見出し画像

僕がダイニーを創った理由

(懐かしいアルバイト時代の写真が出てきたので執筆しました 笑)

はじめまして、飲食業界向けモバイルオーダー POS を作っている、ダイニーの山田真央です。
尊敬する堀井さん及びフリルチームに惜しみない敬意と愛を込めて、こちらの記事からタイトルをオマージュさせていただきました。

ダイニーはモバイルオーダー向けPOSシステムを中心とした数多くのプロダクトを提供し、楽しくおもしろい飲食体験の実現のため日々努力を続けています。

私たちの作り出す飲食体験は、お客様・従業員の双方にとって使いやすいシステムの上で、お客様と従業員とが今まで以上に良好な関係性を築くことによって生まれる “最高のおもてなし” です。
ダイニー: https://www.dinii.jp/

大学在学中に友人とともに起業し、まともな社会人経験もないまま業界に飛び込んだ自分がここまでやって来られたのは、自分たちだけの力ではありません。右も左も分からなかった自分たちに、温かい声をかけて、支え続けてくれた飲食業界の人たちのお陰だと心から思っています。
支え続けてくれている飲食業界の皆さんの役に少しでも立ちたいというのが、今の私にとって最大のモチベーションです。

しかしそんな飲食業界はここ10~15年もの間、非常に苦しい立場に置かれています。
飲食業界の最大の悩みと言えば、まず人手不足が挙げられるでしょう。
私自身、いくつもの飲食店でアルバイトをした経験から身をもって知っていますが、飲食店の従業員の仕事はとてもハードなものです。
結果として経営自体は黒字でも、従業員が集まらないがゆえに閉店を余儀なくされるというのも決して珍しいことではありません。

そして近年、それに輪をかけて飲食業界を苦しめているのが新型コロナウィルスです。
緊急事態宣言など “自粛” の潮流による営業時間短縮、サービスや提供品目の縮小はもちろん、主たる感染拡大の原因として飲食店が挙げられ、特にアルコール類の提供に関しては明確に “社会悪” の烙印を押されているような状況です。

今でこそ、そのレッテル自体は薄まったものの、依然として「感染源だから飲食店は行かない」と豪語している方もいらっしゃいます。

しかしそんな中、少しでも今まで通り「食事の楽しみ」を提供しようと頭を悩ませ、創意工夫をしながら、お客様を笑顔にしていく飲食業界の方々には本当に頭が下がります。

そのような飲食店やお客様の飲食体験を支えるべく、インフラとなるサービスを作っているのが我々ダイニーです。
よく「モバイルオーダーを作っています」と言うと、お客様の使うスマホ側のアプリケーションのみを作っていると勘違いされてしまいますが、実情は違います。
ダイニーが作っているのは、「飲食店とお客様のコミュニケーションに必要なすべてのソフトウェア」であり、「モバイルオーダー」という在り方から逆算した外食産業に必要なシステムの全体です。
そのためには、レジやハンディも開発しますし、ひいては外食産業のバリューチェーン全体をダイニーのソフトウェアでアップデートしていきます。
そのことが、単純な店舗経営の効率化のみならず、「楽しくおもしろい飲食体験」を創ることに繋がっていると、敢えて言い切りたいと思います。

「楽しくおもしろい飲食体験の創造」に興味のある方は、ぜひ私とお茶・ご飯しましょう。もちろん御馳走します。人と人とを繋ぐ最高の架け橋だと私の確信する「飲食体験」を共有してもらえれば嬉しいです。



さて、私が今回この記事を書こうと思い立ったのは、上記のような飲食店の抱える課題と、我々の提供する「次の50年のインフラ」についてここに一度まとめ、知ってもらうことに大きな意義があると考えたからです。

記事を読んでくれた人の中に「一緒に働きたい!」と思ってくれる方、そうでなくても「飲食はこんな風に変わって行けるのか!」と可能性を見出してくれる方が一人でもいらっしゃれば幸いです。


1) 「腹を満たす」だけではない、飲食業の持つ意味と価値

はじめに、飲食業というものがどのような価値を持っているのかについて、一度確認しておきましょう。
これは私の考える「次の50年のインフラ」というビジョンの根底を成すものです。
本題からやや遠いように感じるかもしれませんが、お付き合い頂ければ幸いです(もちろん読み飛ばしていただいても構いません!)。

○ 食卓の始まり

飲食の起源はどこでしょうか?
というのは、愚問にも程があるかもしれません。考えるまでもなく文化の初め、いやそれに先立ち、文化が成立する以前から、飲み食いという行為は生命にとって不可欠な存在でした。
そしてそれは一度も途切れることもなく、人類の長い歴史に常に寄り添ってきています。
しかし、もう一つ重要な事実が存在します。
人間にとっての食事とは、常に人々に “囲まれて” 存在していたということです。

人間を他の動物と分つ大きな要素のひとつが、火を扱うことができるという点です。
この能力により、人間は夜闇の中でも活動可能となり、厳しい冬にも暖を取ることができただけでなく、飲食可能な対象を一気に広げて生存可能性を飛躍的に向上させました。
食べ物と火があれば、必然的に料理が生まれます。

旧石器時代の遺跡からは既に、調理に使用したという焼けた石が見つかっており、狩猟により得た肉を料理して食べていたことが伺えるという。
集団生活を行う中、男性は狩猟に出かけ、女性は子育てや採集に勤しんでいました。
日中は分業を行う彼らの持ち寄った「食材」が結びつき、老若男女 “みんな” で囲む場所に食卓が存在したのです。

旧石器時代の昔から、集団のコミュニケーションの核に食事はその地位を占めていました。
その事実は、時代や土地によって様々に性質を変えながらも、現代に至るまで変わっていません。


○ "外食" という新たな食卓

「食事は家族全員が揃ってから」というルールのある家庭で育った人も少なくはないかと思います。
あるいは「食事中にテレビに夢中になるな」という厳格な両親に育てられたという人もいるかもしれません。
(私もご多分に漏れず、幼少期から厳しい両親のもとこの教えを徹底して育てられてきました 笑)

それらは全て、同じ食事を “囲む” という行為に、家族という集団の密なコミュニケーション、あるいは信頼関係のよすがを託しているからに他ならないのです。
ライフスタイルの変化に伴い飲食の形態も急激に変化し、そのような厳格な家庭は減少しているのかもしれませんが、その代わりに新しい形でのコミュニケーションの核を、飲食は担い始めています。
それが外食という形です。

例えば、誰か初対面の人と仲良くなりたいと思ったとき、多くの人は食事に誘うことから始めるのではないでしょうか。
「ご飯行こうよ」「飲みに行こうよ」という言葉は現代において、「あなたと親睦を深めたいです」という言葉のパラフレーズだと言っても良いはずです。

意中の異性と仲良くなるため、食の好みを探り、素敵なレストランを探し出した、というイベントも、多くの人が経験していることかと思います。
組織に新しい人が入ったとき、新たな組織の発足時、歓迎会や親睦会として食事を共にすることが、新たな組織の結束を固めるために重要な役割を果たすことは言うまでもありません。

「同じ場所に赴き、ともに食事を行う」という行為は、コミュニケーションの端緒として最も手軽で、且つ最高の選択肢であると言っても過言ではないのです。

○ 人と人とが出会う場所として

飲食店での出会いが、見ず知らずの人間同士の思わぬ架け橋となることもあります。
私には学生時代、大学を休学して単身世界一周をしていた時期があるのですが、この目で世界を見て、見分を深めたいと日本を飛び出した私が出会うのは、当然ながら知り合いなど一人もいない圧倒的に孤独な旅行者としての経験でした。
そんなとき、多くの人との出会いをくれたのが現地の飲食店でした。

中でも記憶に残っているのはドイツのクナイペでの出会いです。
ドイツの街にあるクナイペはドイツビールを飲むための場所で、様々な料理が出る訳ではなく、つまみと言えばソーセージとジャガイモのサラダ(ポテトサラダとは少し違う)でした。
店内は地元の人々で和気あいあいとし、テレビではブンデスリーガの試合をやっていました。
前半が終わって 2対0 の試合で、地元ケルンが優位に試合を進めていたのを鮮明に覚えています。

カウンター越しに店主らしきドイツ人に「日本から来たのか?」と訊ねられ、すぐさま話題はサッカーへ。
気が付けば FC ケルンを応援する客に混じり私まで声を上げて応援し、ケルンの勝利に祝杯を挙げていました。
いつの間にか旧知の仲であるかのように打ち解けてしまった私が、単身で世界を回っていると知るやいなや、常連の一人が家にまで招待してくれました。

それからのドイツ滞在中、彼には本当にお世話になり、この出会いがなければ出来なかった経験も数多くしました。
あのクナイペのドアを開き、一杯のビールとソーセージを注文しなければ得られなかったご縁です。
同じ物を食べ、同じ時を過ごすことを通して、人と人との距離は不思議な程に縮まっていくことを身をもって感じた瞬間でした。


○ 外食と人生の1ページ

外食は、コミュニケーションのきっかけとしてだけではなく、日常の中でも重要な役割を果たします。
幼い頃、両親に連れられて行ったデパートのレストラン。
部活帰りに友達と長居したファストフード店。
サークルの飲み会でよく使った居心地の良い居酒屋。
飲んだ帰りに連れ立って入ったラーメン屋。
恋人と初めてデートをしたレストラン。
少し振り返ってみるだけで、誰だって思い出の店が次々と思い起こされるはずです。
そこで何を食べたのか、どんな内容の話をしたのか、細かいことはもう思い出せなくなっているかもしれないけれど、それでも、楽しかったという記憶やそこで共に過ごした時間の温かさは、あなた自身の人生に、そして共に過ごした誰かとの関係性の中に、たしかに息づいていることでしょう。

心理学に「プルースト効果」というものがあります。
フランスの作家、マルセル・プルーストの大長編『失われた時を求めて』に登場するあるシーンにちなんで名づけられたこの現象は、特定の香りが人間の記憶と非常に強く結びつき、香りがトリガーとなってそれらが思い出されるというものです。
『失われた時を求めて』の主人公が、作中、菩提樹の葉のハーブティーにマドレーヌを浸して食べると、幼少期の家族との記憶が鮮明に、泉のようにあふれ出す。
幻想的で見事な筆致により描き出されるこのシーンは、“記憶” の重要なテーマとする名作の白眉と言っても過言ではありません。
彼が口にした「お茶に浸したマドレーヌ」は、幼少期に祖母が振る舞ってくれたものでした。

あるお店に入ったとき、ある料理を目の前にしたとき、かつて時間を共にした誰かとの記憶がふと蘇った経験はありませんか?
飲食店で誰かと共に過ごす時間というのは、私たちの意識している以上に、記憶と感情の深いところに大切に仕舞われることになるのでしょう。
飲食店が提供するのは食べ物だけではありません。
そんな大切な時間を生み出す舞台のひとつひとつを、飲食店は世界中に提供していると言えますね。

○ 空間を作り出す飲食店

飲食店が提供しているものは他にもあります。
それは、街の明るさです。
栄えている街には必ず飲食店があります。
飲食店があるから、人々が行き交い街が栄える。
飲食店の灯した明かりは、夜の暗さの中にあって人々に安心感と活気を与える。
暗い夜道を歩いて駅に向かうとき、駅前の飲食店の明かりの中に踏み入れてホッと安心した経験はないでしょうか。
あるいは繁華街の煌々と照らされる華やかな光に、不思議と元気が湧いて来たという経験はないでしょうか。
飲食店は人々の寄る辺として、そこに存在するだけで街を作り、空間を作り出しているのです。

コロナ禍の緊急事態宣言に際して、多くの飲食店が短縮営業、あるいは休業の決断をしました。
実際に多くの店の灯りが消えた渋谷の街を歩いたとき、私は純粋に「寂しい」と感じました。
夏なのに、薄ら寒くさえ感じました。
もしかすると自分は一生入ることのなかったかもしれない店たちの灯りを、自分がそんなにも頼もしく思っていたのだと、このとき、初めて気づいたのです。
どうかこの通りに再び光が戻りますようにと、願わずにはいられませんでした。

このように見ていったとき、飲食という行為や、街中にそれを提供する飲食店の存在というものは、思いがけないほどに人間の文化に、ひとりひとりの人生の中に、そして街という空間の中に大きな意義と価値を持っている、というのが私の考えです。
これだけの役割を担い、私たちの生活を根底で支え、彩る飲食業は、空腹を満たすという意味を超えた重要なインフラと呼ぶべきもののひとつであると、私は確信しています。

○ エンターテイナー・アーティストとしての従業員

飲食業について、もうひとつだけ触れておきたい要素があります。
それは従業員の存在についてです。
どんな飲食店も、従業員がいなければ回らない。当然のことですね。
しかしそれだけではありません。
飲食店を支えている従業員は、常に様々な業務をこなしながら、目の前のお客さんがどうすれば喜んでくれるのか、そこで過ごす時間をどれだけ素敵なものにすることができるのか、そのことに心を砕き続けているのです。
店員さんの笑顔やちょっとした一言が、食事の場に温かい空気を与えてくれた経験はありませんか?
さりげない食器や調味料の配置、配膳の際に交わされる会話のひとつひとつにまで、従業員は細心の注意を払い、真心を傾ける。
普段はあまり気にしていないかもしれないけれど、少しそのことに意識を向ければ、今自分の楽しんでいるこの時間が彼らの気遣いによって初めて成立しているということに気づくのも難しくないでしょう。
人と人とが豊かな時間を過ごす “空間” を作り出す彼らを、私はある種のエンターテイナーであり、アーティストであると考えています
なぜならば、私たちが飲食店で食事をするとき、食事と共に彼らが織りなすエンターテイメントを享受しているに違いないのだから。



以上が、私の外食産業に対する認識です。
これらの意義や価値を提供してくれる外食産業に、私は大きな敬意を抱いています。
しかし冒頭で述べたように、その外食産業は大きな課題を抱えているというのも事実です。
その課題がどのようなものであるのか、そして我々がいかにしてそれを解消しようと考えているのかについて、簡単にまとめさせてくだい。

2) 飲食業の抱える課題

○ 深刻な人手不足

まず、飲食店の抱える課題として、冒頭でも述べた人手不足というものがあります。
しかし、この課題は、大きく分けて2つの問題に起因しています。
まずは、飲食店における従業員の負担があまりにも大きいということです。
前項で述べたように、私は飲食店の従業員をエンターティナーでありアーティストであると考えています。
しかしながら、実際のところ、彼らがそれらの創造的業務に集中するにはこなすべき仕事があまりにも多すぎるのです。
飲食業界で働いている人でなくともアルバイトをした経験がある方はご存知の通り、次々と人が押し寄せるランチタイムや、注文の飛び交う飲み会の最中では、店内はさながら戦場です。
続々と訪れるお客様を席へと案内し、大量の注文を取り、配膳を行い、空いた食器があれば下げ、会計を行い、お客様のいないテーブルの片付けを行う……。
料理やドリンクがこぼれたりグラスが割れたりというトラブルがあれば素早く対処する必要もある。
お客様として食事をして帰るだけだと意識しないような、小さなおもてなしのひとつひとつを、目まぐるしい勢いで、彼らは提供しているのです。
そしてもうひとつの問題は、それだけの業務をこなしているにもかかわらず、従業員への報酬も、社会的な評価も十分ではないということです。
中には「お客様は神様」の精神から、従業員を不当に扱う "客" までいます。
激務をこなした上、更に “お客様のため” と心を砕く彼らにとって、それらの待遇ははっきり言って「釣り合っていない」と言えるでしょう。

○ システムの分断・取りこぼされる "お客様の顔"

もうひとつの課題は、飲食店の利用している様々なシステムの中にあります。
飲食店は経営のため、様々なシステムを利用しているのですが、その代表的なものが POS システムです。
※ Point of Sales の略称。いわゆる「レジ」や「注文受け付けシステム」です。

1970年代から2020年代までの約50年間、POS システムは飲食業のインフラであり続けています。
しかしシステムはそれだけではなく、POS システムを中心として、売上管理・顧客管理・会計管理・予約管理・勤怠管理・販促等、ありとあらゆるシステムが組み合わさって店舗の経営を下支えしています。

上の図の通り、ものすごい数のシステムが組み合わされているのが飲食店のインフラ状況です


そしてそれらの様々なシステムは、それぞれに分断されてしまっています。
外食向け IT プレイヤーが多すぎることでシステムの基礎がバラバラになってしまい、連携もできなければフォーマットも食い違い、全体としての効率を大きく下げてしまっています。
しかも、それらのシステムそれぞれが高いコストとして経営にのしかかってくる。
ひとつひとつの負担はそれなりでも、合算すると負担としてかなりしんどいものになっているというのが現状です
これらの連携に問題のあるシステムの運用と、それにかかるコストによる経営の圧迫は、課題の一つ目である人手不足の問題とももちろん無関係ではありません。

更に言うならば、これまでの飲食業で採用されてきた POS システムそれ自体にも、一つ大きな問題がありました。
それは「いつ・何を・どれだけ」という基本的なデータを収集することはできている一方で、飲食業において最も大事な「お客様」の顔がそこから抜け落ちてしまっていたということです。
飲食業は食品を提供するのみならず、そこでの経験・空間を提供しているのだということは先に述べました。
そのとき、具体的にどのようなお客様が、その場でどのような体験をしたのか、ということは、従来の POS システムに取りこぼされている要素でありながら、実は飲食業にとって最も重視するべき要素のひとつであったと言うべきででしょう。

上記の課題というのは、飲食業が様々な面で努力し、長い歴史を積み重ねてきたことのいわば証とも言えるものではあるのかもしれません。
一方で、段階的な進歩が全体を構成する各要素同士の間に不整合を生み出し、結果として飲食業の立場を苦しいものにしてしまっているという皮肉な状況は、真正面から受け止めるべき厳しい現実でしょう。
私は、この状況を何とかしたいと考えています。

人生で一度も飲食店に行ったことがない、という人を探す方が難しいでしょう。
難しい課題と格闘しつつ、コロナ禍では悪とさえ扱われてしまうような状況にあって、あまねく人々に豊かな価値を提供し続けている飲食店はもっと輝いてしかるべきだと思うのです。
だからこそ、私たちはプロダクトを提供しています。
太古の昔より人間の文化の背骨であり、街のインフラであり、私たちの日常の最たるエンタメであり続けている “飲食” に、それを担う飲食業に新たな光をもたらすというのが私のビジョンなのです

3) ダイニーは何をするのか

ダイニーが提供するものとして、「次の50年のインフラ」という言葉を先に述べました。
その詳細について、現状の課題を踏まえた上で提示します。
それは「システム間の分断の解消」と「お客様の体験の最大化」です。

○ ゼロベースから最適なシステムを

まず「システム間の分断の解消」ですが、現状 POS システムを中心にそれぞれに独立してしまっているシステムの全体を、ダイニーはゼロベースで再構築し、提供します。
現在のダイニーでは、細かく分けると10以上となるプロダクトを用意しており、店舗の運営から販促に至るまで、あらゆる業務に対応するシステムが用意されています。
しかもそれらは全て「モバイルオーダー」という在り方から逆算的にデザインされたものであり、もちろん相互の連携もスムーズに行われる。
これにより、各システムが分断されていることで膨れ上がってしまっているコストを、運用及びコストの両面において解消することが可能となります。

○ 歴史上初めて見える "お客様の顔"

更にダイニーでは、Web ベースのアプリケーションをお客様に提供することで利用のハードルを下げると同時に、POS システムをお客様の “顔” が見えるシステムとして飲食業に特化させています。
どのようなお客様がどのように利用してくださったのか、またそのお客様は他にどのようなサービスを利用しているのか……、それらの情報が織り込まれることで、POS システムはお客様との距離感をぐっと縮めることを可能とします。

例えば、従来では全てのお客様に一律で配布していたクーポンひとつを取ってみても、 “顔” が見えることによって、その効果は大きく変わります。
ビールが飲めなくて使えない「ビール1杯無料」クーポンや、夜にしかお店に行けなくて使えない「ランチ割引」クーポンなど、持て余してしまって残念な気持ちになったことはないでしょうか。
そのような “残念” を取り払うことで、クーポンの価値はお客様にとって最大化されるのです。

ダイニーでは “お客様の顔” を見据えることで、一番嬉しいクーポンを用意したり、新商品やキャンペーンの方向性を決める材料にしたりと、「本当に喜んでもらえる施策」への最短距離を見つけだすことを可能にしています。

○ "削減" ではなく "おもてなしの最大化"

重要なのはそれだけではありません。
ダイニーによる業務システムの効率化は、コストの削減ではなくサービスの最大化の方向を向いています。
これまで分断されたシステムや、煩雑な業務に圧迫されていた従業員の労働力が、人間の手でなくても進行可能な業務から解放されることで、よりお客様のおもてなしへと振り分けられることが可能となります。
従業員が全力でお客様をおもてなしできる環境作りというのが、ダイニーの持つ最大の意味なのです。
もちろんそのとき、お客様の “顔” がしっかり見えているという状況もまた重要になってきます。
人と人が繋がるということが、おもてなしの最大の要件であるからです。
初めてのお客様は一瞬でその店のことが好きになり、二度、三度通えば通うほど素敵な体験が積み上げられていく。
何度でも足を運びたくなるような、そんな飲食体験をテクノロジーの力を使って作り上げる。
それがダイニーの作り出す「次の50年のインフラ」です。

○ 従業員がより創造的に、より輝ける世界に

またダイニーの目指しているものは、飲食業及び飲食店従業員の社会的な評価の向上でもあります。
上記の効率化によって、従業員は今までにも増して、エンターテイナー・アーティストとしての創造的な価値を発揮することができるようになります。
これがコストの削減ではなく、サービスの最大化であるということの最大の意味なのです。
各スタッフが今より輝き、それにより十分な報酬もまた受け取ることができるようになる。
50年後の外食産業従事者は「なりたい職業」の筆頭として挙げられ、平均年収は2020年の2倍になっている。
この世界を絶対に作る。
飲食店はファンで溢れ、ビジネス的にも楽しく、スタッフのやりがいにも満ち満ちている、そんな面白い世界を必ず作り出す。
そのために、お客様と飲食店とのもう一本のご縁を、オンラインで繋ぐのが私たちの役割です。
※より密なコミュニケーションを目指した「投げ銭」制度の導入などの取り組みもその一環ですが、長くなってそれについてはまた次回以降へと回させてください

4) 終わりに。

日常非日常を問わず、私たちの文化的な生活を支えているものとして、飲食、そして外食産業は本当に重要なものです。
私自身が飲食業に支えられてここまで来たという感謝と共に、その途方もない役割の大きさには、人類の一人として最大の敬意を示したく思います。
だからこそ、私は人生を賭して外食産業にフルコミットする覚悟なのです。

ダイニーは外食産業の今後50年のインフラを担うプロダクトです。
飲食店のみならず、来店するお客様の外食文化を支える極めて重要な役割を担っています。
友人と楽しく会話したり、恋人とドキドキする時間を過ごしたり、家族と心温まる団らんをしたり、取引先とタフな交渉をしたり……。
私たちが生まれてから今日まで、人びとの生活や文化を支えてきた尊い空間が “外食” には存在します。
そんな外食産業を、ぜひ一緒に楽しく面白いものにしていきましょう!
興味のある方は、ぜひジョインを!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?