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自動車昔話:第一話「FordとRivian」

昔々、米国という国に、amazonという村があって、その村長のBezosは、物流という祭に着る服を、老舗の大手であるFord洋服店で買っていました。

大企業であるFord洋服店には、小さいサイズから、大きいサイズまで、さまざまな洋服があり、人々は、その中から好きな服を買っていました。
種類も多く、毎年、新しいモデルが発売されるので、村人たちも、満足しているという時代が、100年あまり続いていたのです。

そんなある日、Bezosは、今の時代にぴったりの全く新しい服を思いつきました。
素材もデザインも、今ある服とは全く違う、本当にすばらしいアイデアだったので、Bezosは、どうしても、その服が欲しくなりました。

そこで、Bezosは、Ford洋服店に行って、自分のアイデアを説明し「これを作ってくれないか?」と頼みました。
しかし、Fordは、これまで、洋服のデザインと製造を全部自社でやってきたので、Bezosからの依頼に戸惑いました。
「わかりました、とりあえず、預かって、社内で検討してお答えします」とFord洋服店の店長が答えました。

Ford洋服店の内部では、議論が喧々諤々です。
「うちは既製服で商売するんだ、顧客からのカスタム仕立てなど受けない」
「大量生産のために数がまとまらないと、ビジネスとしてペイしない」
「そもそも、何故、その生地でデザインである必要があるのだ?」…などなど
結果的に社内の議論の結論は「生地もデザインもリスクがあり、かつ小ロットなのでペイできない」という理由で断ることとなりました。

翌日、Ford洋服店の店長は、Bezosに「申し訳ないですが、対応できません」と伝え、お詫びしました。
Bezosは「なんということだ、Ford洋服店のような大企業ができないとは…では、一体どこに頼めばいいのだろう」…と途方に暮れました。

せっかく思いついた素晴らしいアイデアの服を、何とかお祭りまでに用意できないか…Bezosは悩みましたが、よい解決策は思いつきません。
そこで、Bezosは、気分転換に町の酒屋に行くことにしました。
「気分を変えればアイデアが浮かぶかも」…Bezosは、そう考えながら通りを歩いていました。

すると、つい最近、開店した小さな個人仕立て屋の「Tailor Rivian」の看板が目に入りました。
まだ、商売を始めたばかりの若者が始めた小さな仕立て屋さんです。
「まぁ、無理だろうけど…」とBezosは思ったのですが、一応、聞いてみるかと思い、店のドアを開けました。

そこには、目がキラキラした若者がいて「今日の御用はなんですか?」と聞きました。

「あぁ、あの、こんな素材で、こんなデザインの服を思いついただけど、誰も作ってくれないだ。たぶん君もそう言うと思うけど」とBezosがスケッチをみせると、若者は食い入るようにそのデザインを見て、しばらく、いろいろ自分でも書いて考えていましたが…Bezosに、こう言いました「うちにやらせてください、できると思います」。

Bezosは、驚いて、こう言いました「本当にできるのかい?」。
「はい、たぶんできると思います」と、若者は自信ありげに答えました。

それから数カ月後、祭りに日になりました。

Rivian洋服店に注文したBezosの服は、Bezosのアイデアどおりに完成しました。素材もデザインも全く新しいので、村人には、あまりに新しすぎて受け入れられない人たちも多いですが、新しいものが好きな若者たちは、とても興味を持ち、一部の人たちは、既にRivian洋服店に行くようになりました。

多くの村人たちは、今でも、Ford洋服店で、Ford洋服店がデザインした既製服を、お値打ちな価格で買っていて、それで満足しています。
しかし、一方で、自分が欲しい服を自分でデザインして、Rivian洋服店で仕立てる人たちも少数ながらでてきて、増え続けています。

Ford洋服店とRivian洋服店が、その後どうなったのでしょうか?それはみなさん、ご自身で考えてみてください。

■ポイント
どこの部分が変化するかを見極めること
従来:自動車メーカー(企画、設計、製造、販売)>>>>既製服
今後1:顧客(企画)→スタートアップ(設計、製造)>>>>オーダーメイド(セールス不要)
今後2:顧客(企画)→スタートアップ(設計)→EMS(製造)>>>>オーダーメイドEMS(アンバンドル)

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