フレキシブルな飲食店になろう!!

 9月が終わろうとしてます。今日は京都料理組合が長年開催していただいている「魚鳥施餓鬼の法要」がきんかい金戒光明寺(通称黒谷さん)で執り行われます。私たち飲食店は魚や鳥などの生き物を殺生して、日々調理し、お客様にご奉仕しています。この機会に食材に使用している全ての生き物に感謝し、生産者に感謝していくことを一年に一度、あらためて思い起こす機会として、ありがたく法要に臨む予定です。

 さて、政府のコロナ関連事業としての「GO TO EAT」も10月から始まります。GO TO トラベルと共に、飲食店に対する事業なんですが、私の店ではどのようになるのかを予想してみました。

 例年、春の観光シーズンが終わり、私の店では9月までは観光客の売上は店全体の売上に対して少ない状況です。そのような体質ですから、9月まではなんとか前年7割程度でとどまっていましたが、10月11月は観光客の売上比率が50%程度になります。今のところ団体の予約は皆無ですので、観光客の売上が前年対比でどの程度になるのかが、不安です。

 例年、この観光シーズン(3月、4月、10月、11月)の月売上が全体の売上の6割になりますので、今年の観光シーズンの成績がこの決算期の売上に大きく影響するので心配してます。

 このような状況で心配していても仕方がないので、常に未来を見据えて、行動を継続していくことだと思い、日々色々と今できることをやってます。

 以前にも書いたのですが、飲食店は企画、マーケティング、原材料の買い付け、生産、販売という全てを一つの店でしているというマルチタレントのようなもので、その店のオーナーが和食店をしていても、フレンチもイタリアンも中華もなんでもお客様に提供できるわけですから、楽しいですよね。

 高級な和食店でも、リーズナブルな商品も提供できるし、逆に大衆食堂でも、ニッチな特別な高級商品を何らかの方法で提供することもできます。いずれも、商品の生産はできるのですが、マーケティングやプロモーションをどうしていいのかという不安をお持ちの飲食店が多いのかもしれないですが、今はインターネットでどのようなアプローチも自らできる時代です。どうぞ、それを恐れずに共にチャレンジしていきましょう。

 ただ、忘れてはいけないのは人の道だと思っています。なんでもやれば良いといって、インバウンドを悪用した商売では、今回のコロナ禍のような事態では生き抜いていけなく、社会的な責任を放棄して、いきなり店を閉店し従業員には何も知らされず困惑されている人も多いようですから、そんな「非人道的」な行為は絶対にさけなければいけませんね。

 何とか工夫をして、継続していける店をつくっていかなければいけないと私は思っています。「店はお客様のためにある」であり、常にお客様のニーズを探り、今までのこだわりを捨てて、このコロナ禍を生き抜いていきましょう。


よろしければ、サポートお願い申し上げます。小さな京料理屋ですが、日ごろ思っていることを、忌憚なく書いております。お店の運営のこと、商品のことなど、思う付くままに書いていることが、皆様にも共感していただければ幸いです