♪ 中村由真 - HEAVEN [1989]

中村由真といえばスケバン刑事IIIの風間三姉妹……よりも、近年「Dang Dang 気になる」(アニメ美味しんぼOP曲)の再評価によって海外や若年層にもその名が知られている印象の方が強い世代なんですが、その「Dang Dang 気になる」のリリースよりフォーライフからVapへ移籍した歌手活動末期(1989〜1990年)の楽曲群がこれまた良くてびっくり。ちょうどVap期のアルバム3作品を最近立て続けに手に入れたのでヘビロテしているところです。

まず鷺巣詩郎が全編にわたってアレンジを手がけた「GROWIN'」「10CARATS」の2作は、まごう事なきザ・鷺巣詩郎!なベッタベタのシンセサウンドで当時の時代感をビンビンに堪能できる一方で、時にジャジーだったり、シックでミニマルだったりなアレンジも聴けたりして、アイドル歌手からの脱却〜大人の女性への成長が音楽作品として昇華された良作。

♪ 中村由真 - もしかしたら![1990]
https://youtu.be/2MTjKVq3lJA?t=60

続いて1990年代後半、スタッフも一新され、小倉泰治など杏里の制作陣を中心に、中村由真本人が作詞作曲にも参加しセルフプロデュースに挑んだ現時点でのラスト作「Hold Out!」は、全体的にカラッとした空気感を纏ったポップアルバム。ブックレットに「車の運転が好きなのでドライブ向きのアルバムに…」的な本人の直筆コメントが載っていて、そういった意向も反映されたのかなという印象。12曲中6曲を本人が作詞、5曲を作曲。レコーディング時の歌い方も変えてみたりと、これでリリースが途絶えてしまったのがもったいないほどの意欲作。

♪ 中村由真 - FUNKY PUNKY NIGHT [1990]
https://youtu.be/6c2yffOcJPU

「Dang Dang 気になる」はスタジオアルバムに入っておらず、他にもシングル「HEAVEN」も未収録。どちらもアップテンポでご機嫌なナンバーなのにちょっと哀愁を感じて不思議だな〜と思ったけど、歌唱力で引っ張るタイプではない控えめな声質のおかげかも。

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