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四則演算で分析してみた その9 株式分析~バッフェットはん、ほんまに儲けてはりまっか?「5大商社編」其の2~

前回の記事に引き続きバッフェット氏の購入した5大商社株について分析してみたい。

今回のテーマはバフェット氏が当初の狙い通りの結果を得られたのか?である。なぜこのような疑問を抱くに至ったかといえば、取得株数にバラツキがあるし、また、取得株数と株式の差額(現在株価-取得株価)や伸び率(現在株価÷取得株価)が一致していないように思えたからだ。

まずは簡単に復習しよう。

分析対象となる5大商社は次のとおりだ。
①三菱商事
②伊藤忠商事
③三井物産
④住友商事
⑤丸紅

次に5大商社それぞれについてバフェット氏が2020年8月31日に取得した株式数は次のとおり。EDINETの大量保有報告書から数字を拾っている。
①三菱商事   74,887,500株
②伊藤忠商事  79,509,400株
③三井物産   86,453,900株
④住友商事   63,121,100株
⑤丸紅     87,877,700株

取得株価と現在株価、差額、伸び率は次のとおり。
・取得株価(2020年8月31日高値)
 ①三菱商事   2,574円
 ②伊藤忠商事  2,783円
 ③三井物産   1,937円
 ④住友商事   1,408円
 ⑤丸紅        666円
・現在株価(2022年11月29日高値)
 ①三菱商事   4,625円
 ②伊藤忠商事  4,318円
 ③三井物産   3,993円
 ④住友商事   2,268円
 ⑤丸紅     1,553円
・差額
 ①三菱商事   2,051円
 ②伊藤忠商事  1,535円
 ③三井物産   2,056円
 ④住友商事      860円
 ⑤丸紅        887円
・伸び率
 ①三菱商事   180%
 ②伊藤忠商事  155%
 ③三井物産   206%
 ④住友商事   161%
 ⑤丸紅     233%

取得株数を多い順に並べつつ、伸び率、差額を右側に記載してみよう。カッコ内の数字は伸び率、差額のそれぞれの順位だ。
⑤丸紅     87,877,700株   233%(1)   887円(5) 
③三井物産   86,453,900株   206%(2)   2,056円(1)
②伊藤忠商事  79,509,400株   155%(5)   1,535円(3) 
①三菱商事   74,887,500株   180%(3)   2,051円(2) 
④住友商事   63,121,100株   161%(4)      860円(4)

どうだろう。
バフェット氏のポリシーがよくわからないが、仮に、
「安く仕入れて高く売り、その差額で最大の利益を上げることがゴール」
だとすると、差額を指標に成功しているかを見た方がよいのではないかと考えた。その結果は次のとおりだ。
⑤丸紅    ✕ 取得株数の多さに比較して差額が最も小さい
③三井物産  〇 差額と取得株数の割合がまぁまぁいい感じ 
②伊藤忠商事 △ 差額も取得株数の割合も同じ3位
①三菱商事  ✕ 差額の大きさに鑑みるともっと取得しておくべきだった
④住友商事  〇 差額と取得株数の割合がまぁまぁいい感じ

全ての5大商社が取得価格を下回っていない(=失敗していない)のはすごいことであるが、(勝手にゴールを設定しておいて何なのだが)もう少し細かくみると5大商社内での取得株式数については反省点があるのかもしれない。

以上

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