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手に包むうつわ Mano

去年、10年ほどやっていた工房兼ギャラリーを閉じました。

今は自宅工房で陶芸制作を続けています。
自分ひとりで工房兼ギャラリーを借りることになった時
(今思うとそれは本当に奇跡の連続でしたが、長くなるので割愛)
いろいろあって急遽決めなければならなかったお店の名前。

それが『Mano マーノ』 

明日までに決めて、と言われ全くノープランの中
頭を抱えながらもなんとかひねり出したのがこの言葉でした。

イタリア語で「手」を意味する単語。

土のかたまりから「手」を使って形を生み出していく陶芸という仕事
うつわは「手」に取り「手」で持って使うことが多いもの
そして、作り「手」から使い「手」へ
「手」を通して、伝え、伝わり、つながっていく・・・
そんな意味を込めたいなと思ったんですね。
イタリア語なのは調べた中で一番しっくりきたからで
そんなに深い意味はないんですが。
(あ、でもイタリアは大好きです。アッシジにはもう一度行きたいなあ)

そこから派生した形で、というのと
Manoだけだと何屋さんなのか分からないかもという不安もあって『手に包むうつわ』というコンセプトをくっつけました。

表題写真に使っているまるボウルは、その象徴。
手に沿うような丸みを意識して作っています。

両手でうつわを手にくるんで持つと
なんとなく、土のもともと持つあたたかみが伝わって
中に飲み物が入っていれば、その温度や重み、香りも
じかに感じることができますよね。
それが、このごはん美味しいな~♪というウキウキ気分にもつながる。

普段はあまり意識していなくても
食べる際にうつわを手に持って使うことの多い
日本人ならではの感覚じゃないかなとも思うし
自分の作るうつわを通して
何かしら伝わるものがあればうれしいことだなと
ひそかな願いもこめてます。

…と長々と書いてきて今思うのは
若気の至りというかはっきり言って気負いすぎてて恥ずかしすぎる。
どうもすぐに固くガチガチに考えてしまいがちな自分。
どうにかしたいところなんですが
でも根っこの気持ちは今でも変わらないと思うんです。

お店をやるなんて1ミリも考えてなかったのに
やることになり、細々でも続けてこられたのは
この根っこが自分の中にずっとブレずにあったからじゃないかな。
そこは我ながら評価してもいい気がするんですけどね。

そんなわけで、お店がなくなった今も
屋号としてホームページやオンラインショップに使っています。
作家としては個人名で活動していますが
自己紹介を兼ねて『Mano』とはなんぞや?を書いてみました。

noteでは初めましてです。
メインはうつわのこと
余裕出てきたら他のことも書いてみたい。
グダグダになることもあるかもしれませんが
どうぞよろしくお願いいたします。





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