組や映画などの編集に特化したソフトです。
当日はPremiere Proだけで編集が完結するように素材を用意しました。

【スペシャルサンクス】
After Effectsにはエクスプレッションというプログラミング言語があり、今回テロップの挙動の一部をエクスプレッションで制御しているのですが、私が絶望的に算数が出来ず中学レベルの計算がわからなかったので代わりに身内のDiscordサーバーに問題文貼って解いてもらってました。
れおあつさん。あの時解いてくれた数式、上位プレイヤーたちのテロップになって元気に動いてますよ。

オープニング映像はAfterEffectsで制作しました。
「今から篝火のコンテンツが始まるけど、試合が始まるわけじゃないよ」という雰囲気を伝えるためのものです。
裏テーマは「スマブラのIPを使わない」です。ゲーム画面やスマッシュボールのモチーフ、ファイターのイラストやモチーフ等を使わずに表現してみようという試みでした。(GCコンはいいの?)
Nintendo Directっぽい雰囲気を意識して作ったら、意図を汲み取ってくれた配信スタッフのみなさんがすごく良い導入で動画を流してくれました。配信のコメントでも伝わった方が結構いたみたいで、良いオマージュになったと思います。

当日の撮影

DAY1当日、電源が取れて会場内を映せる位置に三脚カメラを設置してもらいました。背景が動かない場所で撮影することも可能だったのですが、会場の様子を一緒に映したいという私のわがままを通しました。
結果的に何人かピントの合わない選手が出てきてしまったのは今後の課題になりましたが、個人的にはそれでも今回この構図で撮って良かったと思っています。

てぬへさん・進行スタッフの方々から、選手へインタビューに協力してもらうよう伝えていただき、実際の撮影は私と「やっぱりみるくてぃー」さんで回しました。
質問内容を読みやすく印刷した紙にまとめ、基本的にはそちらを見てもらいつつ、補助的に流れを説明するというのがインタビュアーの役割でした。私が喉の体力に不安があったので、インタビュアーとカメラマンをみるくてぃーさんと交代しながら進めました。
みるくてぃーさんは映像系に強い方で、私のアシスタントとして参加してもらったのですが、非常に頼りになって助かりました!

また、インタビューに応じてくださった選手が全員協力的で、おかげさまで予定していた選手全員を番組に収めることが出来たのは凄いことだと思っています。DAY1の試合終了直後でお疲れの中、本当にありがとうございました!

動画編集

撮影した34人分のデータを、翌日のベストなタイミングで出すために、撮影が完了してすぐにデータをPCに取り込み、ホテルに持ち帰って編集作業を開始しました。
「インタビュー自体の雰囲気を伝えるためにこの選手を最初に映そう」、「この選手の後にあの選手を出すことで文脈を感じ取ってもらおう」、「この選手はあえて尺を長く取ろう」等といったことを考えながらカット編集し、テロップをつけて、音声のノイズを除去したりなどします。
深夜2時過ぎに大会運営のDiscordに完成版動画をアップロードして、再生チェックは早起きした人たちに任せて寝ました。

篝火#6での私の仕事はこれで終了です。DAY2はVIP気分でのんびり会場入りして配信席で優雅に観戦して過ごしてました。試合内容や演出もすごく良かったですが、私がデザインした新スコアボードもなかなか良かったですね~アニメーションが超いいです。

今後のこと

事前準備から当日まですごく大変だったので、今回限りでもう二度とやらん!!と思っていたのですが、「またやって欲しい!」という声が届いているので、自分の負担が減る形が見つかったらまた出来るのかなあと思っています。インタビューをやりたい!という人がこれから篝火のスタッフに入ってきてくれてもすごくいいと思います。今回こうして一度形になったものなので、実現難易度は下がっているはずです。
私自身はまだ次回の篝火で何をやりたいか等は全く考えてません。今はやりきった気持ちでいっぱいですが、どうせモノ作りの人間なのでそのうち無茶を言い出すに決まってます。「インタビューをパワーアップさせます!」とか言ってるかもしれません。


おまけ

篝火5ファンアート

記事の見出し画像は篝火#5終了後に描いた大会ファンアートでした。今回も何か描けたらいいなあ。

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