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はじめまして! 自己紹介

初めて投稿します。

記者歴21年、前半の11年は、平和や民主主義、生活向上をテーマに取材し、記事を書いてきました。この間、派遣労働の拡大やブラック企業の暗躍で、働いても年収300万円以下の「ワーキングプア」や住む場所をもてない「ネットカフェ難民」、うつ病などメンタルを病む人が急速に広がり、私は当事者や同問題を打開しようと奮闘する人びとを取材してきました。

普通に就職し、1日8時間の労働で普通に生活ができ、余暇を楽しむ。勤務歴を重ねれば給与もアップしていき、適齢期には結婚や子育てなどのライフイベント。充実した毎日のなかで定年退職を迎える。当たり前に想像していた人生のレールは何かの拍子にボロボロと崩れ、もがいてももがいても希望の一筋が見えてこない。そんな状況下では心も体も血と涙を流し、むしばまれていきます。

救いの一つはつながり、「助けて」と言える人との結びつき。もちろんそれだけでは物理的な問題が残ります。でも、苦しさを吐き出したり、ともに笑い合える人とのつながりは、少しずつ少しずつ自分を認め、生きる力を養ってくれる。私は取材のなかで、そして取材後にいただいた手紙やメール、電話、記事への感想を寄せてくれる読者の方がたから学んできました。

旅先で。長野県佐久穂町

後半の10年は、食を基軸に取材し、雑誌の編集にたずさわってきました。
日本の食料自給率は38%。タネや肥料、農薬や飼料も含めると自給率はさらにガクンと下がります。世界を見ても食料政策は国の根幹事業なのに、日本政府は世界中の環境と人を食い物にして利潤を上げる大企業に参入の道を開き、地道に生産活動をする中小の農水産業者を追い詰めています。生産者が追い詰められるということは、消費者である私たちの食料は、大企業の利益至上主義に絡み取られる以外の選択肢がなくなることを意味します。

いっぽうで、このような反動的な政治状況のなかでも、いや、政治の反動性が強まるほど、より安全な食料の生産をとおして、人や地域のコミュニティを再生しようと試みる人びとが、津々浦々に生まれていました。彼らは資本主義が提示する「消費活動=豊かさ=幸せ」というモデルに対し、安全で豊かな食を確保し、自分らしく生きることや自然とともに生きることを「豊かさ」に据え、幸せのカタチをみんなで創造していました。

生きるために欠かせない食が人の営みの中心に。本来は、これが自然なのではないか。アトピーやぜんそく、「発達障害」とよばれる症状に苦しむ子どもたちが無農薬で化学物質無添加の給食によって改善するなどの実践や、「こども食堂」の取り組みなどもとおして、この思いは強く、深くなっていきました。

世界を襲う異常気象の映像は、毎日のようにニュースで目にします。環境破壊も人びとの生活や心身の破壊も根は同じ、資本主義の暴力的な収奪なのです。だれもがこれ以上、疲弊しないように、絶望しないように、私も私の「豊かさ」「幸せ」「自己実現」のカタチを探りたいっ。それがいつか、だれかの救いに、もしもなれたら…いいなっ。その模索の旅を、ここに綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします( ..)φ

宿泊先のお宅の庭で育ったトマト。甘かった~=長野県佐久市

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