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Aile The Shota Oneman Tour 2024 "odorimasenka" 感想


7月28日のなんばHatchでの公演に行ったので感想を。

※曲名等のネタバレを含みます。記憶が朧気なので曲順とか違うかもです。
※レポというよりあくまで感想です。
私の心に沿った受け取り方をしているので、諸々ご了承ください。(今回は特に。)



身近な人を除いて、私の感情を言葉や音楽で掬いあげてくれる精神安定剤のような存在が2人いる。
そのうちの1人がAile The Shotaだ。

私はたぶん、人より感情に鈍感なのだと思う。
心と思考が繋がっていない感覚。"本当の気持ち"と言えば大袈裟かもしれないが頭で思った感情が、心から来るものなのかが分からない。

ここ数日、分かっていながら救わなかった心は、この日も例に漏れず、不安定な情緒を理性で俯瞰するのは慣れたもので、メンタルバグってんなと他人事のように放り投げてしまえるくらいには病んでいた。

だから、救われるために行った。
Aile The Shotaの音楽はいつだって心に寄り添ってくれる。
そう信じている。

このnoteにどこまで私の心情を曝け出すのか少し悩んでいる。嘘はつきたくないけども本当を全部出すことが正しいとも思えない。
だけど。出してみたいと思う、できる限り丁寧に。

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開演1時間前。1人でライブハウスに行く時のこの1時間は少し苦手だ。独りぼっちで独りぼっちじゃない空間。わくわく100%の空気が作り上げられる会場で期待と怖さを半分ずつ持つ私は場違いに感じられた。


アナウンスが流れる、HIRORONさんが現れ、会場の空気が一段階上がった気がした。
音楽が変わる。

シルエットが映し出された。空間を纏って時間を切り取った時のATSのかっこ良さは一瞬とは思えないほどに魅了される。
音楽を鳴らさずともAile The Shotaという存在がこの空間を作っていた。

「IMA」から始まったATSのライブは、曲の通りハイスピードに、決して誰も置いていかないように丁寧に、受け取った音楽に高揚しているのか、高揚している空気に高揚しているのか分からなくなるくらいの熱気で溢れていた。


続けて「Pandora」のイントロが鳴る。続けて披露された「Villains」もそうだけれど、この2曲は何も考えずに音だけを感じていれば、楽しいが連続するのが好きだ。冷静でいたい自分を見ないふりして狂いたい心を前に出す。
ATSのダンスがそれを後押ししてくれる。分かりやすくぶち上がる特大ジャンプやハイレベルな技術は音がそのまま目に見えるような、音と一体になったようで"音を楽しむ"を可視化していた。

「DEEP」、「Bubble」、「常懐」、「hungover」。私が思うATSっぽい曲たち。音に包まれているような没入感で思考だけは止まらないでいる。そんなちぐはぐさがもどかしい。
「Bubble」と「hungover」はライブで聴くのは初めてだったけど、何回も浴びているような安心感があって、「hungover」のダンスがものすごかった。
だけど思い返すと何故か「常懐」の方が頭に残っていたりする。

「Eve」、「Trash Box」、「gomenne」、「Epilogue」。こういう曲を聴くために来たところはあったから意外な選曲だったけど嬉しかった。特に「Trash Box」のATSパートがすごく好きだ。EZAKIさんのパートももちろん大好きだけど私にはATSの歌詞が心情に合っている。
救われたかった私は目を見るのに必死だったけれど彼は目を伏せて合わせてはくれなかった。
優しい曲を聴くと、どんどん我儘が溢れていく。目を合わせて欲しいとか笑いかけて欲しいとか私だけのために歌って欲しいとか。
だけど、とりあえずは救われていることが伝わっていればいいかと思う。
"LoveYourself"はまだ私には難しいから、せめて彼が作った誰かを救う歌で私は彼を救ってあげたい。

「new blood」と「NEBULA」は特にだと思うけど『omen』のATSがATSとして生きていくこと、やるべきことの覚悟みたいなものが歌詞や空気から感じられる。幻想的な美しさもありつつ、やっぱりATSはかっこいい、とても。

そして、ここにきての「DAWN」。分かりやすく乗れる上に、音楽に合わせて勝手に体を動かしてたら確実にそれが正解になる。みんなで楽しいを作っているのを感じる。


「Yumeiro」前の反射神経コーレポ、SKY-HIのDouble Downで鍛えられてるやつで既視感だった。ここまでももっと激しい曲とかもっと優しい曲とか色々あったけど、この曲のコーレポしてる時に初めて楽しんでる自分を見つけた気がした。多分ここまでもちゃんと楽しかったから、その積み重ねのおかげだと思う。


ゲストパート。「so so good」でMa-Nuさん、「FANCITY」、「AURORA TOKIO」でKenTさん。
「so so good」はファンとの掛け合いもできるけれど、やっぱりMa-Nuさんとのその場のパッションで変わったりする掛け合いを楽しんでる2人が好きだ。
「FANCITY」と「AURORA TOKIO」のKenTさんのサックス。生の楽器の音からしか得られない落ち着いた興奮が心地いい。なによりかっこよすぎる。
ATSの歌声とKenTさんのサックスと一緒に歌える贅沢すぎる時間だった。

最後の曲「odorimasenka」 。
ダンスをもっと日常に。
ATSが目指すpopsを音楽で体感してみて、言葉だけでは理解しきれてなかった作りたいものが少しわかった気がした。音楽が好きな人は1度は行ってみるべきだと思う。
ものすごく無責任なことを言うけれど、ATSの音楽がメジャーになればもっと世界に幸せが増えるのにと本気で思った。



暗転。拍手が手拍子に変わり、"ATS"コールが響く。突如前方から"踊りませんか"コールが始まる。

私はこういったアーティスト本人が是と思っているか不明であるノリは苦手だ。悪ノリとまでいかなくても、例えば暗転で名前を呼ぶとかそういうのも。
もやもやしたまま波が広がっていくのを聞く。止められはしなくても乗らないことはできるからアンコールの希望は伝えたいため手拍子はする。

「Thrilling Moves」のイントロ。アンコールに応えて登場したAile The Shotaの『踊りませんか、じゃねーよ』は申し訳ないと思いつつ笑ってしまった。
会場の空気も緩んだ気がした。疾走感もある曲だけれどゆったりした気持ちでいられた。


曲後のMCで伝えてくれた、『ATSまでは良かったのに。もっと色んなアーティスト見て勉強した方がいい。センス磨いて。』というオブラートに包まないはっきりとした意思に安心する。こうやって嫌なことは嫌だとはっきり言ってくれるから心地いい。失望ではなく若干の窺いと信頼が見えたのもとても。

「J-POPSTAR」。私にとってはATSは紛れもなくJ-POPSTARではあるけれど、この曲を初めて彼を知る人が聴いても説得力しかないと思える曲になる日がくるのが楽しみ。

グッズ紹介。今回のグッズ全部可愛くて、ATSとファン両方が欲しくなるデザインに拘ってくれたみたいで嬉しい。
シークレットの開封でシューレースが前のライブと被ったから、お客さんにプレゼントでぐるぐるスイングしたけれど思ったよりも飛んでなくて、こういうものなのかな、と思ったら本人も全然飛んでねぇじゃんって言ってたの笑った。


最後だからと、何か話すわけでもなく、一人一人に目を合わそうとしてくれるATSに名残惜しさが見える。同じ気持ちなのが嬉しい。


本当に最後の曲「LOVE」。
優しい歌詞にお別れを感じて少し寂しくなる。
寂しくなるけれど、また会える、必ず会いに行くと自然に思えたから大丈夫な気がした。


とても幸せだった。自分の心の動き全て感じられてはいないけど幸せだと思うこの気持ちは嘘じゃない。絶対に。
こんなこと言ったら彼は怒るかもしれないけれど、もっともっと音楽が欲しい。まだ全然足りない。
余韻なんて感じられないほど、終わってすぐなのにもう会いたいとこんなにも思ったのは初めてだった。

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