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何気なく思い付いた歌詞が何処となく民謡 みよこ節っぽいので『プチみよこ節』にしてみました


南部名物長芋ニンニクごんぼほり親父もかででやる

故郷の名物特産は長芋ニンニク。愚痴っぽい親父は「ごんぼほり」です。そうです。ゴボウも名高い特産物です。


みよこ来てけろ誘ってはみたがキノコおがるまで待ぢでやる

「みよこさんデートして下さい」と誘ってみたのですが、みよこは若者を斜めに指差して「あなたがもう少し立派になるまで待っています」。さて、若者は情けないやら悲しいやら。


お前ぇの器量だばおしろいっこ要らぬ十和田湖紅葉も色あせる

みよこさんは器量が良いからおしろいなんか付けなくても、あの十和田湖の紅葉までもが色あせてしまう程に美しいですよ。


村の男衆皆して声かけるかけぬお方は案山子だけ

村の若者たちはこぞってみよこさんに声をかけて誘います。何やらむっつりしたままで誘わない方。それは案山子でした。

盆にめらしっこ踊るはうれし腰にほたるの泊まる夜

村の娘さん達の盆踊り。踊る娘も、見ている若い男衆も楽しいもの。おやおや踊っている娘さんのお腰にほたるが止まっています。ほたるのように娘さんのお腰に「泊まる」のはどんな若者でしょう。


南部よいとこヤマセの夏ァこたつ出してもまだ寒い

東北の太平洋側では地域によっては天候条件の悪い年は満足に作物が育たないことがあります。だいたいいつもこんな年の夏はコタツに入っていても寒さで手がかじかむほどに寒い日が続くのです。


肥やしまがねば畑っこ痩せる痩せてよいのはオラのカガァ

良い収穫を得るためには、故郷の田や畑にはしっかり肥やしをまかなければなりません。田畑が痩せないように。そしてまた自分の奥さんにはいつもスマートでいて欲しい。という願いもこめて。


風っこ吹いてきた栗カッチャ落ぢる拾うめらしの躍る胸

秋の初めはイガグリが沢山落ちてきて美味しい栗拾いができます。娘さん達もみんなと一緒にイガの中から栗の実を木の枝でほじって出します。頑張るほど娘さんの豊かな胸元が見えてしまいます。若い男衆の幸せのひと時です。ハイ。


夏の晩げにはキツネっこだますみやげ饅頭が馬のくそ

昼間の暑さにくらべ涼しくなった夏の宵には、家の親父がとなり町の友人を馬車で訪ねます。帰りは明かりの無い夜道のせいでしょうか。親父たちは決まったようにキツネに化かされたと言って帰って来るのですが、はたして呑んだくれて一文なし手土産なしで帰る親父の奥さんへの言い訳(キツネの話)のようにも。子供だった私にはその真相は「闇の中」ということです。


一番汽車来たがとっちゃが乗ってねぇまたも帰らで泣き暮らす

東京五輪に向けて高度経済成長時代になり、親父たちは出稼ぎに行くようになりました。作付が始まる前にはほとんどの親父たちが沢山土産を抱えて帰って来ます。中には事情があって少し遅れて帰ってくる親父もいます。中には行ったきり戻って来ない親父もいました。都会の「めぎつね」にでも化かされたのでしょうか。待ちわびる奥さんの思いは…

自分流につくってみた「みよこ節」ですが、本家本元のみよ子節は今も隆々と歌い継がれていて、もちろん盆踊り唄としても親しまれています。これからもますます愛される「みよこ節」でありますよにと願いつつ。

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